2024年7月9日火曜日

退職時の感慨 by春秋

 日経新聞の春秋に、退職者の感慨が掲載されていた。
どうも、新聞社はまだおっとりとした社会組織であるらしい。
僕の場合の退職は、部の飲み会のついでに僕の退職を報告されるって、情けない状態だった。でもまぁ、それに先立つ退職勧告さえまともな状態でなく、ぼくとしては、新しい職場への適応に必死なおもいであったから、そんなことはどうでもよかった。
僕の古巣への憎悪は、ここに端を発して、それは突然、僕の周囲の人間関係への意識改革にまで発展してしまった。
それき比べて、春秋の筆者は、なんとも世間知らずで時代遅れの記事を掲載しているものだ。しかも、僕の退職から30年近く経っているのにこの有様で、まるで、昭和中期の職場ってとこだろう。
日経は、記事の割に、儲けすぎているのだろう。しかもなぜ儲けるのかと言えば、生き残りをかけた人々が読んでいるからなのだ。

春秋(7月9日)

 [会員限定記事]

一度も会ったことも言葉を交わしたこともない。けれど毎日、遠くから届くさりげない日々の便りに、励まされたり慰められたりしている心の友がいる。SNSをフォローして、かれこれ1年になるXさんだ。アラ還男性、関西のメーカー勤務、間もなく定年を迎える。

▼「今年初めて半袖シャツを着た朝に、人生最後かもしれないボーナスが振り込まれた」。日常のスケッチに、人生の節目を迎えつつある人の感慨がさらりとにじみ出て、似た境遇にある我が身にしみじみと響く。在宅勤務多めという点も同じ。「私にとって電車は非日常の乗り物になりました」。うんうん、わかるわかる。

▼何に共感しているのかと振り返ってみれば、積もる不安やさびしさなのだと思う。長年過ごした自分の居場所を、間もなく失うことへの。引き続き働いていれば、仕事そのものは変わらない。仲間たちもいる。それでも定年を境にして、その先は静かに存在を消されていくようなフェードアウトを前提とされているような。

▼Xさんは泣き言を言わない。前を向く。1日の終わりには良かったことを10個あげる。「今日はお休み」「近くの喫茶妻とランチ」「花金ビールはラッキードッグ」――。華々しくライトを浴びなくても、気持ちさえ軽ければいつでも人は満ち足りる。今日もそんな友の様子を確かめて、小さく自分にガッツポーズをする。


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