2023年2月17日金曜日

かような記事は問題が大きいのじゃないか?

 この記事を読んで、愕然とする人が多いのではないかと思う。しかも、この記事の発言者はがん治療先端研究所の首脳人だろ。恐らく進行性がんのことを言っているのだろうと思うが。

進化するがん治療4 遺伝子で探る再発リスク

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年間約16万人が発症し、日本で最も多くの人がかかる大腸がん。現在の標準的な治療では、手術後の再発を抑えるため抗がん剤を投与。患者は日々、副作用と闘っている。

だが抗がん剤が効果を発揮する患者は限られるのが実情だ。国立がん研究センター東病院副院長の吉野孝之は「20人のうち19人は抗がん剤の恩恵を受けていない」と語る。九州大学准教授の沖英次は抗がん剤の副作用で手足がしびれ、後遺症に苦しむ患者を何人も見てきた。「もどかしさと悔しさを常に感じてきた」という。

抗がん剤が効かない患者が事前に分かれば、副作用の苦しみを少しでも減らせるはず――。こうした問題意識から国立がん研究センターと九州大は、数千人規模の研究に取り組んだ。

手術後の大腸がん患者の血液を調べ、がん由来の遺伝子が陽性だった患者は抗がん剤で再発リスクが下がった。一方、陰性の患者は抗がん剤を投与してもしなくても、再発リスクに有意な差は出なかった。足元ではさらに検証が進むが、「陰性患者への抗がん剤投与は効果がない可能性がある」(沖)。

遺伝子分析から最適な治療法を探す「がんゲノム医療」で先行するのは海外だ。

「今後25年でがんによる死亡率を少なくとも50%削減する。がんを死亡宣告から治療可能な病気に変える」。米大統領のバイデンはそう訴える。野心的な目標は「がんムーンショット」計画と呼ばれる。目標達成に向けて注目されるのが、血液検査の活用だ。

米国は、血液中の遺伝子から複数のがんを同時に調べる多がん早期検出(MCED)検査で優位に立つ。米社が実用化した「ガレリ」は50種類以上のがんを一度に検出できる。診断結果をもとに、早期治療や予防につなげるサイクルを広げようとしている。

国立がん研究センターによると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性で6割強、女性は5割強に及ぶ。2人に1人ががんに罹患(りかん)する中、日常生活と治療の両立が今まで以上に求められている。最適な治療法がいち早く見つかれば「副作用に苦しむ患者が減り生活の質は大きく改善する」(沖)だけに、がんゲノム医療の普及が待たれる。

(敬称略)

 先端医療エディター 高田倫志、草塩拓郎、高城裕太、斎藤萌、満武里奈、藤井寛子が担当しました。


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