2012年6月7日木曜日

放射能問題についての識者講演について

崎山比早子氏の講座報告です。
要約して、最も重要な点は下記です。

①年間1msv(ミリシーベルト)の被ばく とは、人間の全細胞核に平均して1本の放射線が通り抜ける強度である。
②放射線が通り抜けると、比較的弱い化学エネルギーで結合するDNAの鎖が、放射線の強いエネルギーで損傷される。これが、変異として残される。
③他の影響でDNAの損傷が生じても修復されるが、大きなエネルギーで損傷されると、修復が出来ず、変異が残り蓄積してゆく。通常は、自然界エネルギーでも損傷が蓄積される。このため、生物は老化するとがんになり易いが、これが、放射線で加速されることになる。
④年100mSV以上の放射能被曝は、急性障害になるが、それ以下では、放射線量に比例してDNA障害が蓄積されことから、がん発症の可能性は、放射能被曝量に比例して高まると考えるべきだろう。
⑤通常のX線検査や、CT検査でも同様のことが生じるので、出来るだけ自分が浴びた放射線量を記録にとどめるべきだ、とのことです。
八千代市主催?の「放射線被ばくによる人体への影響について」を受講しました。
講師 福士政広氏です。
講演内容の趣旨は
①降下量は関東で原発事故前の1.0~2.0倍だから大した量ではない。
②日本は元々放射線レベルの低い国だから欧米と比較して問題は無い。
③年間許容放射線量1mSv/年は安全すぎる数値である。例えば、宇宙飛行士は1mSv/時を浴びている。現状を心配する人は子供を宇宙飛行士には出来ない。
④人間は、7000ベクレルの放射能を体内に持っている。これが無いと(カリウム)人は生きて行けない。
⑤植物は根から吸収するのは、水溶性の栄養素だから放射性物質はあまり吸収しない。従来の高放射能植物は、葉についた物を吸収したので生じた。茶葉は確かにそのせいで高放射能が検出されたが、新しい葉に変われば問題ない。
⑥今回の食品許容値の新基準では数値を下げたが無意味だ。農家が苦しむだけだ。
⑦降下した放射能物質も徐々に減って行くから問題は無い。
⑧全ての物は毒である。水でさえ大量に飲めば死ぬ。毒になるか薬になるかは適量な量かどうかで決まる。
ほぼ以上です。
実に気楽な人です。八千代市での放射能レベルとかには全く関心が無いようです。
講演の時には、福士氏の講演内容が、とても楽観的に過ぎると感じただけなのだが、後でじっくりと考えると、彼の講演内容の欠点が見えてきた。これを示すと以下のようになる。
彼の説明ストーリー通りに聞いていると、成程なと思える手順だが、もう一度振り返ると、その筋道に共通の欠点があることが判る。例えば、お茶の葉についた放射性物質は、その葉を落とせば、水溶性でない放射能物質は新しい葉には吸収されず、新しい葉には放射能は少ない、との説明だが、下に落ちた古い葉に付いた放射能物質はどうなるか、とか、降下した放射能物質は年々少なくなるから安心だ、と言うが、放射能物質そのものは殆ど減少しないから、少なくなった分はいったいどこに行くのだろうか、と言うような問題が出てくる。つまり、彼はその思考を急に打ち切って、安全だ安全だ、と主張しているが、その現象の先でどんなことが生じるかを全く考えないことが大きな問題なのだ。
最近生じている放射能問題、それに、将来生じるであろう放射能問題は、彼のような中途半端な思考と、これに基づいた中途半端な対策が原因で生じるのだろうと思われる。

同講演会でひとつ勉強したことが、ひとつあります。それは、
フォッサマグナ(中央地溝帯)を境に東西で地質が異なり、西では岩石由来の放射能が高いらしい。大阪の放射線レベルが高いことには従来から疑問を抱いていたが、大陸での核実験で放射能累積が高いのかとも考えていたが、岩盤のせいもあるのだと気づいた。
福士氏は「関東の放射能が高いからと言って、関西に移住した人は結局同じことだった」と発言したが、関西の放射能レベルが0.07程度だとして、八千代台は屋外では0.15~0.25で生活せねばならない。放射能レベルは、ほぼ3倍になっていることを無視した発言で、彼の基本的な考え方の位置が判る発言であった。
ところで、先日のNHKの「ニュース深読み」で行政系の科学者がどんな思考回路をしているか面白い証拠があります。
http://www.nhk.or.jp/fukayomi/backnumber/111217.html
●専門家
唐木英明さん(倉敷芸術科学大学学長・東京大学名誉教授)の最初のコメント
「8000ベクレルというのは安全かどうかということを、どういう風に考えるかなんですよね。
1つの例をあげると、私たちは誰でもみんな7000ベクレルの放射性物質を体の中に持っているんです。」
これは、8000ベクレル/kg焼却ゴミを一般埋め立て許可ってことに関するコメントで、後でNETで調べると、確かに、人は長年の間に蓄積して、60kgの成人で7000ベクレルの放射性物質を持っているようです。
http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini100_pdf/2007-09.pdf#search='体内の放射能'
しかし、焼却灰の放射能物質量は、kg当たり8000ベクレル/kgですから、比較するべきは、7000/体重60kg=118ベクレル/kgが人体の放射能量となります。つまり、焼却灰内の放射能8000ベクレル/kgはけた違いに大きいことになります。
更に考慮すべきは埋立てる焼却灰の総量です。100tonどころか、1000ton単位(比重1.0とすれば、1000m3)程度で簡単に埋め立てますから、1000tonに対する総放射能物質量は、8,000,000,000ベクレルと、凄い量になります。これが、一か所に埋められれば、殆ど点線源として周囲に多量の放射能を放射します。そんなとこには住めませんね。
それにも拘わらず、NHKの公共放送の場で、確かに嘘はついていないが、かように科学者としてはお粗末な詭弁で「安全だ」「安全だ」と論じる神経が判りません。
ところで、八千代市の埋立地もこうなるのでしょうか?
実際に8000ベクレル/kgの焼却灰を埋めるなら、点放射能源として、自分の家に到達する放射能値を計算せねばならない時期が来るかもしれないです。埋立てる焼却灰についての放射能値の実測集計が、将来の対策で必要になるかもしれません。
殆どSFの世界になってしまいますね。

 

 


 

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