2024年1月7日日曜日

ドル円の動きについての、日経の記事は正しいだろうか。

 日経の「米雇用統計、強弱まだら」との記事で、特に僕はドル円の動きについての分析に興味がある。雇用統計の内容分析から、ドル円の激しい動きがあったとの説明をしているのだが、僕にはむしろ、ドル円の動きは、資金の動きを示すに過ぎないのでは、と思える。つまり、日米経済力の差は、雇用統計の動きで大きく変わるレベルではないと思えるのだ。

12月の米雇用統計、強弱まだら 民間部門は伸び低迷

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【ワシントン=高見浩輔、ニューヨーク=斉藤雄太】米労働省が5日発表した2023年12月の雇用統計は市場の事前予想を上回る強さを示した。バイデン米政権は経済運営の成果をアピールする一方、統計の細部に潜む弱さを指摘する専門家は多い。市場は米経済の軟着陸(ソフトランディング)の行方をなお見極めようとしている。

「私たちが今、目にしているのはソフトランディングだ」。イエレン米財務長官は雇用統計後に出演した米CNNの番組で宣言した。

ホワイトハウスは3日にも「景気後退が予測された2023年は結果的に経済の『奇跡』になった」と声明を出した。経済政策への低評価を11月の大統領選に向けて改善させたい思惑もにじむ。

もっとも12月の雇用統計は「詳細をみればバラ色ではない」(JPモルガン・チェース)。非農業部門の就業者数は前月比の伸びが21万6000人と市場予想(17万人)を上回ったが、10~11月の数字は計7万人も下方修正された。

就業者を増やしているのは主に景気動向に左右されない業種だ。12月は代表格である政府部門と教育・医療だけで12万6000人と伸びの半分以上を説明できる。

民間だけでみると、3カ月平均でみた伸びは11万4700人にとどまり、減速傾向は止まっていない。10~19年平均の18万人弱を大きく下回り、新型コロナウイルス禍で急減した20年3~6月を除けば11年半ぶりの低水準まで落ち込んでいる。

市場は当初、予想を上回る就業者数や賃金の伸びに反応した。長期金利の指標になる10年債利回りは4.1%と3週間ぶりの高水準を付ける場面があった。対ドルの円相場は下落し、1ドル=146円に迫った。

雇用統計の評価・分析が進むなか、金利上昇の勢いはそがれた。「労働市場の健全性は思ったほど強くないかもしれない」(運用会社クリアブリッジ・インベストメンツ)という見方が広がったためだ。追い打ちとなったのが、米サプライマネジメント協会(ISM)が同日発表した23年12月の米サービス業の景況感だ。雇用環境を示す指数が3年5カ月ぶりの低水準となった。

「労働市場は緩やかな冷え込みを続けている」(バンク・オブ・アメリカ)との見方が優勢となり、米長期金利は3.95%まで低下する場面もあった。円相場も1ドル=143円80銭台まで円高・ドル安が進むなど、荒い値動きをみせた。

金利先物市場は6~7割が、米連邦準備理事会(FRB)が3月までに利下げに転じると予想している。一方で12月に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では早期の利下げに慎重な意見が目立った。強弱がまだらな指標が続くなか、FRBの政策判断が遅れることも今後のリスクとなる。

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