2020年5月4日月曜日

全力を尽くすと言いながら4カ月でマスク2枚(未着)の首相とは志が違う

全力を尽くすと言いながら4カ月でマスク2枚(未着)の首相とは志が違うのだろう。
〈パンデミックに挑む 世界の最前線から〉(1) 
いのち守る決断力に支持 女性政治トップ 説明丁寧に
新型コロナウイルスとの戦いは、世界の街の様子を瞬く間に一変させた。各国・地域はパンデミック(世界的流行)に歯止めをかけるため、都市封鎖など異例の措置に踏み切った。一人ひとりの行動の積み重ねが感染者を減らし、早く日常に戻れるかどうかの明暗を分ける。それぞれの最前線で力を尽くし、危機を乗り越えようとする人々の奮闘を追った。
「防疫に携わる一人ひとりが英雄だ。まだ流行は終わっていない。油断はしないで」。台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が1日、フェイスブック上でこう呼びかけると、コメント欄には「台湾加油(がんばれ)」など千件近い書き込みがあふれた。社会一体の感染対策を導いた蔡氏の支持率は就任以来最高水準の60%に達した。

蔡総統=ロイター
蔡総統=ロイター

評価を集める理由は、先手を打って感染を抑え込んだスピードだ。蔡氏は1月下旬、緊急の「国家安全会議」を招集。中国本土住民の入境禁止や、マスクの生産・流通の統制など包括的な対策をわずか1週間ほどで実行してみせた。
蔡氏は30代前半だった1990年代に世界貿易機関(WTO)加盟交渉で当局のアドバイザーを務めた手腕を買われ、党派を超えて閣僚などとして重用されてきた実務家だ。一方、台湾は2003年に70人以上の死者が出た重症急性呼吸器症候群(SARS)を教訓に、感染症対策で当局が強大な権限を行使できる法整備を進めてきた。蔡氏の実務能力と教訓に学んだ組織力がかみ合った。
物理学者でもあるドイツのメルケル首相は厳しい現実をありのままに示すことで、市民の信頼をつかんだ。3月に人口の60~70%が感染する可能性があると述べ、大量の検査や厳しい行動制限が必要だと訴えた。

メルケル首相=ロイター
メルケル首相=ロイター

ドイツでは4月20日から一部店舗の営業が再開されたが、メルケル氏は同月23日の議会で「我々は流行の最終局面にいるのではない。かなり長い期間、ウイルスと共生しなければならない」と制限緩和を急ぐ人々に長期戦への覚悟を求めた。
旧東ドイツ出身のメルケル氏は、自由の束縛は「絶対に必要な場合」にしか許されないと強調する。理路整然と政策決定の理由を説明するメルケル氏に誰よりも早く自由を取り戻したいとの思いを見るからこそ、人々は信頼を寄せる。
「質問があればここに書き込んで。できるだけ多く目を通して答えるようにする」。3月下旬に都市封鎖に踏み切って以来、ニュージーランドのアーダーン首相はSNS(交流サイト)を駆使し、自分の言葉で外出制限の意味や詳細を説明し続けてきた。

アーダーン首相=ロイター
アーダーン首相=ロイター

厳しい措置の結果、4月27日深夜から外出制限を一部緩和、建設業や製造業の操業再開にこぎ着けた。「全国民の努力が感染の鎖を断ち切った」。アーダーン氏は同月20日の記者会見で述べた。4月下旬の民間調査では9割が政府の対応策を評価するなど、政権への支持率も高まっている。
「より良き日は戻ってくる。私たちはまた会える」。新型コロナに感染したジョンソン英首相が入院した4月5日、英国のエリザベス女王は異例のテレビ演説で語りかけた。旧来の価値観や政策にとらわれない柔軟性と決断力がいのちを守る。人々を導く女性たちの姿は、多様性に富む社会の力を映し出す鏡でもある。

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