2019年12月15日日曜日

ねじり式ガス栓のガス漏れ

今回、大阪の民泊を冬季閉鎖に行ったが、いつも通りにガス漏れ検査を行った。
もちろん、自分でするのではなくて、ガス会社の下請けの検査員が来る。
ガス圧をチェックすると漏れがあり、それも、検査用に開放した栓の所で漏れているとの事だ。
検査員はどこかに電話して、別の検査員が来るとのことだ。
昼前にその検査員が来て、やはり測定して、その栓の漏れを確認してから、栓を取り替えた。
次いで、再びガス圧を測定すると、まだ漏れているとのことだ。
そこで思い至ったのだが、風呂の追炊き器の開栓時に、とても堅くて、パイレンを使って開栓したことだ。そのことを言うと、その栓の周囲を測定してガス漏れを確認した。
その栓は、新しいカチットタイプではなく古いタイプなので、栓を取り替えるとややこしいことになりそうだと思った。これは困ったと思っていると、検査員は栓をばらして、固まっているグリースを取り除き、新しいグリースを塗り締め直した。結果は、漏れが止まっているとのことだ。
結局、二つの栓共に、グリースが古くなり、しかも冬季で固まっていたため、これを無理に開放することで、グリースが片寄りガスが漏れることになったらしい。
なるほどなぁと感心し、またグリースの厚みでもガス漏れが起こることに驚いた。と、いうか、グリースが固くなり、そのような隙間が出来るほどに栓には隙間があるとの構造に驚いた。
費用はいくらかと聞くと、取り換えた分は、その時に検査員が開栓したことに責任があるとのことで、他方は取り換えたわけではないし、共に無料とのことだった。それはとても有難いのだが、寒い時期に、ねじり式のガス栓は、無理やり開けてはならないって大切な教訓であった。ではどうすれば良いのか、やはり暖めることが必要だろう。お湯を沸かしてこれをかければ良いが、そのためには、ガス以外の例えば、ポータブルガスが良いのだろう。。

2019年12月10日火曜日

アドルフ・ヒトラー 独裁者の人生行路 (トーマス ザンドキューラー)を読んで

別にヒトラーを尊敬するわけでもなく、ナチズムを称賛するわけではないが、彼のような成り上がり者が一国の指導者になる経過を知りたいと思っただけです。
しかし、一国を支配したと言っても、その経過は狂気の種と悲惨さの種をばらまくって恐ろしい結果となった。
この本によると、ヒトラーが独国の支配権を得るために要した期間は10年程度で、それまでの彼の人生は、戦争前は怠惰で利己的で高慢なものであった。第一次大戦では、なぜか伝令兵として本部と戦線間の伝令であったことで、生存率は戦線の兵士よりは高く、それ故に生き残ったのだが、これがドイツ国家、ドイツ国民の未曽有の悲惨さをもたらすことになったわけだ。
更に驚ろくべきは、その彼が政権を取る過程だが、先ず、彼が扇動的な演説に長けていたことと、特に、いわゆるヘイト的な演説に長けていたことが彼の全てであったと言えるだろう。彼がその悲惨な世界を作るべく駆けあがりはじめるのは30歳の頃からになる。
彼の演説では、そのヘイト演説の対象はユダヤ人であり、その時期の陰鬱な社会情勢から、人々がみな、スケープゴートの対象を望んでいて、これが人々の心を揺り動かしたわけだ、
更に彼の行ったことは、人の心の邪悪な部分を扇動して、邪魔ものはひきずり下し、暴力的に選挙妨害し、暴力的に選挙違反をして、暴力的に政権を取ってしまった。
しかも、その手段の多くはばくちのような手法で、そのばくちに国民全体をひきずりこみ、何百万のユダヤ人や身体障碍者、精神障碍者を殺害し、遂には戦争に引きずり込んでしまった。
ばくちもほぼ可能性の無いばくちを遣れば、かならず破綻する。そのあからさまな破たんに国民を引きずり込み、自分の地下壕が占領されるまで国民を共ずれにして、それも、10代前半の子供達を前線に送りだし(日本軍もやった愚行だが)後悔どころか、スラブ人の方がアーリア人より優れていたとか、国民を罵倒しながら死んでいったのだから酷い男だ。何が目的で生まれてきたのだろう。利己主義も極まれりって男であった。

ところで話は変わるが、紀元前100年ごろのカエザルだが、昔、彼の名前をカエザルとでは無くて、シーザーと習ったが、これは英語読みで、正しくはカエザルであっただろう。その彼は、貴族の家系だが全くの無名の一族に生まれている。
カエザルは、女たらしで浪費家で借金にまみれていたが、栄光の階段に登り始めるのは実に40歳に近くなってからだ。ローマ帝国の特徴で、政治の中枢となるには階段を徐々に上がるか、優れた業績を上げねばならないシステムとなっていて、カエザルはその前者で、徐々に地位を得て、40代近くになり、ガリア地区の属州統治を任されてからとなる。ガリア地区で実に8年間も闘い続けたが、王制を嫌う元老院の反攻に、仕方なく、例のルビコン川を兵を率いて渡ることでローマをほぼ制した。つまり、本当の英雄とは、思い付きでは無くて、経験を元とした実力でないと直ぐに化けの皮は剥げてしまい、その時には大勢の犠牲者を伴うってことだろう。
ヒトラーは自分は第三帝国を建設する等と公言したが、たかだか10年で、多くの人々を不幸にひきずる愚行を為しただけのことなのだ。
ただカエザルのこの行動で、ローマの合議制は力を失い、帝政となる。一種の独裁政治であり、能力ある皇帝が在位する時は順調だが、無能とか悪徳な皇帝となると途端に体制は崩壊への道を進む。ローマの崩壊の原因は種々提示されているが、僕の考えでは、先ずは、市民の所得格差が大きくなり、市民兵に多くを期待できなくなり、その結果として、ゲルマン人を傭兵としたことが第一だろう。要するに、国家への忠誠を期待できなくなったのが第一要因で、次いで、ローマの戦術や兵器が旧弊なままであったことだろう。その結果として、領土が減り、国家収入が減ると、更に国家力は急激に衰えて行く。

ローマの後は、封建制社会となり、ヨーロッパは急激に劣化して行く。が、地中海沿岸にベネチアが勃興し、ヒトラーの曰く、第2の千年帝国が生まれたのだが、ベネチアは帝国では無くて、いかに独裁者を防ぎ、しかも、いかに優秀な合議員を集めるかに徹した態勢であった。ただ、彼等自身が気付いたように、国家の大きさ、つまり、巨大な富と人口を有効に活用する国家には勝てないことに、彼等自身が気付き、その通りに、巨大国家に滅ぼされてしまった。
なお、ヒトラーの帝国は、1000年帝国では無くて、たった20年程度の帝国であった。が、よくまあ、20年の間にあれほどの不幸を世界にふりまいたものだと感心する。

ところでローマ帝国の崩壊は、4~5世紀の民族移動の結果として起こるのだが、おそらく、蛮族側に馬術道具か技術の向上があったものと思われる。そのためにローマ軍が敗北したのだろう。蛮族側は結局は、フランク族がフランク王国を建国し、ピピン一世とかカール大帝が統一を果たすのだが、封建国家として領主の集まりの国家なので帝国とは言い難いわけだ。フランク王国はその後東西に分かれて、更に、その後、東は神聖ローマ帝国に、西はフランスにとなるのだが、体制としては相対的に短命の封建国家が続く。先ずは北イタリアから始まったルネッサンス、その後、英国から始まった産業革命とあいまって中央集権化が進む中で、英雄としてはナポレオンが現れる。
彼の軍隊は大砲を有効に使う戦術で他国を圧倒するのだが、ナポレオンが砲兵隊の長であったことでの戦術と思われているが、実は、ナポレオンの活躍直前にこれを実績とした将軍がおり、そのような環境下と彼の能力があいまって英雄となることが出来たのだが、ロシアに攻め込むという失敗と、彼の戦術が他国にも真似されることで敗北となる。
この頃から、兵器と戦術の重要さが各国で認識されるのだが、日本軍は、実に、第二次大戦の終了まで、更には、現在もまだそのような理解をしていないのが実情だ。

なお、ヒトラーが自分の築いた帝国を、”第3 1000年帝国”と称していたが、実際には、30年程度しか続かなかった。それはともかく、1000年帝国としては、ローマ帝国、次いで、ベネチア共和国のことを指したのだろう。ヒトラーの知識では、ベネチアを帝国と考えていたらしいが、実際には、帝王とかの独裁者を徹底的に排除するシステムの国家であった。
おそらく、ベネチアの建国者達は、歴史を学び、独裁者制度の弊害を十分に学んだからだろう。独裁者の出現をいかに防止するかが、各国の憲法に採用されたが、それでもなお、ドイツではヒトラーの出現を抑えられなかった。
ところで、独裁者を抑えることで、問題となるのは衆愚政治化することだが、日本の政治はこの欠陥を見事に示している。そこで、ベネチアでは、官僚は学業成績が優秀な人間を採用するが行政の中心としての政治家には、特に、商業・海運で見事な才能を見せた人物を選ぶようにした。二世政治家などの出る余地は無いようにすることで、千年国家を達成したわけだ。
他方、日本は、僕の働いた時代には、GDPは米国の80%迄にも至った。その原動力を何かと理解せず、それがまるで自分たちが築いたと勘違いした、政治家と官僚達がその富を食いつぶし、貴重な知識や技術を高めるどころか、これらを中国・韓国にまき散らすことで、自国の力を衰えさせて、今では、GDPは米国の20%と衰えて、中国の50%にもなってしまった。
今もなお、安倍晋三なんて屑が大きなことを言いながら、結局は、何の成果も上がらないことに巨額の金をばらまき、国力をどんどんと消耗している。もう、日本は駄目だね、と変な結論になってしまった。でも、成果がどうなっているか、何の検証もしないなんて不思議な男だ。税金って、成果が挙がることに使わないと、国力はどんどんと下がって行くことすら理解しない政治家なんて存在価値はないだろう。