2024年8月30日金曜日

こころの傷(僕の受注設備)

僕がまだ物流OBの集まりに参加していた頃、当時は、環境施設事業部の外注さんとして、リサイクル設備の見積もりに従事していた。と言うか、僕と高桑さんって外注さんとコンビで、それも、案件が多く、それぞれが2件程度は担当して仕事をこなしていた。
その頃に、物流OB の飲み会があり、八木さんと話している時に、たまたま、僕が物流では最初に冷凍倉庫を受注した、との話をした。
すると八木さんは、「え~っと、確か日本ハムの冷凍倉庫は、荷物が棚から落下して大問題になったのじゃないか」と言った。
僕は、硬直して、「それって、どんな」と言うと、
八木さんは、「いや、あれは・・・」と口を濁した。
その時、その話の真実を突き詰めるのが怖くて、僕も八木さんの説明を詳しく追及するのをやめてしまった。で、その件は、それっきりになったが、今になって後悔している。
日ハムの東京工場に納めた冷凍倉庫は、物流機器大手のダイフクとの競合で、我々との打ち合わせは全て工場長自らが担当で施設の計画をして、工場長自らが我々の相手をしてくれた。要するに、工場長の評価で勝負が決まるわけで、凄い会社だと感心したものだ。とにかく、そんな事情で、僕は、工場長との打ち合わせをした後、事務所に帰れば直ぐに工場長の要望を計画に反映させるべく計画変更や図面変更を加えて、2~3日毎に訪問するとの攻勢で、ダイフクが一歩も二歩も遅れるような客先協力をすることで工場長の好意を得た。要するに、ダイフクが、工場長の要望を図面化して持参する時には、すでに工場長の関心は次のフエーズになっているように図ったわけだ。
実は、自動倉庫建物外被を含む工場建設物は、大成建設が担当していて、大成建設はダイフクと密接に連携していて、僕が受注した時には、大成建設の反感があからさまに感じられた案件であった。
僕の受注の一因は、自動倉庫外で冷凍物を扱う車輪付き台車をそのまま自動倉庫に保管する方法を採用したことにもある。冷凍品を車輪付き台車から、自動倉庫用コンテナに移し替えることなく、台車ごと自動倉庫に収めることができる方式だ。この方式を提案してことも受注の一因だと思う。
日本ハムは、各工場長が発注の全権を持っていて、関東工場の工場長が紹介してくれて、関西工場の自動倉庫も受注できたが、これは矢倉さんだかが受注したと思う。
ところで、車輪付き台車だが、それは、スーパーで使われている台車と同様の構造で、ただ、外枠の背が高く、多くの冷凍品が積載できる構造になっている。これを、自動倉庫用の搬出入台車横に置くと、搬入台車がフオークを車輪付き台車の下側に差し込み、持ち上げて、搬入台車内に引き入れて、これを自動倉庫内に搬入するわけだ。
スーパーの台車を見に行き、動きを良く調べたが、台車が方向転換する時には、台車の動きが、4個の車輪の内の2輪の下面を中心に、ぐるっと回るので、台車の横振れ量が車輪半径程度と大きくなる。そこで、自動倉庫棚内では、車輪を使ってはならないと判断した。また、棚に置いた後で、台車が勝手に移動しないように、棚前面に突起段差を設けて、台車の勝手な移動を防止した筈である。
ここまで考慮したのに、八木さんの漏らしたように、棚から荷物が落下したのだろうかと、今になって思う。
八木さんから、もっと良く聞いておけば良かったと思う。
ときどき思い出す,そのたびに胸が痛むのだ。




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