2020年10月17日土曜日

ソケイヘルニア(脱腸)手術、闘病記

 ソケイレルニアについて先に書いたが、症状は、ソケイ部下部横の睾丸に繋がる腺と思われる部分が腫れて痛くなり、次いで下腹部のいわゆる下腹(僕の場合は右側盲腸辺り)部が痛くなる症状だ。腺の部分の腹から腸が盛り上がっているような感触がある。手や鼠径バンドで抑えていると痛みが起こりにくいが、徐々に痛みが激しくなる。
CT検査では、うつぶせになり、頭と腰の部分に毛布を入れ込んだ姿勢なので、腰の部分は浮き上がり、その姿勢を続けるとけいれん状態となる。そこで、まともに写っただろうかと心配になったが、担当医は特に気にすることもなく、映像をみて「右側がヘルニアですね」と診断して、14日に手術すると宣告した。手術の方法としては切開方法と腹腔鏡内視方式があり、腹腔鏡方式だと小さな穴で済むとのことだ。となれば、当然、腹腔鏡手術を頼んだ。

ただ話を聞いて行くと、切開手術だと部分麻酔で、腹腔鏡方式だと全身麻酔とのことで、大丈夫だろうか、と心配になった。

なぜか、先ずは一週間後に歯科に行き、徹底的な歯石除去をされてマウスピース用の歯型をとった。全身麻酔中に、咥内の菌が肺に入ることを防止するためと、全身麻酔だと肺も停止するので、酸素吸入用の管(2cm程度)を口から肺に挿入するので、その際に歯を痛めないようにマウスピースを準備するとの事だ。更に、肺活量検査のようなのも行われた。自力呼吸が出来ず挿入管からの呼吸なので肺活量を高めておく必要があるのだろうか。これらの検査は、手術自体を腹腔鏡手術として簡略化するためには、それなりの作法準備が必要だと言うことだ。

10月13日午前中に夫婦で病院を訪れて、入院手続きや入院説明を受けてから、受付以降の入室はコロナの関係で独りで入院して、点滴の装着などの手術準備を終えた。病室は清潔な4人部屋で、入室時に同室者に挨拶すべきかと思っていたが、各ベッドはカーテンで仕切られているので、結局、退院まで同室の誰とも話すことはなかった。
入院後ベッドで測った最初の血圧は150近かったが、その後、手術を終えてからは105程度に落ちた。ずっとベッドで寝ているからと思われる。なお、最近は血圧の変動が大きく、一日何度も酢を入れた水を飲んだり、朝夕にタオルを握りしめることで、血圧は120台になっていた。入院時は何のケアーもしなかったが、入院後、帰宅した時調べても110台であった。

10月14日の手術は12時半予定が1時半に遅れた。点滴器を押しながら手術室に徒歩で移動した。手術室はかなり広い清潔な実験室の様な部屋で、手術担当者たちがにこやかに迎えてくれて、十分に周囲を観察する暇もなく、手術台に寝かされ、心電測定具とかを指、胸に付けられ、手術着の前を開けられ麻酔薬吸引マスクを口に押しあてられた。「眠くなりますよ」と二、三度か言われ、突然、目の前の景観が、ドスンと言う耳鳴りと共に、漆黒になった。(死ぬとはかようなことであるかと、死に対する恐怖は若干衰えた)
時間の感覚は全くなく、「起きて起きて」と言う言葉と一緒に、何人かの、緊張から解かれた時のような陽気な笑い声(多分、手術が無事に済んだので手術者たちも精神的に解放されたのだろう。このハイテンションな笑いは僕がプロジェクトで問題を見事に解決した時の精神状態と同じだ。)に包まれ、そのままどこかに運ばれ、別のベッドに移され、気付いたら、元の病室で横になっていた。夜になったが、なぜか左腕が抜けるように痛く眠れなかった。右脇腹を手術するので、体を傾けて左腕か左肩に荷重が掛ったのかと想像した。左脇腹にも試掘したらしいが、こちらは短時間だったので右腕には痛みがなかったのだろう。その肩の痛みで眠れず、手術日翌日は寝不足でしんどかった)
なお、尿道には手術中に尿管が挿入されていて、翌日に外されたが、その後、2日間は尿の度に尿道がかなり痛かった。このまま痛みが続くかと怖かったが、取り外して一日後には痛みはなくなった。なお、手術翌日の取り外し後最初の尿は看護師さんが出血の有無を確認する。冗談では無く、看護師さんは尿の確認とか、年寄りのチンポに尿管を差込んだり、これを抜いてチンポの周囲を消毒したりと大変だ。

なお食事は前日及び手術日の夕食までは食事なしで、腹が減って苦しかった。ただ手術前の3日間程便秘で、退院日の朝に漸く便が出て、腹は減ったが腸に溜まった便で腹が膨れてるって変な具合であった。手術前に便通の薬をもらえば良かった。

女房とはコロナの関係で、手術前の15分と手術後の15分だけ面会できた。

翌日は眠かったが、少しは歩こうと頑張った。看護婦さんのリハビリケアーとは一回、30メータ余りをふらつくことなく歩けるかどうかのチェックだけであった。
腹を確かめると、へその高さに右に小さな穴、ヘソの横に大きめの穴、左に最も小さな穴があった。先生のいわく、左もチェックしたが大丈夫であった。とのことだから左穴は試掘穴と言えるだろう。睾丸に続く線の所には全く何もしていないから、そこが膨れていたのは、脇腹の脱腸の二次的症状らしい。なお、家に帰って立っていても確かに睾丸に続く腺は膨れることも痛むこともなくなっていた。
どうしても傷口は痛いので、咳が出来ず痰を出すことが出来ないことがつらかった。
歩くことが出来たので、明日16日に退院と言われた。帰宅後18日には痛みが薄れて、行動が楽に出来るようになった。


16日朝の回診時に、抜糸はどうするのですか、と問うと、「抜糸はなし~」と言われた。確かに傷は小さくて勝手に閉じていた。ベッド周囲を片付けてまっていると、看護婦さんが翌日からの薬を持ってきて、点滴装置を外した。次いで、事務員さんが来て、請求書などを持ってきて退院手順を教えてくれた。僕はスーツケースを持って出て行き、支払手続き、生命保険支給のための手続きを終えて自宅に歩いて帰った。昼食は自宅でおかゆとした。

腹が痛くて、寝返れないことでの動作が出来ないのがつらい。が、徐々に回復している。

手術費用は1割負担5万3千円3程度で、診断証明書3千円程度、生命保険の支給金5万円、なので実質出費は6千程度と思う。

https://yamate.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2015/02/koe_sokei-hernia_I.pdf
http://blog.livedoor.jp/alexgarden/archives/cat_50028461.html

退院後、鼠径部の精巣に続く腺は、やはり腫れていて、足との接続部(みぞおち部)の痛みが残り、開口部は、特に、大きく開けた右側の痛みは続いた。が、29日頃には、痛みは漸く軽くなった。なんとなく、手術は成功であったかなと思えた。24日に診断に行って、どこにシートを貼ったのかと聞くと、腹の下の方と言うだけで詳しい説明はなかった。口数の少ない先生なのだろう。困った人だ。なお、開口部にヨードチンキを塗ると、口が余計に開いたように感じたので、ヨードチンキは2日程度でやめた。これも聞く必要がある。

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