2022年9月1日木曜日

マインドコントロールによる合同結婚式は、日本人女性の韓国による慰安婦問題ではないか

 韓国に連れ去られた日本人女性の調査が必要だと思う。
彼女らは助けもなく、教団から逃げる気力も失って過ごしているに違いない。

旧統一教会と政治2 韓国では「財閥」の顔

潤沢資金、発祥地で影響力 透明性の確保必要に

8月18日、ソウル中心部の王宮の城門「光化門」前に千人を超す女性が整列して座り込んだ。韓国在住の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者が大規模なデモを開いた。「世界の前で宗教弾圧問題を訴える」。日本人女性が壇上で抗議文を読み上げると、目抜き通りを行進した。

韓国には1980~90年代、多くの日本人信者が合同結婚式で移り住んだ。抗議文によると結婚して韓国で暮らす日本人信者は1万人あまり。事実なら韓国の在留邦人の4分の1を占める。

旧統一教会は54年、北朝鮮から韓国に逃れた文鮮明氏(故人)がソウルで創設した。宗教学者などによると、キリスト教の教えに儒教など血統や家族を重視する韓国の伝統思想や風俗を取り入れた。ただ、自ら「メシア(救世主)」と宣言するなどキリスト教多数派の教義とは相いれない部分が大きい。

韓国メディアによると韓国内の信者は推計30万人。500万人超のカトリックなどに比べれば少数派だが、カルトという認識は薄く、韓国社会で一定の影響力がある。霊感商法や高額献金などは大きな社会問題になっておらず、実態は不明だ。

信者は韓国内より海外に多い。聯合通信(現・聯合ニュース)が1995年に発刊した「韓国人名辞典」によると、文氏は54~77年に日米英仏や西ドイツなど137カ国に宣教部を設置した。韓国メディアの報道では300万人と推計される。

韓国では「財閥」としての顔も併せ持つ。「統一グループ」は上場企業2社、非上場企業24社からなり、有名スキーリゾート運営企業を筆頭に、旅行会社や建設会社、食品や自動車部品メーカーを傘下に抱える。

日刊紙「世界日報」は米国で保守系紙「ワシントン・タイムズ」を運営する。全米のすし店に食材を提供するトゥルー・ワールド・フーズも旧統一教会系とされる。

北朝鮮との関係も深い。1991年に訪朝した文氏は金日成主席と面会し投資を約束。現地企業と合弁会社「平和自動車」を設立し乗用車やトラックをライセンス生産した。ホテルも運営した。文氏が死去した2012年、第1書記だった金正恩(キム・ジョンウン)総書記は弔電を送った。

韓国政府機関に提出した最新の監査報告書によると、グループの主要な11社の年間売上高は計7896億ウォン(約815億円)にのぼる。監査報告書の提出義務がない残りの15社を合わせると、売上高は少なくとも1000億円規模とみられる。

日本の全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、教団は韓国だけでなく世界で100社超の企業を経営しているという。同連絡会が「財閥」の資金源とみるのが日本で集めた巨額資金だが、不透明さも漂う。

1995年にオウム真理教事件を受けて改正された日本の宗教法人法は、宗教法人の認証を得た団体に毎年の会計書類の提出を義務付けた。

実際に全ての法人に提出を義務付けたのは財産目録のみだ。団体の収益を記す収支計算書は収益事業を行う場合や年間収入が8千万円超の場合などに限られる。

同じ公益法人の財団法人や社団法人に適用される「公益法人会計基準」も、宗教法人なら任意だ。監査法人や税理士の監査も必要なく、書類提出を受ける文化庁も「確認は主に提出の有無」(同庁宗務課)にとどまる。中身の確認や公開はしていない。

税務当局の目も行き届かない。日本は宗教法人になると自動的に宗教活動が課税対象から除外される。国税OBの税理士は「宗教法人でも収益事業などを税務調査することはあるが、日常的にみているとはいえない」と明かす。

一方、同じ税制優遇措置でも欧米は所管する官庁とは別に、課税官庁が公益性の有無などを審査したうえで課税の免除を決定するケースが多い。

米国では(1)利益の私的流用(2)違法な活動や公序良俗違反――などが確認されれば免税措置を取り消す。ドイツでも活動に公益性が認められないなどと課税当局が判断すれば税制優遇されない。

中央大の酒井克彦教授(租税法)は「日本は戦時下の宗教弾圧への反省などから行政の宗教介入を排除してきた経緯があり、課税制度が海外と比べて圧倒的に緩くなっている」と指摘する。「一定の基準を設けて税制優遇の資格を定期的に審査する仕組みを導入すべきだ」と求める。

宗教法人を巡る資金を「聖域」のままにせず、一定の透明性確保に向けた議論が欠かせない。

旧統一教会、対策阻む縦割り 霊感商法「被害」1200億円

旧統一教会と政治(3)

「救いを求める声を吸い上げる」。8月18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を巡る関係省庁会議。悪質商法などの被害救済を目的に法務省、警察庁、消費者庁、内閣官房が参加し、9月に被害相談を集中的に受けることを決めた。教団は1964年に日本で宗教法人の認証を得た。「霊感商法」や高額献金が社会問題化したのは80年代後半だ。安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也容疑者(41)の母親も約1億円を献金し、家庭が崩壊したことで同容疑者は教団に恨みを募らせたとされる。

国として有効な対策をとれなかった背景に、省庁の縦割りの体制がある。宗教法人を主管するのは文化庁だ。霊感商法を含む悪質商法の規制や被害相談は消費者庁、人権問題は法務省、そして刑事事件は警察――。所管が分かれてカバー範囲に限界が生じ、情報共有の壁も立ちはだかった。被害相談がたらい回しになるケースもあったという。

発足した関係省庁会議を巡っては、まず、事務局が置かれた法務省の幹部が「なぜ被害相談がほとんどなかったうちの省なのか」と戸惑った。次に、解散命令の請求を担う文化庁宗務課が入っていないことで、霞が関に「本気で対処するつもりがない」との受け止めが広がった。

消費者契約法は霊感商法を「霊感などの実証困難な能力を知見として、重大な不利益が生じるなどと不安をあおり、契約締結を迫ること」と定義する。商品販売時に脅して不安を感じさせたと認定されれば特定商取引法などに抵触する恐れがあるが、過度な献金や寄付自体を直接取り締まる法律はなく、消費者行政中心の対応は限界がある。

全国霊感商法対策弁護士連絡会の渡辺博弁護士も関係省庁会議の行方を不安げに見守る。渡辺弁護士は以前、数千万円を献金した80代の女性について文化庁や消費者庁に通知した。反応はなく救済に至らなかった。「各役所がバラバラだった」という。

同連絡会によると、87~2021年に寄せられた被害相談は計3万4537件、被害額は約1237億円に上る。

被害者の提訴で教団側の敗訴が続くなか、警察当局が霊感商法を大がかりに摘発したのが09年だ。被害弁護団が誕生して20年ほどが過ぎていた。消費者の不安をあおって印鑑を高額で売りつけたとして、販売業者らを特商法違反の疑いで相次ぎ立件。教団関連施設の強制捜査にも乗り出した。

事件を受け、教団は09年に「コンプライアンス宣言」を出した。田中富広会長は8月の記者会見で霊感商法への関与を否定し、宣言以降「社会的、法的に問題がある行動をしないよう指導を徹底している」と述べた。

一方で、09年の摘発が教団と政治の関係をさらに深めるきっかけとの見方を示すのが渡辺弁護士だ。「摘発は政治家とのつながりの弱さが原因とみて関係強化に動いた」

逆風下で政治家の存在は勧誘や信者のつなぎ留めにも効果を発揮した。選挙応援、セミナー……。元信者の男性は「集会などで政治家の名前を出せば信者を教団に引き留める『お墨付き』の効果があった」と明かす。

公安調査庁は05、06年の報告書で「不法事案を引き起こすことも懸念される特異集団」と記載。政府は今回、教団のことを指したとする答弁書を閣議決定した。当時は団体名が伏せられた経緯がある。

宗教法人に対しては、宗教法人法が解散命令について規定している。日本で過去、同法に基づく解散命令が出たのは組織的に悪質な刑事事件を起こしたオウム真理教などに限られる。強制解散を規定する破壊活動防止法はオウム真理教にも適用されず、運用は抑制的だ。規制を巡る議論も浮上したが、深まらなかった。

海外ではどう対応しているか。違法な信者勧誘などを禁じるシンガポールは、20年に韓国の団体に国内での活動を禁止した。

フランスは1995年に「法外な金銭要求」など10のセクト(カルト)行為を定義、170超の団体をカルトに指定した。

01年にセクト規制法が成立。フランスの制度に詳しい山形大の中島宏教授は同法の特徴を「違法行為に着目して規制する点」とする。対象は宗教団体に限定されず、国家と個人の間にある「中間団体」全般に及び、教育団体が指定されたケースもあるという。

指定団体や指導者が有罪判決を受ければ強制解散と規定。解散命令が出た例はないというが、被害者の通報は20年に3千件を超えた。定義の明確化で自己点検が促されたほか透明性が高まる効果があったとみられる。

国内外を問わず問題となるのは違法な活動だ。今回の銃撃事件は、違法行為が疑われる団体に社会がどう対応すべきかを問いかけている。

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