2023年1月23日月曜日

神聖ローマ帝国について

 僕は歴史が好きだ。日本史も世界史も好きで、特に、会社に入社してから、文芸春秋社発行の大世界史を全て読破して、いよいよその好みが増した。大学受験で世界史を敬遠したので、大学は阪大にしたが、こんなことなら世界史も受けて、東大か京大にするべきだったかとも思ったが、どちらにしても、大学に入ってもたいして勉強しなかったから同じことだろう。
それはともかく、大学以降も図書館通いは続いて、歴史書はほぼ読んだと思う。特に太平洋戦争史はよく読んだが、これは大学時代に、ある日ふと気付いたのだが、日本は足掛け5年間の戦争期間で、優勢だったのは、最初の数か月で、残りは米国にもてあそばれただけの戦争で、その戦争で数百万人を無駄に死なせるか不幸に陥らせただけの戦争だったと気づき、読むのが嫌になった。従って、歴史書はそれ以外の分野とした。
更に、世界史でも、ヨーロッパ中世については、なんとも理解しがたくて、特に、神聖ローマ帝国については、その位置がローマとも関わりない位置なのにローマ帝国とのその名称が何とも怪しげで、しかも、その変遷に宗教が大きく関与して、歴史的変遷の流れが理解しがたく、ほとんど興味がなかった。
ところが先日、図書館の本棚で、「神聖ローマ帝国」池谷文夫著なる書を見つけて借りた。
それを読んで判ったのだが、神聖ローマ帝国の歴史に関する要約は下記である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%81%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%B8%9D%E5%9B%BD
更に要約すると、東フランク王国の地域と北イタリアを版図とした帝国で、ローマ法王に承認された皇帝を戴く王により統治された帝国となる。
(神聖ローマ帝国との名称は、恐らく、法王に承認された神聖なるローマ帝国との意味であろう。宗教が関わると、ろくでもない事態になるのが通常だ)

中央集権でなく封建的であると、封建領主間の闘争があり、そこに、ローマ法王が関与しているために、宗教的な拘束や、宗教的な抗争が関与しているので、極めて複雑で無駄な闘争が多、い。結局は、カトリックとプロテスタントのキリスト教同士の30年以上の壮絶な闘争で国はほぼ衰退で人口も何十%も減少するとかになったのだが、しかも、モンゴルやサラセンの侵略、更に、バイキングの侵略、ペストの侵略と、加えて十字軍の派遣などと、複雑すぎて、しかも、悲惨なことが多く、更には、宗教による科学弾圧とか、無駄な悲劇が多すぎてうんざりするわけだ。本元のローマ帝国でも、キリスト教の種々宗派の闘争で、国の行末とは関係ない闘争で、それも、例えば、キリストは神であるかどうかなんて馬鹿げた論争に明け暮れて蛮族に侵入、略奪されている間に衰退したのだが、馬鹿げたことが大過ぎる。
結局、ナポレオンが神聖ローマ帝国にとどめを刺すことで、歴史は、よりまともな歩みを進める。実は、フーコーの振り子は地球の自転を目に見えるようにしたことで、宗教と化学を分離する歴史的な境目であり、科学が宗教から解放される時代の申し子とも言える。


このうんざりする時代を好んで研究する人も居るのかと感心して、読み続けることにした。
なお、神聖ローマ帝国は、AC800年から、1,800年まで、1,000年も続いていて、その長さはローマ帝国、ベネチアに匹敵し、ヒトラーの1,000年帝国発言の元は、ローマ帝国にならうのかと思っっていたが、考えてみると、彼は人種的にローマ人を認める筈もないのだから、神聖ローマ帝国を意図していたとの可能性が高いと思われる。

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