2023年2月4日土曜日

がん治療のCAR-T細胞療法

 今日のNHK第二放送で、がん治療としてCAR-T細胞による免疫治療が、治癒率70%以上と報道されていた。免疫療法について、日本の腫瘍内科医たちは、これを詐欺療法同様に非難している。そのような中で、免疫療法の効能を天下のNHKが公共放送してよいのだろうか、と疑問に思う。本当に効果があるのなら良いのだが、その効果をNHKの権威の元で公開するには、もっと明確な確証を得て、腫瘍内科達の批判にも十分答える形で報道すべきであろう。
癌治療方法について、調べた僕としては、この放送が安易な判断で行われたのではないかと心配である。
しかし、更に番組が進み状況が理解できた。
この療法は、あくまで血液がんが対象で、大腸がんとか肺がんなどの固形がんには効かないのだ。それに、この療法は2019年には公的医療保険の対象になっている。固形がんに効かない理由は、固形がんの場合には変異箇所がたすうあって、その一部を破壊しても他の変異形のがんには効かないらしい。つまり、多種の変異ウイルスに対応するT細胞を必要とするわけだ。

実は、最近の遺伝子分析の容易さから、多種の変異に対するT細胞を使う療法として、ネオアンチゲン療法なる治療が試みられているが、これはなお公的医療保険の対象としては認められていない。しかし、この方向での免疫療法に全く希望が無いとも言えない。今後の研究を待つべきだろう。他方、詐欺まがいの免疫療法もあるので、免疫療法全体が信用できない状況だ。これらを行政的に整理してもらいたいものだ。

ただ、癌細胞の遺伝子異常の数が多いために、患者ごとの治癒状況の違いが多く、治癒効果がなかなか上がらないのが実情のようだ。
そのため、化学療法を推進する腫瘍内科医からは詐欺呼ばわりされているのが実情のようだ。



0 件のコメント:

コメントを投稿