2024年8月12日月曜日

世の中にはとてつもない技術者がいる。

 世間にはとてつもない技術者がいる。
IHIの技術者についての思い出はここに書いたが、世界に冠たるUFJの技術者にも経験したことを突然に思い出した。
https://isabon.blogspot.com/2021/01/blog-post.html
僕がリサイクル施設をやっていた時の経験だが、UFJは製鉄以外にもごみ処理施設もやっている。製鉄所は、コークスの代替にプラスチックを使っていて、何の理屈かは判らないが、これを、”省炭酸ガス処理”として宣伝している。
各自治体はリサイクルを目的として特に食品包装用プラスチックを収集しているが、実際にはリサイクルは困難なのだ。そこで、製鉄所が名乗りを上げて、コークスの代替にプラスチックを使い、これをリサイクルと称しているのだ。
僕からすれば、食品用プラスチック収集は、生ごみ収集と目的はほぼ同じと思うのだが、地方自治体としては、わざわざリサイクルと称して収集するから、生ごみと一緒に扱えないのだ。そこで、製鉄所に任せて、リサイクルしたとの名分を作り上げているわけだ。
製鉄所はこれを製鉄所燃料として使うだけではなく、更に、ごみ引き受け料で大儲けしているのだ。その経験で、ごみ処理は儲かると知った製鉄所は、更に間口を広げて、リサイクル機械やリサイクル施設そのものまで納入するようになったのだ。
各自治体ではリサイクル施設に相当な投資をしていて、門真市もリサイクル施設を計画していた。UFJは門真市の施設には計画当初から参入していて、計画原案はUFJのプランであった。僕は後からの参入で、UFJが計画した施設計画に沿って見積もりすることになった。
計画書を読むと、リサイクル施設はごみの受け入れに自動倉庫を採用していた。
僕の方は、リサイクル施設での自動倉庫でのごみ受け入れについては特許も取っている。その方式は、ごみ数か所あるごみ投入口の下に20立法メートルもある容器を置き、ごみ収集車が直接その容器にごみを投入して、何台かのごみ収集車が投入し、容器が満杯になると、その容器を自動倉庫内に移送収容し、自動倉庫後方のごみ分類装置側の要請に応じて自動倉庫から出庫し、容器を反転してごみを仕分けラインに供給するのだ。

この方式は、僕が受注した横須賀のリサイクル施設で採用‣稼働していた。ごみ収集車は一台で数立方メートルから十数立方メートルのごみを扱うし、ごみの搬入総量も著しく大きく、受け入れにはその巨大な容器が200個程度も必要だった。

門真の計画では、施設のごみ受け入れ量は横須賀のそれと殆ど同じであったが、なんと自動倉庫用のごみ容器量は1立方メートルしかなかった。
どう考えても、受け入れが出来る計画ではなかった。
そこで、僕としては、1立方メートルの容器では、絶対に対応できないとの資料作りが必要になってしまった。しかし、僕の説明を聞いた市の担当者は非常に困った顔をしていた。
やはり、既に施設の受注はUFJに決まっていて、僕は逸注してしまった。製鉄会社は、プラスチックごみを受け入れることと交換条件でリサイクル施設を受注できるから有利なのだ。
市としては、プラスチックごみを製鉄会社が受入れてくれないと困るわけだ。
何年かして、門真市のホームページを見ると、その自動倉庫はラインとしては稼働しておらず、分別後のびんとか缶とかを一時的に保管する用途に使われていて、本来の機能には全く使われていないようであった。あれだけ言ったのにと呆れてしまった。
それにしても、UFJたる企業の技術者のレベルには僕は呆れてしまった。


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