2024年3月10日日曜日

ドル円相場情報 バイデン氏演説と米雇用統計情報

時期を明言してないものの、米国大統領の発言です。相場はどうとらえるのでしょうか。
それと、米国雇用統計についての情報です。
先ずは、バイデン氏の演説内容です。これが及ぼす相場への影響を予想することは難しい。

バイデン氏、FRB利下げ「間違いない」 時期には触れず


【ワシントン=坂口幸裕】
バイデン米大統領は8日、東部ペンシルベニア州で演説し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切る可能性に言及した。時期には触れなかった。独立性が重んじられるFRBの金融政策について大統領が発言するのは珍しい。

演説では「住宅コストの引き下げに取り組んでいる」と表明した。住宅購入者が住宅ローンを利用しやすくする税制改正を検討していると強調した後、利下げの話題に移った。FRBを「金利を決める小さな組織」と呼び「保証はできないが、金利がもっと下がるのは間違いない」と話した。

11月の大統領選をにらみ、FRBへの政治圧力は強まる。FRBのパウエル議長は7日に米連邦議会上院で議会証言に臨んだ際、景気を下支えしたい与党の民主党議員から早期の利下げを求められていた。

有権者の間には住宅ローン金利の高騰で住宅を購入できないとの不満が出ている。大統領選で民主党の候補者指名が確実視されるバイデン氏の言動からは生活苦への不満や景気失速のリスクを和らげたい思惑がにじむ。

一方、バイデン氏と戦う共和党の候補者指名が確実になったトランプ前大統領は2月公開の米メディアのインタビューで、利下げをすれば民主を助けることになるとクギを刺した。前大統領は在任中にもFRBの金融政策に公然と介入する発言を繰り返した。

バイデン氏は7日、連邦議会の上下両院合同会議で一般教書演説を実施し、前大統領との対決姿勢を前面に出した。8日のペンシルベニア州フィラデルフィア郊外での演説でも「トランプは女性や我々の家族、国にとって危険で、彼を勝たせるわけにはいかない」と訴えた。

米国経済を巡っては「今やわが国の経済は羨望の的で、米国史上最高の状況だ」と主張した。雇用環境の改善やインフレ率の低下をあげた。

一般教書演説では格差是正をめざして大企業や富裕層への増税分を再分配し、中間層から経済を立て直すと唱えた。8日の演説では「トランプは大統領時代に2兆ドルの減税を実施した。大金持ちに莫大な利益をもたらし財政赤字を増大させた」と断じた。

移民が支えた米雇用統計

2月127万人増、労働人口押し上げ 抑制策ならインフレ加速恐れ

【ワシントン=高見浩輔】米労働省が8日発表した2月の雇用統計は、非農業部門就業者が前月比27万5000人増と底堅かった一方で、平均時給の伸びが鈍化した。軟着陸シナリオに沿った動きを支えた要因の一つが移民の労働力だ。不法移民の取り締まり強化はこの流れをせき止める可能性もある。

「違法な地下経済に頼る成長は持続可能ではない。失敗に終わるだろう」。米連邦議会下院で6日に開かれたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言。共和党のハイゼンガー議員は強い調子で迫った。

パウエル氏はかねて移民の貢献を歓迎してきた。人手不足が深刻化した2022年以降、賃金インフレが加速しなかったのは海外からの働き手が逼迫状態を緩和してくれたからだ。平均賃金の前年同月比の伸び率は2月に4.3%まで鈍化した。

米労働省によると、新型コロナウイルス禍前の19年12月以降、移民を示す「米国に居住しているが、出生時に米国市民でなかった労働力人口」は24年2月の3252万人まで計444万人増えた。これに対して米国生まれは116万人減った。

特に2月は単月で127万人も増えた。少なくとも07年以降で最大だ。これが労働人口全体を押し上げ、職探しをする人の増加が失業率を1月の3.7%から3.9%に押し上げる要因にもなった。働き手が増えた結果の「良い失業率の上昇」といえる。

共和議員の攻勢にパウエル氏は「移民政策を決める立場にはない」と弁解したが、働き手の増加が急に止まれば高インフレの抑制に逆風となるのは明らかだ。FRBの利下げ時期が遅れる要因にもなりかねない。

少子化が進む米国にとって移民は本来、人口増を維持するために不可欠な存在だ。米議会予算局(CBO)は2月に出した経済見通しで、1年前と比べて強まった移民の増加傾向が10年後の国内総生産(GDP)を2%押し上げると試算した。

問題は不法移民だ。南部の国境を越えて流入する移民は23年後半から急増し、拘束・保護された数は23年12月に過去最多の30万人に達した。移民の労働力人口の急増は、捕まらずに入国できた移民が年明けから職探しを始めた結果とみることもできる。

押し寄せる移民の映像がニュースで流れるにつれ、民主の支持者からも国境危機に不安を覚える声が出ている。

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