2024年4月28日日曜日

今の若い夫婦は大変です。特に、住宅事情は厳しいです。

 生活レベルの高くなった今、若い夫婦は大変です。

夫婦ペアローン拡大 首都圏新築マンションの3割

価格高騰・女性の正規雇用増 負債膨張、金利高リスク

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夫婦で住宅ローンを借りるペアローンの利用が増えている。価格が高騰する新築マンションが顕著で、首都圏の2023年の利用者は約34%と過去最高を記録。20代では単独で借りる場合に比べて借入額は1.9倍だ。女性の正規雇用が増えていることが背景にある。ただ、高止まりする住宅価格に対応するため家計の負債額は膨らみ、金利上昇リスクも抱える。

「予算を2割超えたが、見合う価値はある」。約1年前、東京都目黒区のマンション購入のため、夫婦で約1億円を超す住宅ローンを借りた30代男性は話す。夫婦両方の勤務先から30分圏、60平方メートル台後半の2LDKだ。「将来、売却する際も資産価値は保てる」と共働きの妻からも異論はなかった。

夫婦で住宅ローンを借りる代表的な手法のペアローンでは、夫婦が1つずつ計2つのローンを契約する。リクルートによると、23年の新築マンション契約でローンを使った場合、首都圏は約34%、関西圏は約25%がペアローンを利用。いずれも18年に調査を始めて以来、過去最高だ。

背景にあるのが新築マンションの価格高騰だ。不動産経済研究所(東京・新宿)によると、23年度の東京23区の平均価格は1億円を超えた。夫婦2人分の収入を前提に借入額を増やさなければ、容易に手が出せない水準だ。リクルートの柿崎隆SUUMO副編集長は「価格高騰が続く限り当面はペアローンの利用が増えそうだ」と分析する。

新築マンションの影響で中古マンションや戸建ても一部で価格が上がっている。「(マンションや戸建てなど住宅形態にかかわらず)借入額を増やしたい意向を持つ人は多く、全体的にペアローンの利用は広がっているもようだ」(三井住友トラスト・資産のミライ研究所の丸岡知夫所長)

ミライ研の調査では、1人で借りる単独のローンよりペアローンは借入額が大幅に増える。2人の収入を前提とするため、返済能力がより高いとみられるからだ。特に20代の増加率が目立ち、24年の中央値ではペアローンの借入額は4100万円と単独の約1.9倍に達する。

総務省によると、共働き世帯は23年で約1278万世帯と専業主婦世帯の約2.5倍だ。20~30代女性の場合、正規雇用率も大きく上昇している。一般的に正規雇用なら住宅ローン審査でも有利になり、ペアローンの利用を促す要因になる。

リクルートの調査では既婚・共働きで世帯総年収1000万円未満の場合、ペアローン利用率は全体平均とほぼ同じだが、同1000万円以上は6~7割に跳ね上がる。「所得が高い夫婦ほど都心の高額物件へのこだわりが強く、ペアローンの利用率が高くなる傾向がある」(リクルートの柿崎氏)

一方、家計が抱える負債は増えている。住宅価格の高騰に加え、以前より少ない頭金で購入する動きが多いためだ。総務省の家計調査によると、住宅・土地関連の負債(負債のある2人以上世帯の平均)はここ数年、増加が目立つ。住宅金融支援機構によると、足元では住宅ローン利用者の約74.5%が返済中に金利が変わることがある変動型を選んでいる。

3月に日銀がマイナス金利解除に動き、今後は住宅ローン金利の上昇も考えられるだけに、多額の負債は家計の重荷になる懸念がある。

ペアローンにはもう1つ固有のリスクがある。若年女性の正規雇用率が上がる一方、その割合が年齢とともに下がる「L字カーブ」は依然、残る。出産などを機に妻の収入が減ったり途絶えたりすると、一気に返済が苦しくなるおそれもある。

丸岡氏は「今後、ペアローンを利用する際は『金利のある世界』を前提に自らの負債と収入、夫婦の将来的な働き方の希望、所得の見通しなどをより一層、慎重に考える必要がある」と話す。

米国利下げはいつになるのだろうか?

 

30日~5月1日 FOMC

米、利下げ時期どう判断

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米連邦準備理事会(FRB)は30日から5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。予想を上回る物価上昇を示す指標が続き、インフレ抑制への自信を持ってきたパウエル議長の強気な姿勢は修正を迫られた。市場参加者は議長から利下げ時期に関してヒントが出てくるか注目している。

政策金利の据え置きは確実視されている。今回は3カ月に1回の経済見通しも示されない。焦点はFOMC後の記者会見での議長発言に絞られる。

転機は10日の「CPI(消費者物価指数)ショック」だった。3月のCPIがエネルギーと食品を除くベースで前年同月比で3.8%上昇し、1~2月に続いて予想を上回る結果となった。

高インフレが沈静化していく長い下り坂の途中では、一時的な振れもある。2月の指標が出た時点でパウエル氏はこんな見方を「でこぼこ道」と表現していた。「インフレ抑制に向けた動きが失速した可能性がある」(ウォラー理事)と基調の変化を懸念する高官らと比べ、楽観的な姿勢が目立っていた。

パウエル氏はCPI公表後の16日のイベントで物価上昇率が2%に戻る確信を得るには「予想以上に時間がかかりそうだ」とトーンの修正を迫られた。25日に公表された1~3月の米個人消費支出(PCE)物価指数も想定を上回る強さで、物価の高止まりや再燃のリスクについてどれくらい深刻に考えているのかが注目される。

アトランタ連銀のボスティック総裁は18日のイベントで「年末にかけて利下げをする状況にはない」と踏み込んだ。物価高の懸念に加え、経済が好調で下支えの必要がないという。

普段は景気を重視して緩和的な政策を求める「ハト派」の一部も、今回は足並みをそろえる。代表格のサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「利下げを急ぐ必要はない」と講演で繰り返している。この点については、パウエル氏も再び強調する公算が大きい。

逃げ水のように、利下げの想定時期はずれ込んでいる。構図は年初から変わらないが、市場と当局の温度差が修正された点は異なる。金利先物を反映する「フェドウオッチ」で政策金利見通しを加重平均したところ、23年末時点では3.8%程度と今後1年間で6回の利下げを想定していた。

この楽観論は消え、25日時点で5.0%と年末まで1~2回しか想定していない。FOMC参加者は3月の経済見通し(中央値)でも年内3回分を想定していた。認識のズレが小さければ、市場が不安定になるリスクも小さい。

利下げ開始時期と11月の大統領選との兼ね合いも話題になりそうだ。パウエル氏は金融政策について政治情勢を勘案して決めるものではないと繰り返すが、「外野」では「利下げするなら11月の前にやるのが筋」(元FRB副議長のリチャード・クラリダ氏)などといった発言が飛び交う。

今回のFOMCではFRBが米国債や住宅ローン担保証券(MBS)などの保有資産を圧縮する量的引き締め(QT)の減速を正式に公表する可能性もある。前回の会合後の記者会見で実施方針を表明済みで、いまは上限を月600億ドル(約9兆3000億円)としている米国債の削減額を半分程度にする案が有力だ。

狙いはあふれたマネーを回収する過程で市場に目詰まりが起こる事態を未然に防ぐことにある。前回17~19年にQTを実施したが、終了直後の19年9月に金利の急騰が起きて混乱した。パウエル氏は持続可能なペースでより長く資産圧縮を続けるためだと説明しており、金融引き締めを緩めるという目的を否定している。

植田総裁の真意はどうか

 ほんとうかな?
それが真実かどうかは、これから判る。

植田氏、連続利上げ布石か

市場が見逃した「タカ派ぶり」 基調的な物価上昇に自信

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日銀が26日の金融政策決定会合で政策金利を据え置き、国債の購入方針も変えなかった。何らかの円安への対応に期待していた市場は「ゼロ回答」を吹聴し、一段の円売りに走った。

だが、円安騒ぎの陰で日銀は連続利上げに向けた布石を着実に打っている。円安でなかったら、市場はむしろ植田和男総裁が率いる日銀の「タカ派ぶり」に驚いていたかもしれない。仮に円安で追い込まれたふりをしながら金融政策の正常化への舞台を整えているのだとしたら、かなりの高等戦術と言えそうだ。

「基調的な物価上昇率」という言葉の分かりにくさが、混乱を呼んだのかもしれない。植田氏は会合後の記者会見で「基調的な物価上昇率に、ここまでの円安が大きな影響を与えているということではない」などと述べ、円安対応に慎重と受け止められた。

伏線は18日の米ワシントンでの会見にあった。植田氏は円安について「基調的な物価上昇率に影響を与えるという可能性はありうる」と前置きしたうえで「無視できない大きさの影響が発生した場合は、金融政策の変更もありうる」と語った。「基調的」という言葉に注意を払わなかった市場関係者は、円安に対応した利上げを視野に入れていると解釈した。

ところが今回の会見で真意を説明すればするほど「円安に金融政策で直接対応するつもりはない」という日銀にとっての「正論」がクローズアップされ、円売り勢を勇気づける結果となった。

植田氏が繰り返した「基調的」という言葉は、一時的な要因を除いた、長い目で見た「物価の実力」のこと。表面上の物価上昇率は目標の2%を超える期間が長引いているが、基調はまだ2%を下回るとみている。

円安はまず輸入物価を押し上げ、国内で価格転嫁が進むにつれ、消費者物価に上昇圧力をかける。次に、この物価高の圧力が賃金上昇に波及すれば、緩やかな物価上昇が自己回転する「好循環」につながる。この経路によって動くのが基調的な物価上昇率だ。

円安という要素は、最終的に好循環のさらなる進展をもたらし、2%の基調的な物価上昇の定着に向けて寄与していると確信できて初めて、利上げの判断に関わってくる。円安が金融政策を動かすとすれば、そんな回りくどい道のりになる。

気をつけたいのは、日銀が見据える「本丸」の利上げシナリオは、必ずしも円安と直接の関係がないことだ。決定的に重要だとみているのは、今回の円安より前から進み始めている好循環の見極めだ。

今年の春季労使交渉では大企業を中心に歴史的な賃上げがまとまりつつある。中小企業への波及がみえ、人件費増が販売価格へと転嫁される流れが確認できれば、好循環が続く確度が高まる。追加の利上げは十分正当化される。

日銀は円安に関係なく、基調的な物価上昇率が2%に上向いていく可能性に自信を示している。今回から2026年度まで予測期間を延ばした「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、基調的な物価上昇率が「見通し期間後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移する」とうたった。

植田氏は経済や物価が想定に沿って動けば「政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」と明言した。さらに最終的には「政策金利は、ほぼ中立金利の近辺にあるという展望を持っている」と踏み込んだ。

中立金利とは、日本経済の現状にふさわしい景気をふかしも冷ましもしない政策金利の水準のこと。具体的な水準は「かなりの不確定性がある」として明言を避けたが、日銀内には「1~2%強」との見方も聞かれる。実質ゼロ金利の現状から26年度にかけて、その辺りまで利上げを続ける可能性があるということだ。思惑通りに進む保証はないが、円安に追い込まれたようにみえる構図のなかで植田日銀が着々と練る利上げ計画にも注意を払ったほうがよいだろう。

円安を加速させる米国側の原因です

 

円安加速させる米「3高」

経済成長率・インフレ・金利 日本側、打つ手乏しく

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【ニューヨーク=三島大地、野一色遥花】26日のニューヨーク外国為替市場で円は1ドル=158円台半ばまで下落した。1990年5月以来、34年ぶりの安値をつけた。日本の財務省は円買い・ドル売りの為替介入をちらつかせるものの、現在の円安・ドル高は米国の高い経済成長率、高インフレ、高金利という「3高」が根底にあり、日本の当局が打てる手は限られているとの見方も強い。(1面参照

26日の金融政策決定会合で日銀は金融政策の現状維持を決めた。「市場は無味乾燥としたガイダンスに明らかに失望している」(オランダ金融大手INGのカン・ミンジュ氏)との見方から、東京外国為替市場では会合後、1ドル=156円台まで円が下落。同日のニューヨーク外国為替市場でも円安が加速し、158円30銭前後で取引を終えた。

円安の底流には堅調な米景気への期待と、それがインフレの長期化を招く事への警戒感がある。25日に公表された1~3月期の米国内総生産(GDP)では個人消費や設備投資の堅調さが確認された。欧州や中国経済が低迷し中東情勢も不安定化するなか、世界のマネーは米国への投資、ドル買いに向かいやすい。

堅調景気はインフレ懸念を通じたドル買いも誘発している。米商務省が26日発表した3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比上昇率が2.7%と、2月の2.5%から加速した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化警戒から、長期金利の指標となる10年物国債利回りは25日の米債券市場で23年11月以来の高水準となる4.73%まで上昇。日米金利差が開き円売り・ドル買いを後押ししている。

FRB幹部の間でも根強いインフレと景気の底堅さを背景に、インフレ抑制の確信を得るまで「予想以上に時間がかかりそうだ」(パウエル議長)との見方が支配的になっている。高い成長率、高インフレ、高金利を受け、ドル指数は23年10月下旬以来の水準で高止まりしている。

歯止めがきかない円安に対して、市場は財務省・日銀には現状、打つ手がないとの見方を強めている。「22年の介入が効果的だったのは、米金利が高値を付けたタイミングで実施したからだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)と米雇用統計を控えるなか、日本の当局者には当時のような自信はないだろう」(米バノック・バーン・グローバル・フォレックスのマーク・チャンドラー氏)

当局の足元を見るように、ヘッジファンドは円売りを加速している。米商品先物取引委員会(CFTC)が26日公表したデータによると、投機筋の売買動向を示す「非商業部門」の米ドルに対する円の売り越し幅は23日時点で17万9919枚。6週連続で拡大し、07年6月以来の売り越し水準となっている。

当局が実際に為替介入に踏み切っても、「米ドルや米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の状況が変わるまでは、川の流れに逆らうようなものだ」(フォレックス・ライブのアダム・バトン氏)。自民党の越智隆雄衆院議員が、ロイター通信のインタビューで「160円、170円になってくれば何か手を打たなければならない」と語ったことで、160円までは円売りのお墨付きを得たとの見方も浮上する。

もっとも、介入警戒感があるなかで週間で3円以上も円安が進むのは非常にまれだ。2022年9月と10月の介入時も前週末比で3円前後円安に振れたタイミングで介入に踏み切った。今週のFOMCで利下げ観測が一段と後退すれば、追い込まれた末の為替介入という選択肢も現実味を帯びてくる。


2024年4月27日土曜日

経済人の多くが、日銀・財務省に失望している。

 日経新聞によると、日銀・財務省に失望しているのは、我々だけではない。

円安急加速、158円台 米インフレ長期化警戒

1週間で3円下落

【ニューヨーク=三島大地、野一色遥花】26日のニューヨーク外国為替市場で円は1ドル=158円台前半まで下落した。1990年5月以来、34年ぶりの安値をつけた。同日発表の米物価指標でインフレの加速が確認され、米長期金利には上昇圧力がかかっている。日米金利差の拡大が意識され、円の急落につながった。

米商務省が同日発表した3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比の上昇率が2.7%と、2月の2.5%から加速した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの警戒が強まった。米金利先物市場が織り込む年内の利下げ回数は1回以下が6割に達し、年初の6~7回から急減した。

FRBの利下げが遠のくとの見方から、長期金利の指標となる10年物国債利回りは4.6%台後半と年明け以降、上昇傾向が続く。

一方、日本では26日の金融政策決定会合で日銀が金融政策の現状維持を決めた。植田和男総裁は同日の記者会見で円安について「基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていない」との見方を示し、円安に対応した利上げは遠いとの見方が広がった。

日銀の決定前は1ドル=155円台半ばで推移していた。日銀は26日、政策金利を0~0.1%に据え置き、国債の買い入れ額も従来通りを維持すると決めた。「市場は無味乾燥したガイダンスに明らかに失望している」(オランダ金融大手INGのカン・ミンジュ氏)など、日米の金融政策の方向性の違いが意識され、円売り・ドル買いが加速した。

焦点は日本政府による円買い・ドル売りの為替介入の有無だ。週間の円の下落幅は3円を超え、財務省が2022年に為替介入に踏み込んだ当時と状況が近似する。2年ぶりの介入が視野に入る。

ただ、日米の金融政策の方向性が変わらない限り、介入の効果は限定的との見方もある。フォレックス・ライブのアダム・バトン氏は「米ドルや米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が好転するまでは、川の流れに逆らうようなものだ」と話す。

もう介入だけでは火に油ですか?なら利上げですね。

 口先介入が多すぎて、いまや円安是正に介入だけでは駄目でしょうね。となれば、利上げですが、国民に負担が大きそうです。八方ふさがりの日銀さんは、責任取らんでしょうね。

にじむ早期利上げ観測

遠のく米利下げ 金利差縮まらず

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日銀は4月の金融政策決定会合で追加利上げを見送った。賃金と物価の好循環の強まりをじっくり見極める姿勢を強調するが、決定会合後に円安が進み、市場が追加利上げを迫る展開が続く。米国の金融政策や国内の政治日程なども利上げ時期の決定に影響し、日銀は今後の利上げの検討に際して難しい判断を迫られることになる。

「基調的な物価上昇率に、円安は今のところ大きな影響を与えてはいない」。植田和男総裁は26日の記者会見でこう強調した。追加利上げにあたっては「経済全体の賃金が上がり、サービス価格にどう反映されていくか」などを見て物価の基調を判断するという原則論を繰り返した。

野村総合研究所の木内登英氏は会見を受けて「早期の追加利上げ観測が後退した」と指摘する。日銀が「円安阻止のために利上げするわけではないという姿勢を示した」ためで、追加利上げの時期は従来予想から変えず最短で9月とみる。

大和証券の岩下真理氏は「円安の基調物価への影響を見極めるには時間がかかる」と指摘し、追加利上げの時期を9~10月と見込む。SMBC日興証券の丸山義正氏は「賃金から物価への波及が確認できないうちは追加利上げをしないだろう」と受け止めた。

ただ、賃金と物価の好循環の強まりを見極めて次の利上げを決めたい日銀の思惑通りにいかない可能性がある。理由は急速に進む円安だ。

円安の主因は日米の金利差にある。年初は米国の利下げが24年中に進み、円高になるとの見方も多かったが、ここにきて米国の早期利下げ観測が後退。連邦準備理事会(FRB)の24年中の利下げ回数は1回程度との見方が増えている。

一方の日銀は3月にマイナス金利政策の解除に踏み切ったものの、政策金利は低いままだ。金利差が開いたままでは円安・ドル高がさらに加速する可能性もあり、それが日銀の政策決定に間接的に影響を及ぼしうる。

BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は9月ごろを次の利上げ時期とみているが、円安が続けば「完全雇用のもとで人件費の増加や輸入物価の上昇を転嫁する動きが加速する」として「6、7月にも利上げ前倒し」の可能性があると指摘する。野村総研の木内氏は早期利上げの場合「為替で動いたと市場に受け止められないよう、物価や賃金のデータを見て動く形を取るだろう」と指摘する。

実際この1年余りは、日銀が円安に政策変更を催促される構図が目立った。日銀は22年12月の会合から3回、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を修正して事実上形骸化させたうえで、今年3月の会合での異次元緩和解除に踏み切った。これらのYCC修正はいずれも円安・ドル高が進み、長期金利が上昇局面にあったタイミングだった。

円安に加えて、国内の政治動向も日銀にシナリオ変更を余儀なくさせる要素になる可能性がある。岸田文雄首相は9月に総裁選を控える。与野党内では6月23日の今国会会期末までの衆院解散・総選挙を模索するとの見方がある。最近は国政選挙の前に大きな政策変更に動いた事例はほぼなく、仮に衆院解散・総選挙があればその前後の政策変更は難しくなる。

もっとも追加利上げの道筋は簡単ではない。変動型住宅ローンの金利が上がる可能性が高く、家計への影響が大きいことから政府関係者からは慎重な意見も上がる。植田総裁は会見で「利上げの影響は当然、広範な経済主体に及ぶ。利上げするなら注意深く進めていく」と述べた。

4月26日の円安加速は、日銀総裁の会見発言が火元であった。

 あきれてしまうわ。

円安進行、歯止め役なく

日銀現状維持、市場肩すかし 円買い介入注視

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外国為替市場で円安・ドル高に歯止めがかからなくなってきた。円安に対応して日銀が何らかの対策を打ってくるとの市場の見方は肩すかしとなり、日銀の植田和男総裁の会見中に円安が一段と進行する事態となった。円安の歯止め役が不在の状況で、1ドル=160円台も視野に入ったとの見方が浮上している。(1面参照

26日午後0時22分、日銀が「当面の金融政策運営について」という文章を公表すると円が急落した。155円50銭台で推移していた円相場はわずか10分弱で156円台に水準を切り下げた。1990年5月以来34年ぶりの円安・ドル高水準だ。

市場は今回、0~0.1%に据え置かれた政策金利をどう変更するかというテーマよりも国債買い入れ額を減らすかどうかに注目していた。現在は大規模な国債買い入れにより債券の利回りが押し下げられていることが円安・ドル高の一因となっている。

企業経営者から円安進行を懸念する声が出始めるなか、日銀も対応に動くとの見方が浮上していた。3月にマイナス金利を解除したばかりの政策金利変更と比べれば、国債買い入れ額の減額のハードルは低いとの見方からだ。25日には一部報道で「日銀が国債の買い入れ減額を検討する」と伝わったことも、円安に対応した政策修正への市場の期待感を強めた。

ただ、公表文では国債の買い入れについて「24年3月の金融政策決定会合において決定された方針に沿って実施する」とのみ示され、減額に関して言及はなかった。「市場が想定していたほどタカ派ではなかった」(みずほ銀行の南英明調査役)との見方から、円売り・ドル買いが広がった。

会見中にも加速

1ドル=156円近辺で推移した午後の円相場に「円売り第2波」が襲ったのは、午後3時30分に植田総裁が記者会見に臨んだ時だ。足元の円安について「基調的な物価上昇率に今のところ大きな影響を与えていない」と話すと、円売りが加速した。会見中に1ドル=156円80銭台まで円安・ドル高が進んだ。

植田総裁は18日、米ワシントンでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、円安進行に伴う物価高について「無視できない大きさの影響になれば、金融政策の変更もありえる」と述べた。円安が基調的な物価に影響を及ぼしていないということは、足元の円安進行は早期の利上げに直結しないことになる。結果として円売り・ドル買いに安心感が強まった。

円安・ドル高のけん引役は代わりつつある。3月以降の円相場を押し下げてきた主役は、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測の後退による「ドル高」だった。米国の物価上昇が根強く、市場が見込む24年の利下げシナリオは従来の4回から1~2回まで後退した。5.25~5.5%の政策金利という高金利が長引くとの見方が広がり、幅広い通貨に対してドル高が加速した。

26日に見られたのは日銀の低金利継続を前提とした「円安」の動きだ。円は対ユーロでも1ユーロ=168円台と08年8月以来の円安・ユーロ高水準を更新した。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「円を買う材料がなく、円安を妨げるものがない」と話す。

午後5時過ぎには一時1ドル=154円台まで円が急騰する場面もあった。円が安値を更新したことで為替介入への警戒感が強まり「22年9月22日の為替介入と同じ時間帯を狙って、介入に見せかけたヘッジファンドのしかけが入ったようだ」(邦銀ディーラー)。

ただ154円を付けたのはものの数分だった。すぐに156円台に押し戻され、かえって市場参加者に円売り圧力の強さを印象づけた。

160円台も視野

来週から日本は大型連休に入るため「国内輸出企業の円買いが入らなくなるため、さらに円安・ドル高が進みやすくなる」(大手銀ディーラー)と一段安への警戒感がくすぶる。ステート・ストリート銀行東京支店の貝田和重・金融市場部長は「日銀の説明で円が売りやすくなり、1ドル=160円台まで下落してもおかしくはない」と語る。

円安対応のボールは再び円買い介入の権限を持つ財務省に移った。鈴木俊一財務相は26日の閣議後の記者会見で円安への対応について「具体的な政策手段は述べることができない」と発言した上で、「為替市場の動向を注視して万全な対応をとっていきたい」と従来通りの姿勢を強調した。

SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは「このままの勢いで円安が進めば、政府が為替介入の際に重視する『ボラティリティー(変動率)の高まり』を意味する」と指摘する。152円や155円など当初「介入ライン」と見られていた水準は既に下回っている。「いつ為替介入が入ってもおかしくはない」(信託銀ディーラー)と警戒感は最大限に高まっている。

2024年4月23日火曜日

2024年の農業

 昨年植えた玉ねぎの早生分が実り始めたが、70%がベト病でやられた。それでも、30個は出来たから、60円/1個とすれば、1,800円で苗代の500円は元を取っている。しかし、苗を100本植えたのに30個では寂しい。中生分も100苗だが、天候が悪いのでベト病が心配だ。
同じく、昨年植えたグリンピースは、どうやら連作障害らしく、出来はよくない。なんとか楽しめる程度に出来るだけだろう。
上記の二つに比べて、今年植えたジャガイモは、出来は良さそうだ。一昨日には土寄せを行った。
今年の春野菜は、数日前にロイヤルで、ナス、ピーマン、キューリ、ミニトマトの苗を購入して、大きなポットに移し替えて植え付けを待っている。
大きな苗が出るのを待っていたが、どうも大きな苗が出る様相がなく、それぞれ追加の苗をロイヤルで、結局、同じ大きさの苗を買った。

例年と違って、皆さんはもう既に苗植えを終わっている。通常は連休後に寒波が来るので、それを終えてから植え付けるのだが、今年は連休前に寒波が来て、しかも、その寒波は例年より穏やかで、要するに季節が10日以上早く訪れているようだ。つまり、もう苗を植える時期になっているらしい。ってことで、明日から植え付けを開始する。
なお苗は、数日で一回り大きくなったようだ。例年はポット替えの時に施肥はしないのだが、今年は化学肥料11-11-11の粒を施した。この効果もあったようだ。無化学肥料では、やはり、苗が強く育たないようだ。主なる肥料は米ぬかとして、追肥には化学肥料の粒を使うことにした。

25日に晴天夏日となったので植え付けを始めた。直射日光が強いが湿度が高いせいか植えた苗は元気である。念のために、ナス・ピーマンには網カバーを施した。イチゴが実り若干色付いた実が何者かに齧られていたので、キューリ網を施した。
26日には、長ナス・ピーマン・ミニトマト・キューリ・つるありインゲンの種をポット植えした。トウモロコシは畝が空き次第種植えする。
全ての作業が一か月は早くなっている気がする。
このちょうしだと、オクラの植付も速くなりそうだ。

27日にはイチゴに網を張り、28日からイチゴを収穫し始めた。例年より1か月早い。もう夏日になっている。


2024年4月17日水曜日

住友重機械のことが久しぶりに新聞に掲載された。

記事によれば、僕の所属した事業は切り捨てられた様子だ。腹が立つ。
つまり、新聞記者の目からすれば、既に、僕の属した運搬機・自動倉庫・廃棄物処理設備などは、存在価値が無いらしい。実に腹立たしい。
しかし、外部から見ればそうなのだろう。その原因は、住友重機械の進路を決める指導者たちに、自信も信念も無いからだろう。住友重機械で指導者となるのは、上のご機嫌伺をする連中ばかりで、そのような連中は、上に引き上げられた時にも、そのレベルでしか仕事が出来ないと言うか、そもそも、まともに稼げる人間は、この会社では出世できないのだ。
新聞記事となる半導体装置にしても、そもそもの担当者は、阪大の後輩で、人との付き合いより仕事に熱中する男で、本社からは極めて評判が悪かった。結果としては、仕事より本社の受けが良い人間が置き換えられた。
僕にしても、搬送設備については海外進出の夢があったが、当時の事業部長は人事出身でしかも、ボルチモアのコンテナクレーンが大赤字になったことで、海外進出に恐れをなして、以降、住重の海外進出はほぼ終わりになってしまった。その大赤字の最中に、僕のあの案件でのインド製作を採用できたなら、搬送設備に新しい道が開けたと思うのだが、海外事業に恐れをなした事業部長が反対して終わってしまった。あれが、搬送設備の将来への分岐点になったと思う。もし、円高時代を海外案件での海外製作で切り抜け生き延びたなら、今のこの円安時代に突入して世界を制覇できただろうと思う。
ただ今になって考えると、事業部長の反対に対して引き下がらず、僕の計画の成算を十分に説明すべきであったと思う。そう思うだけの調査と根拠を僕は持っていた筈だ。
だが他方で、事業部長に期待される能力とは、若造であった僕を越えるようなものであるべきで、人事出身のボンクラであってはならないのが本筋ではあり、それが住重の限界とも言えるだろう。

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住友重機械、秘めた企業価値1兆円

足元は3割下回る 半導体装置が切り札に

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住友グループの源流、別子銅山(愛媛県新居浜市)で使う機械の工場として1888年に産声を上げた住友重機械工業。事業を広げるなかで強みが見えにくくなり、企業価値は理論値の7割にとどまる。実はある半導体製造装置の分野で世界最大手の牙城を崩せるほどの実力もある。半導体銘柄への転身を図れば、企業価値の毀損を脱する可能性も秘める。

「一般商船の建造の新たな受注は2024年度以降止める」。下村真司社長は2月の決算説明会でこう語った。別子銅山での機械工場と並んで祖業の一つとして続けてきた造船事業から撤退することを決めた。「株式市場に事業再構築への本気の姿勢を示す」(同社)狙いがあった。

国の防衛費拡大などを背景に重工各社が株価を上げるなか、住友重機械の上昇率は相対的に小さい。同社は機械の動力伝達に使う変速機・減速機、建設機械など幅広い事業を手掛ける。業界では複合経営ゆえに企業価値が割り引かれる「コングロマリット・ディスカウント」のきらいが少なからずあるが、同社での影響は深刻だ。

複合企業の企業価値分析に使う「サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)法」で理論価値を出すとその影響が浮かび上がる。日経バリューサーチのデータを活用し、各事業の営業利益と、それぞれの事業が属する業界内で事業価値(EV)が利益の何年分に当たるかを示すEV/営業利益倍率を掛け合わせ事業ごとの理論価値を導き出した。

試算した事業価値の合計は1兆円に迫る。株式の時価総額(12日時点、5831億円)に、純有利子負債を加えた企業価値は6497億円となり、3割下回る。企業価値は各事業の相乗効果を生み出すどころか事業価値の合計にも満たない。

企業価値を損なっている証左は他にもある。PBR(株価純資産倍率)は三菱重工業(2.4倍)や川崎重工業(1.4倍)などで1倍を超えるのに対し、0.9倍にとどまる。

コングロマリット・ディスカウント解消のカギを握るのが、同社が手掛ける「イオン注入装置」と呼ばれる半導体製造装置だ。電気を帯びさせてイオン化した原子や分子を半導体の基板となるシリコンウエハーに注入し、ウエハーに半導体としての電気的な特性を与える工程を担う。

市場調査会社グローバルインフォメーションによると同装置の世界市場は30年に113億5000万ドル(1兆7000億円程度)と22年の2.3倍となる。

実は住友重機械はイオン注入装置の世界シェアで半導体装置の巨人、米アプライドマテリアルズ(AMAT)などに次ぐ3位。シェアは6~7割のAMATに対して1割だが、スマートフォンなどに使うイメージセンサー用では過半のシェアを占める分野がある。

稼ぐ力は高い。23年12月期の連結営業利益率は7%で、そのうち傘下で事業を手掛ける住友重機械イオンテクノロジー(SMIT、東京・品川)の利益率は20%に達する。試算によると事業価値は約2600億円に及ぶ。岩井コスモ証券の斎藤和嘉氏は「用途によってはAMATのシェアを奪える。実現すれば評価もあがる」とみる。

2月、26年12月期まで3年間の中期経営計画をまとめた。連結営業利益で1000億円(前期743億円)、事業活動に投じた資金を使い効率よく利益を上げているかを示す「投下資本利益率(ROIC)」で8%(前期7%)を目指す。「まずPBR1倍へのシナリオは示された」(大和証券の田井宏介氏)と評価する声もある。

だが資本コスト経営の徹底は欠かせない。住友重機械は資金の出し手である株主や債権者が期待する最低限のリターン「加重平均資本コスト(WACC)」を6~8%と見込む。30年12月期までに全事業のROICでWACCを上回る目標を掲げるが、プラントなど一部で目標を下回る状況が当面続き、及第点にとどまる。

半導体装置を巡っては「事業を切り出し上場すれば注目される。他の事業と同じ会社で抱えるのは残念」(半導体セクターの証券アナリスト)と皮肉る声もある。

「重機械」の名を捨て半導体銘柄になるくらいの覚悟で資本を傾斜配分することが、真の企業価値への近道かもしれない。 

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