2021年2月18日木曜日

やはりインフレだ。一時的なら良いのだが・・・

 リスクオンも暫くは継続かな。外貨預金の解約は暫く様子をみるか。
まだ日本円暴落にはつながらない(おそらく)だろうから、利益確定はいずれは必要かな。
しかし、南アフリカ通貨の暴落はあったからなぁ。あの時は早めに切り上げて良かった。
僕は売りが下手だから。けちだからだろう。

コロナ下でインフレの芽 需要回復、供給追いつかず

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まずテレワークなどの巣ごもり需要で一部家電販売が夏から回復した

米欧を中心に物価上昇圧力が高まってきた。新型コロナウイルス禍で多くの製品の供給や輸送力が細るなか、大規模な財政出動やワクチン普及による経済正常化で需要が急回復すれば、物価高が加速する可能性がある。インフレ圧力の高まりは金融引き締め観測や、長期金利の上昇と連鎖したドル高を誘う。金融政策のかじ取りは一段と難しくなりそうだ。

米国の1月の物価上昇率は1.4%とコロナ前の水準に迫る。米債券市場では今後10年の予想インフレ率が年2.2%まで上昇し、6年半ぶりの高水準となった。日本や中国の基調はなお弱いが、欧州も1月の物価上昇率が0.9%と6カ月ぶりにプラス圏に転じた。

世界経済は2020年春、コロナ禍で需要が蒸発する危機に陥った。潜在的な供給力と需要の差を示す需給ギャップは2020年4~6月期に米国でGDPの10%超にあたる約2兆ドル(約210兆円)になるなど、深刻な需要不足が広がった。需要の急減で製造業は工場を休止するなど供給を絞った。

今はその急収縮からの回復の途上だ。「耐久財を中心に夏以降の需要回復を受けて工場の操業を戻したが、生産が追いつかず価格が上がりやすくなっている」(みずほ証券の小林俊介氏)

供給制約が続くなかで、まずテレワークなどの巣ごもり需要で一部の家電販売が夏から回復した。テレビの世界出荷は4~6月期に5400万台と前年同期より5%落ち込んだ後、7~9月期は14%増の7300万台と大きく伸びた。パソコンは4~6月期に11%増、7~9月期に15%増、10~12月期に26%増と拡大が続いた。

世界の自動車販売も4月に400万台程度まで落ち込んだ後はほぼ右肩上がりで、12月には800万台を超え、前年の水準も上回った。

こうした消費の持ち直しによって、家電や自動車に広く使う鋼材の熱延コイルは東アジアの取引価格が1トン720ドル前後と20年春の底値より7割高くなっている。米国では約12年半ぶりの高値圏にある。テレビの汎用部材の液晶パネルも品薄が定着しており、国際価格は20年初めに比べ8割ほど高い。

物価が上がる背景には海上輸送など物流網の目詰まりもある。コンテナ船は減便がほぼ解除されたが、急回復する受注をさばききれない。上海発米国向け運賃は40フィートあたり4000ドル前後と20年初めの2.5倍。「この水準は異常事態」(日本郵船の丸山徹執行役員)との声も出る。

先進国共通の低インフレという長期トレンドはそう簡単には変わらない。だが今後、ワクチンの普及や内需を刺激する財政出動が続けば、一時的に過度なインフレにつながる懸念がある。サマーズ元財務長官はバイデン政権の1.9兆ドルの経済対策を過大と批判し「インフレリスクに警戒すべきだ」と主張する。「物価が上昇し始めた場合、連邦準備理事会(FRB)がうまく制御できるとは限らない」

FRBは早期の引き締めを否定している。パウエル議長は10日の講演で「当面は2%を上回る物価上昇率をめざす」と述べた。景気の下支えに力を注ぐバイデン政権と歩調を合わせ、雇用改善に向けた今の緩和政策を続ける姿勢だ。

FRBには苦い記憶もある。13年に当時のバーナンキ議長が資産購入の縮小に言及したことで金利が急騰し、株式相場の急落を招いた。

とはいえインフレ圧力が強まれば市場は先回りして将来の金融引き締めを織り込む可能性がある。実際に金融市場では物価高と連鎖して金利の上昇が進む。米長期金利は16日に1.30%と約1年ぶりの水準に達した。

並行してドル高も進んでおり、17日は一時1ドル=106円台前半と5カ月ぶりの高値をつけた。ドル高はドル建て債務を多く抱える新興国の返済負担の増加や資金流出につながる恐れがある。

回復途上の実体経済を支えつつ、一時的な需給のひずみも映す物価や金利の上昇をどう制御するか。金融政策は難局にさしかかっている。

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