2022年8月4日木曜日

八戸石灰長距離コンベヤの思い出

 八戸石灰鉱業の長距離コンベヤの試運転が問題なく終わり、住友セメントや住友鉱山のプロジェクト組織が閉鎖されて、菊地次長は住友セメントの彦根工場長に栄転された。その後任に、安倍次長と吉瀬課長が就任された。
菊池次長とは見積もり依頼に対するプレゼンテーションからの付合いで、大学出たてありありの僕が設計することに何らの異論もなく対応してくれて、本当に有難いことだったと、今になって思う。吉瀬さんからは、ここの設備の図面には設計・承認印は全て貴方だけなんですねと、頼りにされた。

八戸石灰工業の長距離コンベヤは、日本では、コンベヤメーカー数社で設計した秋吉長距離コンベヤと、日本コンベヤが鳥形山に納入した長距離コンベヤに続いて建設したもので、そのすべては僕一人で設計した。設計費は通常のコンベヤ設計に要する勝手基準で積算して見積もったが、実際には標準設計品が多く使えて、それに、重量的にも工夫したことで大きな利益を上げることができた。設備納入後、建築業界のグループ見学(関空用土砂搬送計画の参考のための見学会)でバスに同乗して設備の案内をしたり、阿部次長の要請で、新ベルトコンベヤの計画と整備なる、コンベヤに関しては最先端の本の原稿を提出した。
八戸石灰工業へは、その後、セメントを船積する設備も納入した。セメントは比重が軽く、さらさらしているため、通常のバケット型の船積期では扱えず、とゆ型のケースに帆布を張り、帆布下からエヤーを噴き出してセメントを滑らる装置で船積するが、その方式で時間当たり800tの世界最大の能力を有する船積機を設計した。
セメント船積設備を受注・納入する間、阿部次長や吉瀬課長はとても好意的に対応してくれた。ただ客先の予算が厳しく、当初から赤字予算であった。が、改善法として、設計は社員は僕一人で、外注さんを使っての作業となり、結局は黒字化した。そのため、環境対策の騒音測定も夜中に訪れて暗騒音を自分一人で行ったりした。

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