森氏の後任、組織委会長どう決定? 後継指名だけでは・・・

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12日に辞任を表明した東京五輪パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)=元首相=は元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)に次期会長就任を打診していた。川淵氏は一度は受け入れる意向を示していたが、組織委の会長は、後継に指名された人がそのまま就任する、ということにはならない。

 川淵氏は「密室で決まっている」などの批判の声を受け、一転、辞退する意向を固めた。ただし、川淵氏が辞退しなかったとしても、会長に就任するには、組織委の定款などに基づく手続きを経る必要があった。

 では、その決まりはどのようなものなのだろうか。

 組織委の定款では、会長は理事会のメンバーの中から、理事の互選で決めることになっている。組織委の理事は現在、森氏を含めて35人おり、うち女性は7人いる。

 川淵氏のように、理事ではない人が会長に就任するには、まず理事になる必要がある。理事は評議員会が選ぶ。組織委の現在の評議員は川淵氏を含めて6人。定款では、評議員は理事にはなれないので、もし川淵氏が理事になるには、その前に評議員をする必要があった。

 また、理事会、評議員会を開くには、原則、開催5日前に理事、評議員に招集通知を送る必要がある。ただし、全員の同意があるときは、招集の手続きを経ないでも開くことができる。

 団体によっては、理事会に先立ち、外部有識者も含めた「選考委員会」を設置して会長候補を選ぶところもあるが、組織委には、11日時点ではそうした仕組みはなかったという。

 また、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範では、「兼職禁止規定」があり、国務大臣、副大臣、大臣政務官は原則、公益法人の役員にはなれない。現職の大臣が理事や会長に就く場合、大臣を辞任する必要がある。議員をやめる必要はない。