2020年12月19日土曜日

ときどき思い出すこと(3)入社後住友重機械で僕の経験したパワハラなど

 僕が大阪コンベヤ課に配属された時、何かの折に、何歳か年上で亀田さんなる神戸大学工学部卒の人が僕の配属前に居て、土居係長に激しく怒鳴られながら居たとの噂を聞いた。その次に、北海道大学工学部卒の神野さんも居たが、彼もまた、土居課長に怒鳴られながら仕事をしていた。幸いなことに、僕は土居係長の下ではなく、畑中技師の部下として配属され、その後、畑中さんの新規事業への移動に伴って佐薙係長の部下に配属された。が、亀田さんに関する噂や、神野さんへの対応を見て、土居係長には心の底に反感を感じていた。しかし、神野さんが怒鳴られる様子を見て、なぜ反論しないのだろうと、その意気地の無さを軽蔑する一面もあった。がしかし、自分がその立場になった時、土居課長(彼はその時点では課長になっていて、自動的に僕は彼の部下になってしまったのだ)の傍若無人な叱責には、まともな人間は反論できないことを思い知った。それは実際にそれを経験して判るのだが、理由にならない悪意に満ちた理解不能な叱責は、反論することに恐怖を感じるものなのだ。
その観点で、神野さんの受注実績や実施実績を見ると、その仕事は、軽快ではないが、実直で確実で信頼の出来るものであった。亀田さんについては、彼の実績はしらなかったが、彼は最終的には畑中さんや永井さんの物流部門に引き抜かれ、特に、自動倉庫のコストダウンに従事した。僕が物流部門に移動してから、物流施設の見積もり業務をした時に、亀田さんのコストダウンや標準化の結果・成果が極めて効果的であったことを知ることになった。亀田さんの技術力に感服したものだ。土居課長にぼろくそに貶されたとしても、実際には素晴らしい技術力を持っていたようだ。
これらの経験から、僕が住友重機械に入った頃には、住友重機械に就職した大学工学部卒には極めて優秀な技術者が大勢居たことを知った。だが、住友重機械は彼等の力を十分に発揮させる組織体制ではなかったと思える。特に、人の評価が正しく行われる体制ではなかったのだろう、と思う。
だが、この点では公正であるべきだが、実は同時期の高卒や工業高校卒の技術者も、実は非常に能力が高かった。竹中係長には池尻なる工業高校卒者がいたが、僕と同い年だから、僕が配属された時には、既に6年間働いていたことになり、僕が配属された時には、きびきびと客先との対応から設備計画や実施設計を見事にこなしていた。社会人初年の僕にはとても足元にも寄れないレベルであった。それに、そもそも松木親衛隊の松木氏も、課長の庇護はあるものの極めて有能であった。課長の庇護と言うよりも課長を操っているような状態でもあった。土居課長の個性と松木氏の個性がお互いに補い合い、自己中心的な行動が強調されたようだ。ただ時代がゆけゆけどんどんの時代で、その時代の波に乗り傲慢に突っ走ったと言えるだろう。
それはともかく、高卒もまた当時は非常に優秀な人材が多かった。
それに、ベルトコンベヤやクレーンのような搬送機械、Lowテクニカルな設備について、大卒と高卒の違いはなんだろうか?
僕が考えるには、Low tecの技術的問題を解決するに際しては、殆ど能力的には差はないのだが、大卒は広い知識を持っているってことだろう。これを解決するには、あれを使えば良いのだろうと目途をつけるが、その目途の範囲が広いと言うことだ。実際の解き方は知らなくても資料や文献を探せば、計算法とか解決法はなんとか見つかるのだ。単にそれだけの違いだから高卒でも同様に解決できるはずなのだから、結局は、やれば出来ると考えるかどうかの差だけなのだろう。





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