2020年4月19日日曜日

モグラ叩き作戦の行方 (クラスター対策班の最後のあがき)

クラスター対策班の考え方は下記だろう。
ひとの接触を防ぐことで、新しい患者を家族内にとどめ、その感染した家族を含めて、軽症の患者が抗体を持つのを待つとの考え方だろう。
しかし、この方法は、感染後発症まで2週間以内であるものの、感染した場合には、それより長期間の保菌になるので、何日すれば伝染しない状態まで回復するかも不明である。
既に隠れ保菌者・発症者がうようよいる現在の状態ではクラスター対策班の提言も余り意味が無いことになる。
つまり、クラスター対策班には何の読みもないままに接触を防げと、叫んでいるだけってことだ。そうして、国民に全ての責任を押し付けるつもりらしい。

要するに、特効薬が現れない限り、検査数を増やして感染者を把握しなければ解決にはならないと思われる。まともな人は、そのように考えるのだが、クラスター対策班は、いかなる前提で試算したのだろう。

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 「羽鳥慎一モーニングショー」(4月16日)では前日に厚生労働省クラスター対策班メンバーの西浦博・北海道大学教授が発表した「対策なしなら日本でも死者42万人、接触8割減を」という試算・提言をもとに番組を展開した。
 その中ではノーベル賞受賞者である本庶佑・京都大学特別教授がビデオ通話で生出演したことで本庶氏が現状をどう見ているかに筆者も注目した。本庶氏は2018年にノーベル生理学医学賞を受賞し、京大「がん免疫総合研究センター」のセンター長に就任した医学研究の第一人者だ。
(羽鳥慎一キャスター)
「試算や提言について、どうお感じになりますか?」
(本庶佑・京都大学特別教授)
「私は数字自身にはあまり意味がないと思う。
だいたいこういう推計というのは経済の予測でも当たった試しがない。
ですから正確な数字というのはやってみないとわからない。
いま明らかに持ちこたえている状況だというのは正しくてこれが(続くのが)1か月なのか3か月なのかはまだ全然分かりません」
 そう前置きした上で次のように続けた。
(本庶・京大特別教授)
「ただ重要なことはこれ普通の風邪ならばみんなこんなに慌てない。
インフルエンザなら0.1%ほどの死亡率ですが、
これ(新型コロナ)は世界中で5%くらいの死亡率。
社会的なパニックを抑えるためにいま求められているのは重症者を死なせない。
治療ここに大きな力を入れないといけない
感染対策には限界がありまして
いくら一生懸命やっても絶対ゼロにはなりません。
これは長く、繰り返し、出てきます。
ですから、いかに早く治療体制を強化するか、これにかかっている」
 前日のクラスター対策班・西浦北大教授の記者会見の言葉でも、専門家の危機感をなかなか共有しようとしない、政治家やメディア、国民などへの焦燥感が垣間見えた。
 そうした中でテレビ各局の報道番組や情報番組では様々な有名人や権威ある人を登場させて、危機が本格的に迫っている実感を視聴者にも伝えようとしている。日本テレビ「news zero」で同じくノーベル賞受賞者の山中伸弥・京都大学教授をたびたび登場させているのもそうした意識の表れだろう。
 テレ朝「モーニングショー」では本庶佑氏を登場させた。
番組では本庶氏からもらった新型コロナ対策のための緊急提言を紹介した。

本庶氏の緊急提言(1)感染者を検出するPCRを毎日1万人以上に急速に増やす

 PCR検査はきのうまでの1週間で一日平均で4677人。
 一日の最大可能件数が約1万3000件と言われているが、その3分の1程度に止まっている。
 人口1000人あたりの検査数を各国と比べると
ドイツ16イタリア15.3韓国9.8アメリカ7.6に比べ、日本1と極端に少ないと番組では示す。
(本庶佑氏)
「PCRというのは検査(の行為)そのものと検体を採る、そして検体を実際に検査をしているラボに運ぶ、というステップがある。
決定的にサンプリングをするところと検体を届けるところ、ここにリミテーション(限界)があって、
反応自身は私たちの研究室でもやろうと思えばいくらでもできるし、動員すれば問題なく可能だ。
だが、体制としてもう少しきちんとしないと、保健所を使ってという(今のやり方)ではこれ以上は増えない。
抜本的に体制を強化する必要がある」
(羽鳥キャスター)
「もう検査数を抑えている状況ではないと?」
(本庶氏)
「ええ。まったくそうです」
 これまで番組内でPCR検査をもっと抜本的に増やすべきだというコメントを続けてきたのがコメンテーターのテレ朝社員・玉川徹だ。
自宅からリモート出演していた玉川が本庶氏に質問した。
(玉川徹)
「本庶先生にぜひお伺いしたいのですが、
本庶先生が今回あえて『提言』という形で
PCR検査をもっと増やさなければいけない、
毎日1万人以上にしなければいけない理由として
先生はどういうふうに考えて、このように提言されたのですか?
(本庶佑氏)
「感染予防というのは、
ウイルスを撒き散らす側がどこにいるか。それを捕らえないと防御対策ができないわけです。
私はまず、忍者との戦いだけど、忍者がどこにいるか分からないのに防備を固めることはできないわけです。
まずそれをきちんと捕らえる
全体の忍者の数が減ってくれば、ターゲットが見えてくる。
全包囲の戦いはできない。
やはり決まったターゲットに絞るために感染を減らし、そして実態をきちんとマッピングする。
この2つが当面は必要なことだと思います」
(玉川徹)
「ということは先生、実態が見えていないと?
この検査数(日本での一日平均 4677人)では実態を見るには足りないということですか?」
(本庶佑氏)
「簡単に言うとそういうことです。
たぶん私は(実際には、いま分かっている数の)10倍くらいの感染者がいると思います」
(玉川徹)
「なるほど。先生はその10倍くらいの感染者はPCRの数を増やして、感染者だけは全員とっ捕まえないといけないとそう考えていらっしゃるということですか?」
(本庶佑氏)
「いや。8割の人は何も症状が出ないわけですから。
ただその人は逆にやっかいで症状が出なくて、それを撒き散らしているわけですから
そこをきっちりと行政なり医療側が認識していないと大きな間違いを起こしますからね。
やはり戦争というのは敵を知らないと準備できない。
そういうことを申し上げているわけです」
(玉川徹)
「いまでも『PCR検査を増やすと医療崩壊が起きる』と言って
PCR検査を増やすことに反対だと主張している人もいる。
そういう主張は先生はどう思われますか?」
(本庶佑氏)
「それにはすでに対策は打たれていて、感染しても症状が非常に軽い、あるいは、無症状の人は別のところに、正式な病院ではなくても、医師が一応コントロールしている施設、ホテルとか、リゾートとか、場合によっては自宅でも、きちんと管理すればまったく問題ない。
これは各国ですでにやられていることですから。
最初はそこが明確でなかったので厚労省も少しビビっておられましたけれども
それはもうきちっと(感染の)レベルによって扱いを分けるということにすれば医療崩壊はPCRの増加によって起こることはないと思います」
 玉川徹が何度もこの番組で言い続けてきた主張(=まずPCR検査の数をずっと増やすべきだ)に本庶佑氏が全面的に賛同した言葉だった。  
PCR検査を増やすことによって医療崩壊は起きる。だからいまは検査を増やす必要がないという主張は間違っていると。
 番組ではPCR検査を増やしていこうと東京都医師会が2週間後をめどに都内に数カ所設置すると発表したPCRセンターの構想について、本庶氏の見解を尋ねた。
(本庶佑氏)
「大変、すばらしいアイデアでありますし、ご承知のように韓国では(PCR検査のための)ドライブスルーが実施されている。
一番のリスクは採取する医療関係者が感染するリスクが高いですから、その負担をなるべく減らして、(医療従事者が感染すれば)そこから医療崩壊につながる危険性がありますから、(医療関係者のリスクを減らして)数を増やすという体制を早急に増やしてほしいと思います」
 番組ではボードに本庶氏の主張をまとめて羽鳥キャスターが解説した。
 (羽鳥キャスター)
「本庶先生によりますと、パンデミック=世界的流行は困難な戦争であると、
そして今や国の内外が戦場になっているといことなんですね。
この戦争に勝つためには敵がどこにどのくらいいるのかを知ること。
つまり先ほどのお話にありましたPCR検査を急増させることが必要である。
戦争というのは非常に長い戦いになる。
長期戦になる。
だが、持久戦では勝てない
先手必勝なのだ。
本庶先生、こういうことですね?」
(本庶佑氏)
「その通りです。
つまり、ずっと、いわゆる感染防護だけの疫学的な対策では限界があります。
私はやはり長期的にじゃあ、いったいどうなったら終息するのかと、
そういうことを見据えて、その先にじゃあ、我々の経済、世界の状況はどうなるのか、その出口に向けて我々は手を打っていかなければいけない。
その第一歩がやはり治療というものをきちんとできるようにすること。
それが第一歩だと思います」

本庶氏の緊急提言(2)東京圏、大阪圏、名古屋圏にの1か月の完全外出自粛により満員電車での通勤をやめる

 番組では東京の主要な駅での人の流れが感染拡大前に比べて減少したというデータを示した。
 東京73.0%減
 新橋73.4%減
 新宿70.2%減
 品川71.2%減
六本木64.1%減
他方で、緊急事態宣言前に比べて、品川区の戸越銀座では平日4.9%増、土日5.2%増と、駅では減っていても自宅近くの商店街は増えていることを物語っていた。
 こうした事態に本庶氏の提言をまとめると、
敵は目に見えない忍者のようなもの
戦いの中心地は日本の主要都市(東京、大阪、名古屋)
戦い方 敵をこの中に包囲して動きを封じることで勝利可能である
最も注意すべき場所  「満員電車」が一番危険 
 その上で、本庶氏は自分の言葉で必要性を強調した。
(本庶佑氏)
「いま少し人の出が減っていると言われてますが、私はやはり濃密接触、密閉空間、特に寒かった頃は非常に大きな問題だと感じておりました」
(羽鳥キャスター)
「この完全外出自粛というのはどういう意味でしょうか?」
(本庶氏)
「理想的には完全外出自粛ですね。
できるだけ、ということですが、
『自粛』と『完全』というのは自己矛盾性がありますが、
しかし、できる限りやると、
日本の法律上はいわゆるロックダウン(都市封鎖)はできないとうことはよく理解していますけど、
それにしてもできるだけやると。
これはみなさん、おっしゃっていることで目新しいことではありません」
(本庶氏)
「医療機関、医療従事者というのが一番の高いリスクを負ってる。
たとえば小さな民間病院に感染者を収容して、そこで万一、院内感染などがあったら、
1か月、2か月の閉鎖を余儀なくされると、
病院は経営破綻するんです。
これは病院側が(新型コロナ感染者などの)受け入れに非常に慎重になっているというのは十分に理解ができる。
医療機関というのは保育園ほとんどが大企業ではないんですね。
そういうことも考えて慎重に我々は対応しなくてはいけないと思うんですよ」
 さらに羽鳥キャスターは本庶氏の提言をボードで次のようにまとめる。
 経済の影響を考えた場合、
 一つ目の選択肢は、マイナス30%の経済を3か月以上続ける→それでも結果としてコロナが蔓延して死者が多数出る。
 二つ目の選択肢は、マイナス90%の経済を1か月だけ続ける→コロナは制圧される。
 「きびしい規制で早期終息が最良の策」だと本庶氏は提言する。
週末に限らず平日も1か月程度外出しないことが大事だというのが本庶氏の提言内容だ。
(本庶佑氏)
「結局、長期にわたりますと、さきほど病院の例を申し上げたように、
いろいろな産業が不可逆的なダメージを受ける可能性があります。
政府の支援金等々でも、もうつぶれてしまったら、役に立たないという状況になります。
ですから、これはやはり、できるだけ早く、ある程度のメドをつけて、
そして次への展望をみなさんが感じると。
そういう状況にすることが大切だと思います」

本庶氏の緊急提言(3)治療法として外国で有効性が示されているものを実地導入する(アビガン、アクテムラなど)。野戦病院での戦いであることを自覚するべきだ

さらに国は緊急研究費を投入し全国の研究者が一丸となって病態解明と治療薬開発の研究を至急開始すべきだとする。
(本庶佑氏)
「まず亡くなる方の数をできるだけ減らす。
重症期に有効性があると言われているのがアクテムラなんです。
これは免疫の非常に変な性質がこのウイルス感染ではあるので
その死亡を減らせるという報告がちらほらあります。
ですから、これはもちろん保険適用ではないんですけど、
どんどん日本の病院では入れていくと。
現状をなんとか改善する。
それからもう一つはこのコロナはいったん終息してもまた出てきます。
少し手を変え、品を変えて、敵もさるものですから。
我々は常に研究というものをやっていかないと次のときにまた同じことを繰り返すことになる。
それを繰り返さないためには
国はいま何が起きているのはまったく分からないなかで
手探りで治療薬をやったりしているんですが、
私から一つ言うと、ワクチンというのは非常に困難です。
というのは、この手のウイルスというのは、
エイズウイルスとかインフルエンザとかワクチンはほとんど効いてないんですね。
ワクチンというのを打っていますけど、あまり効いたという感触はない。
ですから、これは難しいし時間がかかります。
しかし、根本原因。なぜこのコロナウイルスはこんなに死亡率を上げてしまうのか。
これはやっぱり解明していく。
そういう基礎研究から病態まで一貫した研究に国が少し大きなお金を投じて
次に来る再来に備えていかなければならない」
 医学に限らず、日本ではすぐに成果につながりにくい基礎的な研究が軽視されがちで、そうした研究に対する国の予算や助成金が少ないとされている。

基礎的な研究にもっと予算を投入すべき

 本庶氏などのノーベル賞の受賞者が生まれたニュースのたび、それぞれの受賞者たちが口にしてきた日本の課題だ。
日本中の人たちが経済活動もままならず、国家として危機的な状況にあるいまこそ、本庶氏が「基礎研究」の大切さを口にしたのは、長い研究経験に裏打ちされた見識というものだろう。
 本庶氏はそうしたことも含めて、日本における医学研究や遅々として進まない新型コロナ対策に医学研究者として業を煮やし、その末のテレビ出演をしたのかもしれない。
 結果として、前日に記者会見した厚労省クラスター対策班の西浦博・北大教授や「モーニングショー」で危機を訴え続けている羽鳥慎一、玉川徹らや岡田晴恵・白鴎大学らが抱いている危機意識を共有する形で緊急提言を行った。
 こうした第一線の研究者たちまで黙っていられないとして、テレビなどに登場して提言する現在の日本。
 それだけ事態が深刻なのだという認識を私たちは持つべきだろう。

”見えない忍者”との戦争では先手必勝

肝に銘じておきたい。

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 新型コロナウイルス感染症の拡大で、政府は緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大した。外出自粛や休業などがいつまで続くか、という国民の不安は大きい。そういう中で、専門家は感染確認から1年程度では収束しないだろうと警鐘を鳴らす。2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの行方にも影を落としそうだ。
 ◇外出自粛の効果、限定的
 「ここまで感染が拡大すると、今から1年では国内だけでも収束するのは難しい。一時的に感染者数が減少して収束し始めたかと思える時期も来るだろうが、それは『感染の波』ともいうべきもので、再び感染者の増加が来るだろう」

 昭和大学(東京都品川区)の二木芳人客員教授(感染症)は、こう現状を厳しく分析する。感染経路の追えない患者が増え、医療機関の受け入れ能力が逼迫しているなど、まさに「医療崩壊の危機」と呼び得る状態だ、と言う。

 政府の緊急事態宣言などによる外出自粛の効果も、専門家から見れば効果は限定的なようだ。二木客員教授は「繁華街が注目されているが、平日の商店街やオフィス街は多くの人が出歩いている。外出自粛の効果を出すには、より強いメッセージを発信しないといけない」と言う。
 ◇「社会的免疫」獲得まで収束ない
 今後の見通しも厳しい。「ここまでくれば、国民の6割から9割が感染して抗体を有する『社会的免疫』が成立するまで、あと2~3年は感染の完全収束はないだろう。海外で実施されているロックアウトのような厳しい措置も免疫成立までの患者数の増加スピードを抑えて、医療組織を破綻させないための対策でしかない」と解説する。

 その上で二木客員教授が求めているのが、医療体制の機能維持だ。

 ウイルス感染が疑わしい患者を受け入れる「専門外来」を開設し、そこで十分な感染防御対策を整えて患者と疑われる人を集中して検査し、より分ける。「軽症や症状の無い患者は医療機関以外の施設に回し、重症者を専門医療機関が引き受ける。一部の自治体で始まったばかりで、体制整備の遅れは大きい」とした上で、「軽症者を一部自宅待機で対応しているケースがあるが、大変危険で早急な受け入れ施設の整備が求められる」と言う。
 
 ◇異なる流行のパターン
 世界保健機関(WHO)の重症インフルエンザガイドライン委員でもある神奈川県警友会けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師もやはり、「今から1年でこの感染症が姿を消すことは、感染力や患者数から考えてもないだろう」と、厳しい見方を示す。

 同時に、流行のパターンは新型コロナウイルスの性格によっても変わってくることが予想される。「日本のような温帯地域では、新型ウイルスがインフルエンザと似た性格なのかどうかで今後の流行のパターンは異なってくる」と言う。

 「インフルエンザのように気温が上がると活動が低下するウイルスであれば、今年の4月下旬ごろから少しずつ感染拡大のペースが落ちて8月までには拡大の勢いが目立って落ち着く。ただ夏が過ぎて10~11月には再び感染が増大し、21年の4~6月まで再び流行が続くだろう。このように2シーズンが過ぎると、ある程度流行は落ち着いてくるし、重症者の比率も減るだろう」。菅谷医師はこう予測する。
 ◇「パンデミック宣言」解消、22年か
 現在の東南アジアの流行状況を考えれば、暖かくなっても流行が続く可能性も否定できない。この場合は、「めりはり」のない形で数年続いていく可能性が高くなる。「患者数には増減があるだろうが、社会的に一定の規制を必要とする状況が続く可能性が出る」と菅谷医師は危惧する。

 新型コロナウイルスの感染で東京五輪は21年夏に延期された。ただ、季節が逆になる南半球諸国では、日本のある北半球と互い違いの形で流行が盛んになる可能性がある。

 この点について菅谷医師は「WHOによるパンデミック宣言の取り下げは、22年の春頃の南半球の流行状況を見て、同年の7~8月になるのではないか」とみる。その場合でも、公衆衛生組織の弱体なサハラ以南のアフリカや中南米、中央アジア諸国では数年間は潜伏する形での流行が続く可能性が高いため「入国時の検疫などを厳しくしていく必要があるだろう」と指摘している。
 
 ◇行動変えるのは自主性
 緊急事態宣言前後から、「行動変容」という言葉が注目されだした。慈恵医大晴海トリトンクリニック(東京都中央区)所長で行動変容外来診療を積極的に行っている横山啓太郎教授は「ヒトという動物は、周囲の物事を認知して行動を選択する。『行動変容』は心理学に基づく言葉で、経験によって生じる比較的永続的な行動の変化だ」と解説する。

 確かに緊急事態宣言後、東京では銀座や新宿、渋谷など繁華街の人出は大きく減った。しかし毎日の買い物客を相手にするスーパーなどがある商店街の人出はあまり変わっていないようだ。

 感染拡大対策として人同士の距離を一定程度取ること(ソーシャルディスタンス)が求められている。これを浸透させるには、「日本では法で規制して徹底的に監視するのではなく、国民の意識を高めて自発的に外出を制限するように促すことが重要だ」と横山教授は強調する。長期化した場合に行動を維持するには自主性が欠かせなくなるからだ。
 ◇中高年層は発想転換へ
 個人としてもするべきことは多い。自宅外での「密閉、密接、密集の3密」を避けるのはもちろん、帰宅時の手洗いだけでなく、何かの拍子で手に付着したウイルスを取り込まないよう、口元に手を運ばないよう意識することが重要になる。企業などの組織も「最大限の想像力で密閉、密接、密集となる状況を避ける努力をし、時差出勤やテレワークの設立に努めるべきだ」と横山教授は求めている。

 このような対策は、これまで個人が培ってきた人間関係や適切な社会的対人距離を壊してしまうかもしれない。この「破壊」は大きなストレスを生み出してしまうため、横山教授はITを使った仮想現実空間などを使い、代替機能を構築していくのも必要だとする。テレビ会議システムを使った「オンライン飲み会」などだ。横山教授は「このようなアイデアは30代くらいまでの若い人に任せてお膳立てしてもらった方がよい。尻込みするような50~60代も参加してみると、意外に楽しめるのでよい」と、中高年層を励ましている。(喜多宗太郎・鈴木豊)

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