2023年10月25日水曜日

パレスチナ紛争について一言

 我々が子供の頃、イスラエル人達の建国の苦闘がよく報道され、そのせいで、パレスチナ人や周囲のイスラム国家が悪であるかのような印象を得た。しかし、歴史を学ぶ経過で、特に十字軍のエルサレム回復での蛮行・愚行や、ローマ教会の扇動に応じた子供十字軍や農民十字軍の哀れで馬鹿げた結末を知り、更には、第二次大戦後のパレスチナ地区の戦力的空白を縫って無理やりユダヤ人の国家建設を図った欧米の傲慢さを考えると、パレスチナ問題では安易にイスラエルだけではなく欧米のプロパガンダに従ってはならないと思うようになった。
更には、ナチスによってあれほど悲惨な境遇になったユダヤ人が、それと同じ、若しくはそれ以上の悲惨な思いをイスラム教徒のパレスチナ人に与えていることも考慮しなければならない。  イスラエルの外交官が、パレスチナ派閥をナチ呼ばわりしているが、客観的に見るなら、イスラエル自身がナチの暴虐を繰り返しているとあきれてしまう。

欧米人の殆ど、特に中流、下流の人々は、中世の十字軍騎士たちと同様の気持ちでイスラエルを応援していることにも留意すべきで、つまり、パレスチナ問題は、公正さと言うよりは、愚直に宗教を信じる主としてキリスト教徒の引き起こす宗教戦争に近いと考えるべきで、恐らく、欧米のキリスト教徒は少年時代に自分がイスラム教徒と戦う十字軍の騎士だと夢想したに違いなく、日本人としては、そのことを強く意識しながら、パレスチナ問題を論ずべきだと思う。
と同時に、より客観的な立場になれることで、両者の仲介をしたり、より人道的な支援を出来る筈だと思うが、日本の政治家にそれほどの知見と気概が有るとは思えないことが残念だ。

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