2020年6月29日月曜日

昭和おじさん

ところで、僕も昭和18年生まれだから、昭和おじさんなんだけど、現役時からパソコン使いこなしていたし、物流事業部にとばされて、1人でSEとしてお客さんと交渉して、かなりの受注も得ている。環境施設で外注さんとして働いた時は、1人で、プレゼン・見積もりからドキュメント作成までやっていた。歳は関係なく、やる気の問題なんだろうね。恐らく、僕は、IT担当大臣でもやれただろうね。それにしても、安倍内閣のIT担当大臣はひどいね。

「リモートワークの体で、実際は出勤していた」――立ちはだかる「昭和おじさん」の壁、ある地方公務員の告白【#コロナとどう暮らす】


コロナ禍でもリモートワークに踏み出せなかったのが、自治体の地方公務員たちだ。ITインフラの未整備や「出勤が基本」の横並び主義、そして紙&ハンコベースのアナログ環境――。上層部から降りかかる新規業務に振り回され、市民からのクレームも絶えない。悪戦苦闘する若手地方公務員を取材して見えてきたのは、日本のIT化を阻む「昭和おじさん」の存在だった。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース 特集編集部)

立ちはだかる「昭和おじさん」

「おい、今夜、飲みに行くぞ。行けるよな? いまのうちに、行けるだけ行っとかないと!」 都内某役所の政策企画部に勤める地方公務員の安田佳和さん(仮名・38歳)が、上司のA課長(54歳)からそう声をかけられたのは、今年の3月のこと。夜の外食を控える人が増えるなか、A課長は安田さんを含む部下数人を行きつけの居酒屋に召喚、酒をあおりながらゲキを飛ばした。 「俺たち(役所)にリモートできる仕事なんてあるわけない。個人情報漏洩させたらエライことだ。それに、家にいたら、サボる奴ばっかりだろ。ちゃんと仕事してるかどうか、俺が見張ってないとダメだよな。だいたい、家でPCなんて使いたくないっての」 安田さんたちは目配せしながら、同じことを考えていた。 「あんた、ロクにPC使えないじゃん。一番仕事サボッてるの、自分だろ……」 その夜は二次会のスナックにも連れて行かれ、A課長が十八番、安全地帯の『恋の予感』を歌い上げた頃には終電前。ようやくの解散となった。

リモートワークを推進していたはずが
安田さんが所属する政策企画部は、政策課・企画課・人事課・財政課などを束ねる役所のトップ組織。一般企業であれば、精鋭部隊が社内外のリソースを駆使して経営戦略を講じるセクションのはずだが、現実は違う。安田さんはため息を漏らしながらこう話す。 「そもそも、職場のIT環境が劣悪で……今どき、有線ですよ。スマホやタブレットの貸与はなく、外から(庁舎内の)LANや個人メールにもアクセスできません。『個人情報の保護』ばかりを声高に主張し、セキュリティー対策がまったく進まないんです」 最近はフリーWi-Fiを来庁者向けに提供する役所が増えている。しかし、これも安田さんは「名ばかりWi-Fi」だと一蹴する。 「どの役所のフリーWi-Fiも、すごく弱いでしょう? 動画なんて絶対見られない設定です。さらに困ったことに、うちのA課長だけじゃなくて、各役所のトップや部課長級には、PCを使いこなせない人がまだまだいます。彼らは、上層部に忖度をするのが当たり前。横並び主義で、対面での『報・連・相』を求めてくる。ITに弱いから、リモートでの部下とのコミュニケーションが不安なんでしょうね。僕たち若手は、彼らのことを『昭和おじさん』って呼んでるんです」 「昭和おじさん」は、1993(平成5)年ごろまでに就職をしたバブル世代に多い。ピラミッド型社会、村組織、団体交渉がモットーで、終業後や休日にも躊躇なく部下を誘い、野球やゴルフ、慰安旅行が大好き。飲みの席では仕事のお説教と、頼んでもいない人生相談、そしてカラオケがフルセットだ。 緊急事態宣言の発令直前まで、何度もアフターに同行させられた安田さん。リモートワークはほとんどできなかったが、上司との飲み会がなくなり助かった、と苦笑する。

安倍内閣は、かような人をIT担当担当大臣に選んでいる。本気なの?

IT化を軽く見ているというか、本気度が疑われるよね。


竹本直一IT担当大臣、印鑑とデジタル化は「対立でなく、共栄のため知恵をしぼる」

竹本氏は、はんこ議連の会長を務めている。

時事通信社
記者会見する竹本直一IT担当大臣=9月11日、首相官邸 
内閣改造でIT担当大臣となった竹本直一氏は9月12日の就任記者会見で、印鑑とデジタル化について「共栄のため知恵をしぼる」と述べ、両立させていく考えを示した。
竹本氏は「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)の会長を務めており、会見でデジタル化推進との利害対立について問われる一幕があった。
まず、日本でIT化が広まらない現状について問われた竹本氏は「印章のデジタル化」を例に挙げた。
「印鑑を業としている人たちにとって死活問題。理屈では分かるけど、即デジタル化できない分野がかなりある」と説明。デジタルをうまく活用できない人もいると触れた上で、「丁寧に、できるだけデジタル・ガバメントに対応できるような知恵を絞りながら、ソフトにきちっとやっていく必要があると思います」と述べた。
5月には、行政手続きを原則デジタル化する「デジタル手続法(デジタルファースト法)」が成立した。竹本氏は、IT担当大臣としてデジタル化推進が求められる一方で、自身が会長を務めるはんこ議連は、はんこ文化の継承を掲げている。
記者から、2つの立場の整合性をどう取るのかを問われると、次のように答えた。
「一方で印鑑という日本古来の文化があり、他方に、究極の目標であるデジタルガバメント、デジタルの社会がある。それを対立するものとして捉えるのではなく、《俯いて固まって》全体の流れの中で、どう調和していくかという視点で工夫はできると思っています」
「自分の責任を果たすために考えたのは、両者を対立軸で見るのではなく、同じ壺の中の同族というか、共に栄えるためにどうすればいいかと、知恵を絞って考えていきたいと思います」
すると記者からは、「共に栄えるのはなかなかイメージがわかない。利害対立を必ずしていくのではないか」と追及。
竹本氏は「一見そう見えるのですが...」と断った上で、デジタル化とはんこ文化が両立ができるという考えを示した。
 「例えば印章をデジタルで印字をしておいて、それを相手に送れば、印鑑を押したのと同じ効果をもつというようなことも一つの知恵として出てきている。印鑑を作る方にとってもまだ仕事がある。今だと、毎回ハンコを押して使わないといけないが、デジタルの社会になれば、こういうようなものも

2020年6月19日金曜日

不祥事は続き、コロナ対策・少子化対策も駄目、拉致被疑者は帰ってこない

不祥事を隠そうと検事総長を腹心に任そうと企んだがその当人が賭博罪で首になり、多額の金を選挙資金に与えた件も明るみに出てしまった。安倍政権は何のために存在するのだろう?少なくとも日本国民の為に存在するのではなさそうだ。金が目的とするなら、
子どもも居ないのに、何に使うのだろう?
元法相に金を与えて選挙買収違反を犯させるなんて、異常中の異常だろう。

安倍1強のゆがみ映す 河井夫妻を逮捕     
   「政治とカネ」で閣僚経験者が18年ぶりに逮捕された。自民党の河井克行前法相と妻の案里参院議員が2019年の参院選で地元議員らに現金を配った疑いで、政権への打撃は避けられない。安倍晋三首相ら政権中枢に近い議員の逮捕は長期政権のおごりや緩みと無縁でない。
自民党は19年7月の参院選で改選数2の広島選挙区で2人目の候補として、新人の案里容疑者を公認した。現職だった岸田派の溝手顕正元防災相への一本化を望んだ地元の反対を党本部が押し切った。


党本部は2人への支援で格差をつけた。案里容疑者の陣営への運動資金は現職の10倍である1億5千万円を振り込んだ。政党交付金などが原資だ。公職選挙法など法律上の問題はないが巨額の支援が強引な選挙戦につながったとの見方がある。
克行容疑者は首相補佐官や自民党総裁外交特別補佐を務め、首相や菅義偉官房長官と近い関係にあるとされた。政権中枢が案里容疑者の陣営に肩入れしたとの見方が強く、選挙戦の当初から党内では不満や批判が潜在していた。
溝手陣営にいたスタッフは「とてもまねできる規模ではない派手な選挙戦だった。金銭、マンパワー、まるで兵糧攻めに遭っているような戦いだった」と振り返る。
野党は「違法行為の源泉となった金銭の流れなど説明責任を果たすよう追及していく」(国民民主党の玉木雄一郎代表)構えだ。
河井夫妻の関係者によると、党本部からの資金の大部分は党勢拡大のための広報誌の配布に使われた。二階俊博幹事長は17日、広報誌を配布した経緯を説明し、党本部が振り込んだ1億5千万円が買収資金に使われていないとの認識を示した。
「政治とカネ」の問題は戦後まもなくから始まり、1970年代、80年代にロッキード事件、リクルート事件などがあり、90年代初頭の東京佐川急便事件で世論の不満は頂点に達した。なぜ政治に巨額のおカネが必要なのか。そこで出した答えが衆院への小選挙区制導入だった。
ひとつの選挙区の定員が3人から5人の時代に自民党には5つの派閥ができた。総裁選をにらんで勢力を保持・拡大するには、同じ選挙区で他派閥の候補を蹴落とすしかない。自民党の派閥の力を弱めるには、ひとつの選挙区で1人しか当選できない小選挙区制を導入し、党の権限を強めるしかないとの結論だった。
「政治とカネ」の問題で自民党の信頼は失墜し、93年には結党以来、初めて下野した。96年の初めての小選挙区制選挙以降は「不祥事を起こし、有権者の信用がなくなれば野党に転落する」との緊張感が与野党には生まれた。09年には非自民勢力を結集した民主党が政権交代を実現した。
国民の期待でできた民主党政権は3年あまりで終わり、自民党は安倍総裁のもとで政権に復帰した。「野党になりたくない」との心理が今度は「強すぎる官邸」を生み、7年以上にわたる超長期政権の弊害も様々なところに現れてきた。
非自民の細川護熙政権で首相秘書官を務めた成田憲彦駿河台大学名誉教授は「政治改革で資金の流れの透明性は高まった。政党の良識が働かず、安倍1強でゆがんだ自民党のチェック機能の問題だ」と断じる。「必要な政治改革は不断に検討されるべきだ」とも話す。
参院選挙区で、複数区で同じ党が候補を立て、議席を増やしたいと考えるのはおかしなことではない。今回の事件の舞台で地元の反対を押し切って2人目の新人を立てたことに「おごりと緩みがあった。かつての衆院中選挙区のような状況になった」との指摘がある。
いまは派閥の力が衰えた代わりに、党首をトップとする党執行部には公認権、人事権、政治資金で絶大な権限がある。
政党が自由に使える資金とはいえ、同じ党内候補でも問題が表面化するまで実態がわからない異様さは残る。安倍政権には有権者の疑念を払拭する説明責任が改めて問われている。(坂口幸祐)

大阪の民泊建物のメンテナンス

昨年9月から閉館中である。そろそろ行かねば、雑草が茂り大変だと、先ずはJETSTARを予約したが、休航になってしまいバスを予約した。しかし、家族が、コロナが危険だと言うので、高いANAを予約したが、3密もひどいものだった。今後はバスにする。

一週間滞在して、梅雨の降雨の中で除草、樹木剪定して、梅雨間の好天時に布団干しを行った。ついでに屋根に登って点検もした。

BEFORE










 
AFTER











今後は、屋根の棟包の取替と、屋根壁塗装を行う。

2020年6月6日土曜日

安倍首相の演説での決意表明は”断固として”と立派だが、結局何もしないのが問題

横田滋さんの訃報に、首相「断腸の思い」      
安倍晋三首相は5日夜、横田滋さんの訃報を受け、「ご冥福を心よりお祈り申し上げる」と述べた。めぐみさんの帰国に「全力を尽くしてきたが、首相として実現できなかったことは断腸の思いだ。本当に申し訳ない」と語った。東京・富ケ谷の私邸前で記者団の質問に答えた。
拉致被害者の救出に「あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動しなければならない」と強調した。

IT立国を目指す、かっては世界最先端の日本も、パソコン・スマホ使えないIT担当大臣ではね??

日本は、無駄使いばかりしている間に、国力を失ってゆくようだ。
コロナが試すIT競争力 日本、際立つ出遅れ     
新型コロナウイルス対策を巡って、最新のデジタル技術やデータ活用を取り入れる動きが世界で広がる。先進事例からは、まず走り出す迅速さ(スピード)、官と民の連携(シェア)、使う手段や情報の臨機応変な代用(サブスティチュート)という「3つのS」の重要性が浮かぶ。危機対応で各国政府のIT(情報技術)競争力が試されるなか、日本の出遅れは際立つ。



日本はデータ貧困国 開示不十分、コロナ対応の足かせ
スマホに話しかけると、人工知能(AI)が声や呼吸音から肺の状況を解析する。「8割超の精度でコロナ感染を判定できる」。欧州専門家集団、ボイスメドが開発した簡易診断技術だ。一時は医療崩壊に追い込まれたイタリアで5月、本格導入が始まった。
きっかけは3月下旬に政府が後援したビジネスアイデアのコンテストだ。欧州最悪となる感染拡大のスピードに、検査体制が追いつかなかった教訓から採用を決めた。市民へ利用を呼びかけ、感染把握や医療拡充を急ぐ。
ウイルスとの戦いは時間勝負だ。米国勢調査局は4月下旬から毎週、100万世帯を対象に雇用や教育、食料事情を聞くネット調査を続ける。
2020年は10年ごとの国勢調査の年に当たるが、待っていられない。「ほぼリアルタイムのデータ」(同局)を探るため、特例措置に乗り出した。貧困層への支援策などで活用が進む。
■米、グーグルAIで給付処理30倍
民間の知恵や技術を引き出し、行政サービスを補完する動きも活発になってきた。
4月に感染者が急増した米国。失業保険の申請が殺到してオクラホマ州の対応窓口はパンクしかけたが、5月中旬までに累計700億円超の給付手続きを終えた。「自力では無理」と早々に助けを求めたことが奏功した。
協力したのが米グーグルだ。4月中旬から州のコールセンター業務に同社のAIを導入。申請データの処理を任せると、1週間の対応件数が6万件と30倍になった。「通常なら2年かかる作業を数日でできた」。担当官のデビッド・オストロー氏は話す。


欧州で最も早く外出制限を緩和したオーストリア。ここでも秘訣は官民連携だった。
「感染者数が公式統計の4倍の2万8500人に上る可能性がある」。4月には政府が自らの統計に限界を認め、民間企業に委託して潜在感染数を割り出した。世論調査向けのデータ技術を応用した。
いち早い国境封鎖や屋内集会を制限する措置も、こうしたデータ活用が背景にある。調査担当のクリストフ・ホフィンガー氏は「官民のデータ連携は危機対応の生命線になる」と強調する。
■仏、排水から感染を警戒
世界規模で感染第2波への懸念も広がる。相手は未知のウイルスだ。既存の発想にとらわれない様々なデータや技術の試行錯誤も欠かせない。
4月下旬、仏パリ。ソルボンヌ大と市当局は下水処理場からコロナウイルスの遺伝物質を検出し、感染拡大と生活排水に関係性があることを突き止めた。感染者が増えた地域は約1週間早く下水中のウイルスも増えたという。
同大のバンサン・マレシャル教授は「無症状の感染者が多いことを踏まえると、今後の感染対策で有効な手立てになる」と指摘する。オランダやブラジルでも同様の検出に成功しており、世界各地で排水データを使う警告システムの検討が広がる。

各国の取り組みに比べ、日本の出足は鈍い。接触確認アプリの開発は遅れ、給付金のネット申請では障害が頻発する。日本は行政システムを政府主導で手がける自前主義が強いが、経済産業省の幹部は「どんなデータや技術を使えば有効か、アイデアを出せる人材が少ない」と嘆く。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)によると、19年の日本のデジタル競争力は23位と対象63カ国・地域の中で中位にとどまった。「産官学でデータ資産や人材が分散しすぎている」(三菱総合研究所の酒井博司氏)との指摘は多く、アジアでは韓国や台湾、中国に後れを取る。ITを駆使したコロナ対策でも、そのまま後手に回る現実が鮮明になっている。
世界を見渡せば、コロナ禍を好機に変えようとする動きも顕著だ。米国は総額2兆ドル(220兆円)の緊急経済対策のうち、約3千億ドルを政府内のテレワーク環境整備や遠隔診療などに充てる。対する日本は政府・自治体のシステム統合ですら手間取る。コロナ後に世界とのIT競争力はさらに開きかねない状況だ。
(デジタル政策エディター 八十島綾平、綱嶋亨)

日本はデータ貧困国 開示不十分、コロナ対応の足かせ

新型コロナ
経済
ヘルスケア
医療・健康
2020/6/5 23:19
1318文字
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日本では新型コロナウイルス対策に必要なデータが先進国で大きく見劣りする。情報収集・開示のスピードや幅広さを欠き、データ形式もばらばらだ。このままでは政策、経済活動、医療が場当たり的となり、民間の創意工夫も引き出せない。貧困なデータ環境がコロナ対策の足かせになっている。



「自治体に問い合わせたり、ネットで調べたりしてデータを集めている」。厚生労働省クラスター対策班にいる北海道大の西浦博教授は5月12日、動画サイトを通じた「緊急勉強会」でこんな実態を明らかにした。
題材は「実効再生産数」。1人の感染者が何人にうつすかを示す値で、欧米では経済活動を再開する判断材料になっている。この数値を導くには新規感染者がいつ、どこで、何人発生したかを正確に知る必要がある。それが一部欠落し、ボランティアや若手研究者の手で埋めているという。


日本経済新聞が主な先進国の公表データ集を調べると、実効再生産数の算出に必要なデータはほとんど自由にダウンロードできた。こうした環境は民間企業や研究者がコロナ対策を分析、提案する基盤となる。
海外保健当局のデータ開示は日本のはるか先を行く。米疾病対策センター(CDC)は特設サイトを通じ、感染者数やその人口比、死者数などの最新データを年齢層や性別、州・郡別に提供。地図やグラフでわかりやすく比較できる。英国、ドイツ、フランス、イタリア、韓国なども同様のデータ集(ダッシュボード)を公開している。
厚労省は感染が広がり始めた当初に作ったダッシュボードを5月に公式情報から取り下げ、世界の潮流に逆行する。厚労省は「実際の集計値と差が出てきた」と釈明するが、集計項目もデータ形式も都道府県任せの状態が混乱を招いている。
コンピューターで加工しやすい形式にまとめている自治体がある一方、PDFファイルを載せるだけの自治体もある。これでは迅速な比較・分析はできない。
感染拡大の分析に役立つ「超過死亡」のデータも日本では整っていない。自治体からの報告が不十分で、政府が国内死亡者の全体を集計するのは2カ月遅れ。刻一刻と事態が変わる感染症対策に生かせない。
欧州ではデンマーク政府による超過死亡関連のデータ集計に欧州24カ国が協力。週次ベースで超過死亡を推計している。米国でもCDCが週次で公開しており、日本と欧米の差は開くばかりだ。
英非営利団体のオープン・データ・インスティチュートは、危機時のデータ公開には3つの観点が重要だと指摘する。
1つ目はオンライン上でデータを入手可能にすることだ。技術者などがプログラム共有するサイト「ギットハブ」などを通じてデータを公開することを推奨する。分かりやすく可視化するには民間の力が欠かせない。イタリア政府は感染者データをギットハブで公開し、高い評価を得た。
2つ目は誰でも使えるように利用許諾を明確にすることだ。許諾がなければデータの活用が進まない。3つ目としてデータが国民の目に触れやすくする積極的な情報発信を求めている。
同団体の技術担当、フィオンタン・オドネル氏は「感染予測モデルの公開も重要。医療政策で透明性のある科学的根拠を示せば、国民の信頼構築に役立つ」と主張する。
(朝田賢治、黄田和宏)

事業委託、ルールに穴 民間活用へ見直し急務
持続化給付、情報開示に問題 消費喚起策の公募中止  
   新型コロナウイルスの影響を抑えるための補正予算で、業務の民間委託を巡る問題が焦点になっている。中小企業向け給付金の支払業務では委託先団体が業務を電通に再委託し、この過程で100億円以上がかかる計算だ。競争原理が十分に機能せずコストが膨らむ。政府部門の効率化には民間委託の拡大が不可欠だが、ルールの穴を防ぐことが欠かせない。


第1の問題は一般競争入札で委託先を選んだプロセスだ。政府は中小企業に最大200万円を配る「持続化給付金」の業務を一般社団法人サービスデザイン推進協議会に769億円で委託した。
入札はサービス協議会とデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社が応じた。ただ結果は経産省の「総合評価」で決まり、5月29日に経産省が開示した資料ではデロイトの入札額が黒塗りになっていた。
入札制度は発注先が適正かを検証する狙いがある。同協議会の入札額が低かったか検証できない状況では、競争入札は十分に機能しない。「協議会は電通に仕事を回すためのトンネル団体だった疑いがある」との声が出ても反論しにくい。
第2は委託コストが膨張する問題だ。サービスデザイン推進協議会は業務を電通に再委託する。この過程で協議会に割り当てられた経費は約20億円だ。このうち銀行に支払う振込手数料は15.6億円。請け負うみずほ銀行は「振り込み依頼に対し所定の手数料を請求する予定だ」とする。

協議会から再委託を受ける電通は、さらに業務を子会社5社に外注する。この過程で電通も給付金の受け付けや審査の管理運営などで100億円の費用を受け取るが詳細な積算根拠は示していない。
国から委託を受けた業務の再委託自体は問題ではない。2006年に財務省が出した公共調達に関する通知は全事業一括の丸投げを禁じる一方、必要性などに応じて再委託を認めている。
業務が下請けや孫請けに発注されることは建設業界など民間でもある。だが価格が高止まりすれば採算が合わず市場からの撤退を迫られる。国の再委託事業の問題はこうした競争原理が働かないことだ。
第3には透明性だ。サービス協議会は法律で義務付けられる決算公告を2016年の設立以後、一度も出していない。100万円以下の過料という罰則に相当する事態だ。梶山弘志経産相が5日の会見で「大変遺憾で早急な対応を要請している」と釈明した。
神戸学院大の中野雅至教授は「決算公告などは事業を適正に遂行できるか判断するうえで重要な指標。実態が見えにくい法人へ委託を決めた今回の事案は、法人と経産省との間に不透明な関係があったと疑われても仕方がない」と指摘する。
コロナ収束後の消費喚起策の「Go To キャンペーン」も迷走する。批判の対象は上限で約3000億円と巨額の委託費だ。これは事業費全体の約2割を占める。赤羽一嘉国土交通相は巨額との批判を受け委託費を縮小する考えを示した。
さらに政府は5日には事業委託先の公募をいったん中止すると発表した。キャンペーンは7月末にも始める予定だったが、スケジュールの遅れは避けられない。
コロナのかつてない影響に対し、世界各国は民間のデジタル技術も借りながら難局に挑もうとしている。人海戦術に頼った仕組みや不透明な入札を巡る取引疑惑が焦点になる日本はちぐはぐ感が否めない。
2020/6/6付
 
持続化給付金769億円で委託 「透明性欠く」指摘の声     
新型コロナウイルスの緊急経済対策として中小企業などに支給される経済産業省の「持続化給付金」を巡り、手続き業務が769億円で民間団体に委託されていたことが30日までに分かった。事業の大部分は広告大手の電通に749億円で再委託されていた。団体の代表は「詳しい経緯は分からない」としており、巨額事業の委託先などに関する情報の少なさを問題視する指摘も出ている。
持続化給付金は前年に比べて売り上げが減少した事業者を対象に、最大で法人に200万円、個人事業主に100万円をそれぞれ支給する。政府は補正予算で約2兆3千億円を計上した。
経産省は給付金申請の審査や送金手続きなどの業務委託先の選定について一般競争入札を実施し、4月30日に「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」(東京)と769億円で契約した。
5月29日の野党合同ヒアリングでの経産省の説明によると、同法人の従業員は14人で、各地にあるコールセンターの運営など事業の大部分を電通に再委託した。再委託の契約額は749億円で、差額の20億円は給付金の振込手数料や法人の人件費に充てられるという。
同法人はサービス業の生産性向上を図る目的で、電通などが2016年に設立した。過去には、良質なサービス事業者を認定する経産省の「おもてなし規格認証」事業などを受託している。
法人の代表理事の男性は30日、取材に対し「給付金の委託業務は別の担当が行っており何も分からない。6月に任期満了を迎えるため、法人には5月14日に辞任の意向を伝えている」と話した。
千葉大の新藤宗幸名誉教授(行政学)は「委託先の情報が少なく、業務の担い手の実態が見えにくいのは問題だ。緊急時の巨額事業では国民に『どさくさ紛れ』という疑念を持たれないよう、業者の選定や管理により高い透明性が求められる」と指摘している。


2020年6月1日月曜日

日本の指導層の欠陥で、国民が痛めつけられた結果です。

つまり、「失敗の本質 日本軍の組織的欠陥」 の結果がこれです。コロナ対応でも同様の欠陥が浮き彫りになっています。下記日経の記事の他にも、僕の読書の記憶として、インパール作戦での主計将校の本もありました。インドとクアンマーの境界の山地で、日本軍の軍票で補給食料を調達するなんて馬鹿な仕事を続けて、結局は、日本軍兵士の遺体の散乱する道を撤退し、残された傷病兵が、英軍のクルド兵に虐殺されるのを目撃しながら逃げ回った記録が印象的でした。

コロナウイルスの件では、コロナウイルスの専門家会議で議事録を書いていない等との政府の大嘘は、この本質的欠陥の明確な表れだろう。


いま一度、戦争振り返る 戦後75周年、新たな視野開く
シニア・ライター 山田剛   







今年は戦後75周年の節目。数少なくなった戦争経験者の証言・回顧録や、新たな視点で先の戦争を分析した著作に触れる機会が多くなった。戦闘の現場だけでなく、当時の外交・政治情勢や開戦に至る過程を精査し、戦争を支えた国策会社や制度などに関してもより詳しい検証が進んでいる。太平洋戦争とは何だったのか、今一度考えてみたい。
『「雪風」に乗った少年』(西崎信夫著、小川万海子編)は、歴史のかなたに埋もれた「海軍特別年少兵」に志願し、16歳で駆逐艦「雪風」に乗り組んだ著者の回想録だ。小型の駆逐艦は海戦の最前線に立つため多くが沈没したが、雪風はマリアナ沖、レイテ沖海戦や戦艦大和の沖縄特攻など主要な作戦に参加しながら奇跡的に終戦まで生き残った。
撃沈された味方艦の生存者を必死に救助する様子や、自身をめがけて急降下してくる米軍機に機銃で反撃するシーンなどが克明に描かれる。著者は単なる軍国少年ではなく、軍隊の理不尽さを冷静に批判しつつ、「必ず生きて帰る」という信念で戦い抜いた。戦場の凄惨さも伝える実録戦記だ。
『特攻隊員の現実(リアル)』(一ノ瀬俊也著)は、美化されることが多い特攻隊員の本心や苦悩を描き出す。国民の熱狂と称賛を背負った隊員らも多くは絶望感とともに出撃。生き残った者が戦後の国民から白眼視され、特攻を命じた高級軍人らも責任逃れに終始してきたことに暗たんたる思いを抱く。
前線の兵士の苦難を赤裸々に伝えるのが『日本軍兵士』(吉田裕著)。装備や食料、メンタルを含めた健康状態、私的制裁など軍隊の過酷な状況を、末端兵士の視点から描き出した意欲作だ。
太平洋戦争の日本人戦没者310万人のうち9割が、サイパン島陥落で「絶望的抗戦期」に入った1944年以降に亡くなったという。230万人に及んだ軍人・軍属の死者のうち、餓死が140万人、艦艇が撃沈された海没死も35万人強に達するなど「戦闘」以外での死者が極端に多かった戦争の実像に迫る。
戦争後期には栄養不足で新兵の体力が低下し、結核や虫歯のまん延、さめ皮の軍靴など劣悪な装備品が士気の低下につながったという。閣僚の権限が及ばずに戦線の拡大を招いた統帥権の独立など、日本軍という組織の問題点にも触れている。
戦争そのものだけでなく、当時の内政や国際情勢を分析する著作も見逃せない。『決定版 日中戦争』(波多野澄雄ほか著)では、日米戦争よりも長く続いた日中戦争が当初の不拡大方針に反して泥沼化していった点に注目。何度か訪れた和平のチャンスをことごとく逃した外交のつまずきや、国際情勢の判断ミスを指摘する。
当初は親日的だった国際世論は、日本の拙劣な情報戦や蒋介石らのプロパガンダもあって反日一色となり、太平洋戦争へとつながる孤立の一因となった、と著者はみる。
南満州鉄道株式会社(満鉄)は、鉄道以外にも炭鉱や製鉄所、満州医科大をはじめとする学校、新聞やホテルなど多くの事業を手掛け、日本の大陸支配を支えた巨大国策会社として知られる。
『満鉄全史』(加藤聖文著)によれば、満鉄の経営は満州事変の勃発や満州に君臨した関東軍の暴走、組織の肥大化、さらには政党や官僚の思惑に翻弄され続ける。十河信二ら満鉄出身者がのちに国鉄で新幹線計画に携わったことや、満鉄東京支社ビルは戦後米国に売却され、大使館別館として利用されたエピソードも興味深い。
『なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議』(半藤一利編)は、旧陸軍の将校が1970年代に開いた座談会を再録し、編者が詳細な解説を加えている。海軍内では「米国が石油禁輸に踏み切れば即開戦」との意思統一があった、と指摘。戦争は陸軍の暴走だけで始まったわけではないことがわかる。 
『戦前日本のポピュリズム』(筒井清忠著)は、メディアの好戦的な報道や世論の圧力が日中戦争の収拾を阻害し、軍部が対米戦争にまで突き進んだ背景との見解を示している。
日本の運命を変えた先の戦争は、今なお新たな資料や証言が世に出る「生きた歴史」ともいえる。それだけに様々な見方や意見があるが、多くの書籍を読み比べていくことで、新たな視野が開けてくるかもしれない。

【さらにオススメの3冊】
(1)『大政翼賛会への道』(伊藤隆著)財閥などの打倒を目指した新体制運動はいかに変質していったのか
(2)『太平洋戦争(上下)』(児島襄著)…東南アジアから南洋までかつての戦地をくまなく歩いた大著
(3)『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」』(一ノ瀬俊也著)…仕掛け爆弾などを多様した戦術とルーツを解説