女房は、大腸原発の肺癌だ。正確に言うと、治療しても一年もすると腫瘍が出てくる。もう少し早くできる場合もある。癌の治療について、種々の最新治療法が提案されているが、通常の病院で我々に提示されるのは、化学療法と外科手術の選択だ。放射線治療も選択肢として提示されるべきだが、何故か、一般の病院では提示されない。恐らく、登院した患者の主治医が、外科医を充てられることが多いせいだろうと思う。
女房の場合も同様で、大腸での癌が見つけられた時に、外科医が主治医として設定されて、その後の治療は全て、その外科医が担当した。その結果として、肺に転移してからは、最初は化学療法、続いて、外科手術となった。なお、主治医は、消化器外科なので、肺がん手術は、主治医は変わらず消化器外科の先生で、別の呼吸器外科の先生が行った。
化学療法では女房の衰弱はかなり酷かったし、外科手術では肋間神経痛による激痛に4か月間も悩まされた。
その頃、日経新聞の夕刊の小記事で、「放射線治療は老人に優しい治療法」と掲載されていて、なるほどと気づき、セカンドオピニオンとして、東京医療センターを訪れ、放射線治療を採用した。その結果を下記に記した。
要するに、先行き寿命の短い老人で、しかも非進行性のがんの人にはには、放射線治療が望ましいってことです。
下記は、放射線治療を選んだことで主治医に追い出され、八千代市医療センターに転院後、主治医の内科医師に、放射線治療を希望する旨の趣意書を提出した時のものだ。
1 治療経過
2020年
R2.10.28 大便に血液付着で八千代市医院にて大腸内視鏡検査
R2.10.30 徳洲会病院にて診察・手術を予定
R2.11.26 大腸S字結腸部切除ダビンチ手術
2021年
R3.03.09 腹部エコー検査で大腸に異常なし
R3.05.15 CT 頭部・胸部・腹部
R3.05.25 診察にて肺に点があり様子をみる。
R3.08.24 肺に転移を確認、診察後、肝臓転移を調べるために胸部CT
MSI 検査 (陰性のため、オブジーボ使えず)
R3.08.31 化学療法説明
R3.09.07 化学療法開始 ①
R3.9.18 頭部MRI (認知症検査)
R3.09.28 化学療法 ➁
R3.10.19 化学療法 ③ 副作用を抑えるためアバスチン量を減量
R3.11.05 胸部CT 腫瘍が僅かに縮小
R3.11.09 化学療法 ④
R3.11.30 化学療法 ⑤
R3.12.21 化学療法 ⑥
2022年
R4.01.06 胸部・腹部 CT 見えない程度に縮小 他臓器への転移も無し。
(化学療法開始後約4か月)
R4.01.11 化学療法 ⑦
R4.02.01
化学療法 ⑧
R4.02.22 化学療法 ⑨ アバスチン点滴無し(血栓を心配したため)
R4.02.15 化学療法 ⑩
R4.03.11 胸部・腹部 PETCT 見えない程度に縮小 他臓器への転移も無し
R4.04.05 化学療法 ⑪
R4.04.26 化学療法 ⑫
R4.05.13 胸部CT 変わらず
1月6日のCTで、がんが見えなくなってから約4か月
R4.05.17 化学療法 ⑬ アバスチン点滴はなく、ゼローダ2週間分
R4.06.07 化学療法終了
R4.07.15 CT 細胞異常増殖は見られな
R4.09.16 下腹部を含め造影CT 細胞異常増殖は見られない
R4.11.19 PCR検査、単純CT検査
R4.11.21 大腸内視鏡検査異常なし
2023年
R5.02.07 単純CT
R5.05.19 造影CT小結節2か所 要注意
R5.08.18 胸部単純CT 前回のは消えて、4か所小結節
R5.11.77 小結節4か所が一部おおきくなる。
2024年
R6. 01.10 CT
R6.01.24 肺胞4房切除 (呼吸器外科医)手術後錯乱
以後4か月間後遺症(肋間神経痛)に、特に夜間、苦しむ。
R6.02.02 立位正面IR
R6.04.24
CT 怪しい結節(切除部の一か所辺り 向かって右中央)
R6.07.19 単純CT 怪しい結節が若干大に。 傍に一点
呼吸器外科医への診断・手術依頼するも、更に腫瘍増加の恐れありと
断られる。先生より、心臓の陰になるので放射線治療も困難との説明。
R6.07.31 PETCT全身
R6.08.22 東京医療センターセカンドオピニオン。心臓の陰になるので、線量を下げる。そのため、6ケ月後に再発のおそれあり。
R6.09.18 放射線治療4回照射
R7.01.10 CT
R7.04.11 CT 先の腫瘍の20~30mm側方(心臓とは反対側に8mm程度の腫瘍)
R7.05.29 放射線治療3回照射
R8.07.08 CTにて8mm程度の腫瘍がみつかる。
2 今後の治療への考察(但し、女房の如く家族寿命に近い高齢者の場合)
1)女房の家族寿命
父母及び兄弟姉妹8人の内、父親は50歳で兄2人は80歳前後で、癌で亡くなり、母親及び姉4人は85歳前後で全員が認知症で亡くなっている。
認知症の場合、亡くなる前の数年間以上は、認知症の重症域に入る。
以上の父母、兄弟姉妹の寿命経過からすると、、妻の健康寿命は既に最終段階に入る直前で、残された健康寿命年は数年以内である。なお、現在、妻の記憶力は1分程度と推察する。過去の記憶は急激に順次抹消されつつあり、これも考慮すると、健康寿命は上記の如く、最終段階だと予測できる。
2)治療の認知症への影響
●過去の化学療法、手術の経過からすると、認知症は、化学療法・手術入院により、急激に進行することが確認された。その非日常性が著しい影響を及ぼすらしい。
●放射線治療は、必要日数が2~3日で、施療時間・苦痛度が僅かなことから非日常性がほぼ無いため、認知症への影響は殆ど無いと判断出来る。
3)各療法の健康寿命への影響度
過去の治療からすると、各治療共に治療後1年毎に再発すると考えられる。
●化学療法は、1年の治療で、1年の健康が得られるが、衰弱は激しく、認知症は激しく進行する。また、健康期間1年の内、2~3か月は回復期に充てる必要がある。
つまり、健康寿命率は、 10カ月/24か月=0.42 +認知症急激進行
●外科手術は、術後4か月の肋間神経痛期間があり、その間、真夜中に2~3度は救急
車を呼ぶ。ほぼ病床に就き、健康状態は最悪状態が続く。
つまり、健康寿命率は、 8カ月/12か月=0.67 +認知症急激進行
●放射線治療の健康寿命率は、 12か月/12か月=1.0 +放射線副作用
放射線副作用は、何年後に生じるかは判らないが、恐らく、それはもう、家族寿命後若しくは早くても
認知症重症時に訪れるので、考慮の必要性は少ないと思われる。
以上の事から、老人で非進行性のがんには治療法として放射線治療が最も望ましいと思える。
上記