2021年1月8日金曜日

今年考えること(3) トランプ元大統領のあがき

 米国トランプ大統領の悪あがきは、独裁者の過去の悪行が露わにされることを何としても防ぎたいとの思いから出ている。独裁者でありながら人格的に尊敬できる人物は数少ない。僕の記憶の範囲では、欠点はあるにしても尊敬できそうな人物は、ローマのカエザル(僕らはシーザーって習ったが、caezarはイタリア読みではカエザルが正しい)、それにローマ後のオドアケルの帝国のオドアケル、トルコのアタチュルク、東欧のチトー、ベトナムのホーチミン、中世の神聖ローマ帝国のフレドリック二世も確実にその一人だろう。
トランプ大統領は明らかに尊敬できる人物ではなく、精神的には、米国人としても最悪の人物と言える。彼はまた歴史をまともに勉強していない多くの欧米人の十字軍精神なるものを、更に意図的に悪用する近代希な悪人と言える。彼にとっては、姑息な宗教も、偏見に満ちた十字軍精神も、米人のフェアー精神もどうでも良く、利用するものは何でも利用するだけなのだ。

そんな彼は大統領職を務める中で、数々の悪行を続けた筈だから、彼が大統領職を追われたら、それらの悪行が今度は彼や彼の家族を苦しめることになる。そのために、彼は何としても大統領職を維持したい思いで必死なのだ。

この投稿の翌日、次の記事が出ていた。トランプも大統領に返り咲くのはあきらめて、と言うか、もっと先で再び大統領となるにも汚名は避けねばならない。そこで自分を恩赦するって、常人には思いもよらない策らしい。

トランプ氏 捜査動くか

司法省、暴動扇動や選挙不正疑惑 退任後起訴可能に

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ガーランド氏は最高裁判事に指名されたことがある=ロイター

【ワシントン=中村亮】米民主党のバイデン次期大統領は7日、司法長官にメリック・ガーランド連邦高裁判事を起用すると発表した。現職のトランプ大統領には暴動扇動や選挙不正などの疑惑が浮上しており、退任後に司法省が本格的な捜査や起訴に踏み切るかどうかが焦点になってきた。一方、トランプ氏は自身への恩赦を検討しているとされ、20日の新大統領の就任前に強行する可能性もある。(総合2面参照

ガーランド氏は議会上院で過半数の賛成を得れば司法長官に就任する。同氏は1997年にワシントン連邦高裁判事となり、穏健なリベラル派とみられている。オバマ前大統領が最高裁判事に指名したが、上院では共和党の反対で承認できなかった。司法省や法律事務所で勤務した経験を持つ。

司法長官に就任後は多岐にわたるトランプ氏の不正疑惑への対応を迫られる。司法省は1973年、現職の大統領について、原則として起訴しないとの内部指針を定めたが、退任後は適用の対象外となるからだ。

首都ワシントンの連邦検察は7日、記者団に対して6日の連邦議会への乱入事件をめぐり、トランプ氏に対する捜査や起訴の可能性を排除しない考えを示した。トランプ氏は事件に先立つ支持者集会で「議会議事堂へ向かおう」「もっと激しく闘うべきだ」などと呼びかけていた。検察はトランプ氏が暴動を扇動した疑いがあるとみているようだ。

2020年の米大統領選を巡ってはトランプ氏が南部ジョージア州の政府高官に対して電話を通じ、同州で勝利するため十分な票を見つけるよう求めたとされる。これが選挙結果の改ざんを促した行為にあたると見る向きがあり、司法当局は刑事捜査に着手すべきだとの声が民主党内で高まっている。

捜査が終わりつつある事案の行方も関心を集める。トランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏はトランプ氏が当選した16年の米大統領選の直前、トランプ氏と不倫関係にあった女性に口止め料を支払って有罪判決を受けた。検察は支払いを巡りトランプ氏の指示があったと指摘。トランプ氏は「共犯者」だとの見方が広がったが、起訴には至っていない。

16年の大統領選にロシアがサイバー攻撃などで干渉し、これにトランプ氏の陣営が関与した疑惑に関する捜査では、トランプ氏が当局者の解任などで妨害した疑いがある。モラー特別検察官(当時)の最終報告書は「大統領が犯罪行為をしたと結論づけないが、そのことが大統領を無罪にするわけでもない」と明記した。

米メディアによると、トランプ氏は実刑を逃れるため自身への予防的な恩赦を検討している。大統領が自らを恩赦した前例はなく、専門家の間では有効性への見解が割れている。トランプ氏が強行すれば大統領権限の乱用だと批判される可能性はある。

大統領権限に基づく恩赦は連邦法違反に限られ、州法違反は対象外だ。東部のニューヨーク州の司法当局はトランプ氏の脱税、不正な資金取引の疑いをめぐる捜査を進めている。トランプ氏の納税記録の入手を目指している。関係者としてトランプ氏の長女イバンカ大統領補佐官や次男エリック氏も聴取したとされる。

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