2024年7月24日水曜日

日経新聞の信頼性を試す記事だ 「見えたか歴史的円高の底}

 果たして日経記事の信頼性はどうだろうか?

見えたか歴史的円安の底

金利差見越し売り縮小 「円弱」時代は不変か

市場参加者の間で、歴史的な円安の底入れを意識する声がじわり増えてきた。背景にあるのは、いっこうに進まなかった日米金利差の縮小局面がようやく訪れるという見立て。ただ構造的な円安要因が解消されたわけではなく、「円弱」の時代は長引くとの見方は変わっていない。

「対ドルでの円安進行は、一段落した感がある」。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは年末にかけて1ドル=150円の節目超えをうかがう展開になると予想する。根拠になっているのは、海外のヘッジファンドによる投資行動の変節だ。「当面、日米金利差の縮小をテーマとして投機的な円の買い戻しが相場の方向感を主導する可能性が高い」

みずほ銀行が米商品先物取引委員会(CFTC)のデータから算出したヘッジファンドなどの投機筋によるドルの主要8通貨に対する買越額は、7月に入って縮小が加速。6月後半と比べて半分以下に減っている。

ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジストも、ヘッジファンドの変節に注目している。過去の経験則では、ヘッジファンドの円買い戻しは最大で円を10%程度押し上げることが多く、その場合は145円程度が視野に入る。だが貿易・サービス収支の赤字基調といった構造的な円安要因が根強い現状では、やはり150円の節目をうかがう程度の円高にとどまるとみる。

2022年秋に150円の節目を下回る歴史的な円安が加速して以降、何度も浮上した米利下げ開始に伴う円反転予想。だが米国のインフレ圧力はしつこく、多くの市場参加者は何度も円高への反転予想を覆されてきた。

24年に入り、日銀がマイナス金利政策をようやく解除。米連邦準備理事会(FRB)も秋にかけて「次の政策変更は利下げ」という姿勢を強くにじませる。米大統領選という不透明要因は残るが、今後は日米金利差が縮小に向かうというのが市場のコンセンサスになりつつある。

こうした市場の空気を察知したのか、円相場に少なからぬ影響力を持つ個人の外国為替証拠金(FX)取引にも変化の兆しが表れ始めた。以前は160円を超えると、円売り注文が膨らむケースが多かったが、外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「最近は2~3円ほど円高水準に注文帯が移り、155円程度の水準で円売り注文を入れようと待ち構える姿勢が目立つ」という。

ヘッジファンドも個人のFX取引も、想定水準の目線が160円から150円の方向に移りつつあるわけだ。もっとも市場参加者に共通するのは、日米金利差の縮小観測に伴う円高方向への相場変動が起きても、本格的な円高局面に転じるわけではないというスタンスだ。

たとえ歴史的な円安局面を脱したとしても、150円程度の水準は過去の円相場動向からみれば、大幅な円安であることに変わりはない。貿易・サービス収支の赤字基調や、年初以降の新NISA(少額投資非課税制度)に伴う個人の外貨資産投資など、日米金利差の縮小では賄いきれない円売り要因も残る。

歴史的な円安の底入れといっても、かつてのような円高局面が再来する可能性は限りなく小さいと言わざるを得ない。


0 件のコメント:

コメントを投稿