2021年4月27日火曜日

黒木享のトップレフト

 日経新聞の夕刊の”人間発見”で、黒木享氏の経歴を知り、彼の作品に興味を持った。彼の要約自叙伝の”人間発見”によると、黒木享自身の人生が小説ではあった。(詳細はネットで見られたい)
トップレフトは彼の銀行員、海外金融業時代の経験を元に書かれていて、そこでの登場人物の一人の人生が彼の経歴と重なっているようだ。その登場人物は、東大卒が花道を楽々と歩いて行く中で、千葉の支店務めからの厳しい下積生活からの経歴を書いている。その人物も、千葉の支店の下積から登って行くのだが、英国駐在中に海外金融機関に移り、日本国籍もすて英国籍となり大きなプロジェクトを推進して行く。同時に、日本の政治・組織の馬鹿さ加減を鋭く書いている。日経新聞への投稿では、経歴を簡略に書いていたが、小説の中では黒木享氏の考え方や経験を赤裸々に記載しているようだ。
僕の会社での経験・海外での経験でも、彼の考え方に沿った認識があるが、彼の経験は僕の経験よりは遥かに大掛かりで大胆であり、それだけに更に激しく日本組織の駄目さを示す様だ。
結局、日本を駄目にしてゆくのは、日本の指導層そのものだと理解できる。それが判り、しかも、それをどうしようもないとの諦めが、その登場人物が日本国籍を捨てた理由なのだろう。しかし、その登場人物と同様の経歴を持つ黒木享氏は日本国籍なのだが、それはどうしてかを聞きたいものだ。


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