2021年2月16日火曜日

「MMTは何が間違いなのか J.A.エプシュタイン著」を読んで

 MMTとは、ModernMoneyThoryの略で、政府債務はいくや増やしても問題はない、との理論で、特に日本は、既に、凄まじい勢いで、債務額を増やしている。世界でトップを切りGDPの2.3倍の赤字で、
https://www.globalnote.jp/post-12146.html

更に急速に増やしている。もう回復は不能であろうと思われる。政府指導者や日銀指導者も、口には出さないが、MMTを信奉しているのだろう。むしろ、信奉せざるを得ないのだが、この結果はどうなるかとの予想は既に記載している。
さて本書の内容だが、いろいろと面倒くさい論理を駆使して記述しているが、その言うところは下記だと思う。あまりに面倒くさく、難解な記述で、完璧にどころか、殆ど読み飛ばしたが、結局は行き着く先は同じだと思う。要約すると、

①米国のドルは、米国が現在の所は、覇権国であり、ドルが国際通貨として使われているので、世界中がドルを必要として担保しているので、米国の債務増には、MMTは適用できる。
つまり、赤字の垂れ流しは、経済の破壊を招かない。
②欧州、英国、日本等の世界的に流通する貨幣(ハードカレンシー)も、さしあたってはMMTが適用できる。が、債務が超過大になった時点で、貨幣価値は急落する。
③貨幣が国際的には通用しない貨幣国にはMMTは適用しがたい。
となっている。当たり前のことを延々と書いているわけだ。

以下は、僕の検討である。
円の価値が暴落した場合には何が起こるだろうか?物価の破壊的インフレが起こるだろう。
今の株高は、特に米国の政府債務過大化で、ドルが市場に溜まり、その排出先として日本の株が買われたことによる。
日本株の値上がりで、利益となれば、売りになり、株価が落ちるのだろうか?それとも、株価の上昇は、日本の円の価値が落ちたことで、株価が相対的に上がったのだろうか。それは、円の実価値の傾向によるわけだ。つまり、円価値が落ちて相対的に株の価値が上がったのか、そうでないか、の違いだ。
更に、円価値が落ちる場合には、土地価格は上がるのだろうか。
外貨はどうなるのか?
結局は、判らないことが続いていて、本書では何の指針ともならなかった。
ただ確実なことは、日本国債務はいずれは破綻するだろうと言うことだ。
しかも、多くのハードカレンシー通貨の中で、最も早く破綻する可能性が高いと思われる。


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