2023年1月22日日曜日

 フーコーの振り子 (2)

 フーコーの振り子(アミール・D・アクセル)を読んでみた。

野田の言うように、とても興味深い。これを大学入学後直ぐに読んでいれば、僕は、もっと真面目に大学生活を送ったであろうと思う。真面目にと言うか、意欲的にと言うべきだろう。
おそらく、かような啓発的な本が世になかには数多く有るに違いない。それらを、怠惰な大学生活を意欲的なものに変える本として広めることで、世の中も変わるだろう。
ところで、本の内容だが、
フーコーの振り子は、1851年2月3日に、パリの天文台で公開された、同時に、報告書が公開されて、振り子の正弦則も発表された T=24/SIN(θ) (吊部が四方に自由な振り子が、地球の自転による回転の周期   極では24時間で一周し、赤道では軌跡は変わらずで、∞の時間で一周することは理解できる)
この簡単な式を当時の著名な数学者たちが考案できなかったことから、当時の数学会は騒然となったが、フーコーの成果を無視、もしくは非難するのがその反応であった。
要するに、地球の中心を原点とする極座標上での振り子の挙動なる、コリオリの式の会なのだが、コリオリ自身は無名のまま、8年前に亡くなっている。共に運動エネルギーなる概念を創出し、1835年にコリオリの式を創出したが、フーコーと同様に、数学会からは無視されている。
当時の数学会は著名な人も数多くいたが、高慢な組織であったのだ。
それはともかく、今になって、大学時代の数学や物理学のすばらしさに気づいた。
ところで、フーコーはまた、ジャイロコンパスを発明したが、これもまた、社会から無視されて、その偉業が再発見されたのは、47年後に魚雷の姿勢制御に使われた時であったらしい。
なお、フーコーの振り子問題は、地球にとどまらず、宇宙の座標に関わる問題で、そこには、相対性理論まで関わる問題であることが記述されている。そのことから、読者の知的感覚を大きくゆすぶる本であると言える。
また本書は、フーコーの業績のみならず、彼の時代の歴史事情にも大きく触れており、歴史的興味もそそられる。それらの観点からして、なかなかの本だと理解できる。

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