2021年2月7日日曜日

ボブ・ウッドワード著 RAGE(怒り)を読むと

 トランプの国家安全保障問題担当大統領副補佐官のマット・ボッテインジャーは、中国に長期に駐在し北京語を流ちょうに話すほどに中国を専門としていて、ロバート・オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官と共にトランプ大統領に対して、中国で発生したウイルス肺炎が、過去に生じたいかなる症状よりも危険であることを2020年1月28日には報告し、その結果としてトランプ政権は中国人の米国入国を禁止した。これに対して、WHOのテドロス事務局長は「人の移動や貿易の制限を勧めるものではない」と説明した。他方日本の安倍政権は、3月初めになって漸く中国・韓国からの入国禁止とした。日本政府には、中国についての専門家が事実上居ないってことであろう。日本の国会議員や政府は、どんな仕事をしているのか。情けない国だ。
なお、
マット・ボッテインジャーは、1月末時点では中国が人口1000万人の武漢では既に都市封鎖を行いない、中国国内での人の移動は禁止しながらも、中国から海外への移動は自由にして、人から人への感染は無いと報道し、ウイルスのサンプルの提示も拒絶するなどから、このウイルスの災厄を中国一国で受け止めず、世界に輸出しようとしている、と恐怖を感じていた。

その間、安倍政権はのほほんと桜の会とかの用意をしており、中国通の二階堂氏は、中国のウイルスの輸出に協力して、ウイルスの輸入に努力していたことになる。

なお、この本は、政権の運営、人材の登用をいかに行うかの、実に参考になる本だ。
安倍君や菅君に読ませたいものだ。

トランプは、誰よりも自分が賢明だと思っている。が、外交や軍事で過去に認識も経験もなく、経験者の意見を十分に聞かねばならないが、聞く前に自分の方針をツイートしてしまう。トランプを喜ばせるのは、トランプの意向に巧妙に乗る相手だけだ。が、其の相手も、利害が相反すれ時点では乗ってばかりもしておれない。結果として、中国や北朝鮮に対するように激しい怒りとなる。安倍君は、別に何の意向も無いから、トランプの思いのままに行動するので仲良く過ごせる。
冗談でなく、トランプは正恩を信じ親友とも認め、彼の残虐さを称賛していた。しかし、安倍君については、思いのままになると称賛していたのだろう。トランプは自分の都合で人を判断し、倫理とか純真とか正義とかでは人を判断しないと言うか、そのような精神自体が存在しないのだろう。
かくして、トランプは有能な部下達から見放されたと言うか、トランプが切り捨てて行ったわけだ。
本書を読むと、外交・軍事・内政の各分野に有能な人材がそろっていることが判る。対して、日本にはかような人材は皆無であることが、対プーチンとか対文君とか、家計森学園とかでの安倍君の言動、それに菅君、森君達の言動から理解できる。
彼等も、本書を読めば、ちょっとでも頑張らねばと、思うのではなかろうか。
例えば、RATEで記載されているが、米国の感染症研究所、アンソニー・ファウチ博士は、2019年12月末には、新型コロナウイルスの存在を知り、恐怖を感じ、トランプ大統領に警告を与えた。トランプ大統領の反応は遅かったが、それでも、2020年1月末には中国からの入国を禁じた。日本は感染症の権威も、安倍首相も反応は遅く、その行動は一か月以上遅れた。これが日本と米国の指導者たちの違いだ。なお、1月3日には、武漢での感染症が拡大していることや、香港、台湾、シンガポールやロシアのアムール地域で、武漢からの旅行者の国境検査を実施していると書かれていた。この感染症について中国に問合せするのだが、その依頼は中国側が全て握りつぶしたとのことだ。
その時、日本は何をしていたのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿