2024年8月14日水曜日

とてつもない技術者のその他の例

 世の中にはもっと酷い技術者が居て、とてつもない害毒を流すことがある。
笹子トンネルで、トンネルの天井に施設した鉄構物が落下して多くの若者が一瞬で亡くなった悲劇だ。
鉄構物は、空調の機器とかダクト(空気配管)を施設するものだが、それらを支える架構を天井から吊り下げていたのだ。吊り下げの方法は、天井にボルト用穴を明けて、そこに直ボルトを突っ込み、突っ込む前に接着剤を直ボルトに塗布しておくので、要するに接着剤の接着力だけで直ボルトを支え、その直ボルトに架構をねじ止めしていたのだ。接着剤の接着力は、時間とともに、接着剤の老化と共に衰えるのは当然のことで、架構が、直ボルトと共に抜け落ちるのは当然のことなのだ。
我々の設計時代には、この直ボルトをコンクリートの穴に接着剤で止める方法もあったが、あくまで一時的な用途、つまり、据付時に据付の為にのみ吊り下げる等の、仮止め装置としてのみ使ったのだ。なお、このようなボルトを確かホールインアンカ方式と称したと思う。どこかの現場で据付用吊り具として必要になり、急遽、自分で錦糸町の卸屋に買いに行った記憶がある。

さような、仮止め接着剤直ボルトを、恒久的な目的に用いるなどは、技術者としては絶対に採用してはならない方法だ。垂直に吊り下げるのでなく、壁面に差し込んで、吊り下げ力ではなくて、剪断力で持たせる方法ならまだ長期荷重には持つだろうが、それでも採用すべきではないだろう。
つまり、笹子トンネルの空調機機器の設置方法は、とてつもない技術者のせいで、大きな事故を招いた一例と言えるだろう。
ところが、笹子トンネル事故の捜査では、かような観点での捜査はなされなかったようだ。警察組織に裏からの圧力があったのだろう。恐らく建設業界であろうと思う。
このことからすると、この件は、警察組織にはかような圧力が存在するだろうとの証拠と言える。

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