日経新聞の夕刊の”人間発見”で、黒木享氏の経歴を知り、彼の作品に興味を持った。彼の要約自叙伝の”人間発見”によると、黒木享自身の人生が小説ではあった。(詳細はネットで見られたい)
トップレフトは彼の銀行員、海外金融業時代の経験を元に書かれていて、そこでの登場人物の一人の人生が彼の経歴と重なっているようだ。その登場人物は、東大卒が花道を楽々と歩いて行く中で、千葉の支店務めからの厳しい下積生活からの経歴を書いている。その人物も、千葉の支店の下積から登って行くのだが、英国駐在中に海外金融機関に移り、日本国籍もすて英国籍となり大きなプロジェクトを推進して行く。同時に、日本の政治・組織の馬鹿さ加減を鋭く書いている。日経新聞への投稿では、経歴を簡略に書いていたが、小説の中では黒木享氏の考え方や経験を赤裸々に記載しているようだ。
僕の会社での経験・海外での経験でも、彼の考え方に沿った認識があるが、彼の経験は僕の経験よりは遥かに大掛かりで大胆であり、それだけに更に激しく日本組織の駄目さを示す様だ。
結局、日本を駄目にしてゆくのは、日本の指導層そのものだと理解できる。それが判り、しかも、それをどうしようもないとの諦めが、その登場人物が日本国籍を捨てた理由なのだろう。しかし、その登場人物と同様の経歴を持つ黒木享氏は日本国籍なのだが、それはどうしてかを聞きたいものだ。
2021年4月27日火曜日
黒木享のトップレフト
丸川五輪相は、駄目だな。どうしようもない阿呆だ。
オリンピックの医療体制までも東京都に押し付けては、成り立たないだろう。この事態の収拾には国の大幅な関与が必要だ。それを考えもせずに、東京都に一言いえば事が済むと考える五輪相なんて存在不要だ。東京都に苦言を言う事態ではないだろう。
オリンピックも終わり、2022年になって漸く、贈収賄や予算管理不在があきらかになってきた。情けないことだ。
五輪相、東京都に苦言
医療体制「明確な発信を」
丸川珠代五輪相は27日の閣議後の記者会見で、東京五輪・パラリンピックの医療体制の整備を巡る東京都の対応に苦言を呈した。丸川氏は「東京都が主催者としての責任、医療現場を預かるものの責任をどのように果たすのか、明確な方向性を示していただきたい」と求めた。
東京大会は新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期となり、医療体制の見直しを求められている。大会ではピーク時に1日あたり医師約300人、看護師約400人が必要とされるが、医療機関は新型コロナ対応に追われており、人材の確保が難航している。
政府は約2週間前から都に対し、どのような支援が必要かを問い合わせているが、丸川氏は「具体的なことを示していただいていない。残念だが、都が感染症の専門家に相談しているかも明確ではない」と指摘、開催都市の姿勢に懸念を示した。
丸川氏の発言を受け、小池百合子都知事は27日、報道陣に「確認します」とだけ述べた。
2021年4月26日月曜日
日経新聞の委員達も漸く気づいた様だ。
日経の委員達も漸く気づいた様です。が、余りにも遅い気づきです。
費用も少なく、成果も確実なPCR検査の強化をなぜ実施しないのか、日本は不思議な国です。感染症対策会議の尾身会長すら、事態の最初からPCR検査は不要だと言い続けていて、なぜ駄目なのかを理論的に説明しないのです。裏ではいろんな理屈を並べているようです。
厚生省は、やるやると言いながら、面従腹背です。
費用は、休業・短業保障に比べると格段に安くできるようです。
ワクチンを使ってもコロナウイルスの感染を断ち切れないのは確実です。
しかも、コロナワクチンの場合、インフルエンザワクチンと違って一般医者が簡単にできるものでもありません。
これに比べてPCR検査は2000円程度で出来るようです。
定期的にPCR検査することが打開策ではと思います。
-----------------------------------------------------------------------
感染の連鎖を断ち切る 数理モデルが導いた「広島方式」
編集委員 矢野寿彦

人から人へのウイルス感染を封じ込めるイロハとなるのはいつの時代も「検査と隔離」である。広島県が4月、誰もが何回でもPCR検査を無料で受けられる独自の新型コロナウイルス対策を始めた。関西を中心に「第4波」が到来するなか、流行の火種となるクラスター(集団感染)を「見つけて潰す」のではなく「そもそもつくらない」。日本と中国の数学者がコロナ禍の1年を振り返り考案した数理モデルに基づいている。
Nikkei Views
数理工学の手法を利用
この感染症モデルを作ったのは、東京大学の合原一幸特別教授と中国上海師範大学の応用数学者らの共同研究グループだ。社会の複雑な現象を数式に落とし込み最適解を探る数理工学の手法を、新型コロナの流行に当てはめた。導き出した結論は、感染者の増加率は「感染率」と「感染に関与する人口」そして「新規感染者の見逃し率」の3つのパラメーター(変数)に比例するというものだ。
感染率はすなわち「感染のしやすさ」。マスクや手洗いの徹底、「3密」回避によって下げることができる。そして「関与する人口」は人の流れ(人流)。不要不急の外出自粛や飲食店の休業・時短要請に左右される。
最初の緊急事態宣言から1年がたち、コロナの流行もある意味、日常化した。国民一人一人に我慢を強いる対策は「疲れ」や「慣れ」から理解が得にくくなっている。「感染率」と「関与する人口」を今まで以上に下げるのは難しい。ならば「検査と隔離を徹底し、新規感染者の見逃し率を下げることで、(1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す)実効再生産数を抑えることができる」(合原特別教授)という。
検査能力は1日6300件

広島方式は湯崎英彦知事がこの感染症モデルの存在を知り、トップダウンで始まった。県内5カ所に設置したPCRセンターで、県内の居住者と就業者であれば誰でも何回でも唾液による検査を受けられる。さらに無症状者が多い20代、30代に積極的に協力してもらえるよう、広島市内の薬局で検査キットを受け取れるようにもした。検査で陽性が判明すれば指定のホテルで健康観察と称する隔離となる。
県が確保している広島方式向けPCR検査能力は1日6300件。2月に実施したトライアル(試行)では6日間で約6500人が検査を受け、陽性率は0.06%だった。4月以降は薬局を介した分も含めて、当面1日約600人の利用を見込む。この1週間で約4900人が検査を受けた。検査コストは1人あたり2000円という。
広島県でも昨年12月から今年2月にかけて流行が広がった際には、時短要請などで約150億円の財政を出動した。「PCR検査の集中実施にかかる費用は桁違いに小さい。感染の連鎖を断ち切りクラスターを未然に防げば、社会・経済へのダメージも小さくてすむ」(県健康福祉局の担当者)。

変異株による流行の「第4波」で大阪府や兵庫県などに緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が適用された。ただ、今のところ目立った効果は出ていない。無理もない。対策は飲食店への時短要請にとどまっているからだ。
科学的根拠に基づく対策を
本来、この「急所」を攻める策を切り札とするのなら、その感染抑制効果をきちんと科学的に立証し、納得がいくよう説明すべきである。例えば、大阪市ですべての飲食店に夜8時までの時短を要請する場合、それを1週間、1カ月続けると新規感染者は何人まで抑え込むことができるかを、データを使って示す必要がある。2度にわたった緊急事態宣言もそうだが、流行が鎮まった要因をきちんと検証せず、あいまいなままにしているのが日本のコロナ対策の欠陥といえる。
感染症などの予防には「積極的対策」と「消極的対策」とがある。例えばワクチンや検査は前者の代表例で一般の人にもその効果が実感しやすい。一方、自粛のような「行動を控える」消極策は、それによってどの程度感染から免れたかどうかが、どうしてもわかりづらい。
もちろん広島方式がどこまで通用するかはわからない。流行状況が最も深刻な「ステージ4」だと太刀打ちできるものでもない。ただ、ワクチンが普及するまでの当分の間、コロナとうまく付き合うには何らかのすべがいる。今、日本社会に求められているのは、説得力あるエビデンス(科学的根拠)に基づくコロナ対策ではないか。
2021年4月15日木曜日
自動車保険について思うこと
車を持ってから40年程度か、自分には免許証がないので、家族用である。
毎年の保険更新が面倒で堪らない。車検は、これから2年ごと、と、金が殆ど目に見えない保障効果(実際に必要が有るのかも含めて)に費やされてゆく。なお、今では現役時代からは半値近くに抑えている。それでもなお、特に保障条項は、毎年、どう設定するかで悩み、何社かの見積もりで契約会社を決めている。
最近、特に、今年からは各自動車保険会社のWeb見積もりが充実してきた。これで漸く自動車保険とはいかなるものかが見えてきた。もう女房も免許書返納を考え出したこの時期に、漸くこんな状態とは情けないものだが、今後の為に記憶・記述しておく。
現役時代は数万円/年を支払っていたが、今頃は3万円前後である。
今年の検討で、気に入ったのが、セゾン自動車保険である。そのWEBでは、各項目の発生金額が明確に判るようになっている。その値段シュミレーションページがここだ。
https://www.ins-saison.co.jp/saficpws/estimation/estimate.do?cid=WGL001
自動車保険の設定で、いつも混乱するのが、次の各項目だ。今後のために整理しておく。
①同じような項目が多くて選択が混乱する。と、それらの設定すべき保障金額
②自分の車両についての保険の必要性と、設定すべき保障金額
③契約会社の事故時の対応力と、設定すべき保障金額
④ロードサービスの必要性(どこまで必要とするか)
⑤弁護士特約の要否
結局、これらは、車の使用範囲によって決まるのだろう。それはまた、年齢によっても大きく違うはずだ。
なお、①の選択すべき保障項目は、”契約車についての 「他者への殺傷補償・他者の所有物への損害補償・運転者への傷害補償」” これらの保障を””契約車への契約者が契約外の車に乗った場合の保障もするか否か”の分けて考える。
僕の場合は、特にセゾンが、総額も安い方で、しかも、各保障毎の構成金額が明確で、更に、事故時にアルソックの警備員を派遣するとの条項が決め手の一つになった。SBI自動車保険は安いのだが、事故時には担当者が全てを通信にて処理するらしい。それに、ロードサービスの内容が見えにくい。それらに理由でやめた。
なお、弁護士特約は、弁護士を要するほどの事故にはなるまいと、費用を節約した。
これらのメモが来年の契約時に参考になるだろうか。
2021年3月12日金曜日
国家も会社も一緒だろう。DX化には能力があり自分一人でもやる気のトップが必要だ。
パソコンを使えないIT化大臣と能力の無い官僚達では、年間一兆円もどぶに捨て続けることになる。医療とか教育のDX化なんて出来ないことが不思議だ。
そう言えば、市の図書館I行くと、コロナの関係で、入館表に記載して、時間制限のために入館番号札を渡される。図書館で本を借りるには、各人がバーコード付き図書券を持っているのだから、それを読み取り機で読めば入館表記入とか番号札手渡しなんてコロナ感染の可能性ある対人手続きなんて不要なんだが、不思議なことだ。
IT阻む「現状維持」 デジタル社会の構築「限界感じた」
日本は変われたか 大震災10年(3)

解決すべき課題があり、デジタル技術を使えば成果が見込めるのに踏み出せない。東日本大震災という未曽有の災害を経験しても、医療や教育の現場は現状に安住し、改革は進まなかった。
【前回記事】
「デジタル社会の構築に限界を感じた」。震災後に宮城県石巻市に診療所を開いた医師、武藤真祐氏は今、落胆の思いを抑えられない。
2011年9月、IT(情報技術)で被災地の高齢者を効率的に支えようと、訪問診療で使えるクラウド型の医療・介護情報共有システムを立ち上げた。14年には自治体や医師会、介護事業所などが地域で運用する体制もでき、患者の体調や必要な処置などを共有してケアの質を高める動きが広がった。
ところが地元医師会がコスト負担などを理由に手を引くと、事業は立ち消えになってしまった。
日本の医療界はデジタル化の流れに尻込みし、逆らってきた。
オンライン診療が広がれば、地域の開業医らは患者を遠隔地の大病院や著名医師に奪われる恐れがある。「対面」がリスクとなった新型コロナウイルスの感染拡大で、時限措置としてオンライン診療が初診にも解禁されたものの、恒久化に消極的な姿勢は変わらない。
地方では高齢の医師が高齢の患者を診る「老老医療」の状況が広がり、医師不足の進行が懸念されている。にもかかわらず、デジタル技術を活用して地域医療の新しい姿をつくろうとする機運は高まらない。
漫然と現状に甘んじていたのは教育界も変わらない。
09年の国際調査で、日本は学校内でパソコンを使える生徒の割合が先進国で最低水準だった。直近の18年調査でも状況は変わらず、授業でデジタル機器を使わない生徒は8割を占めていた。
チョークと黒板で授業を続けてきたベテランの教員にとって、新たなスキルを身につけてタブレットと電子教材に切り替えるモチベーションは乏しい。文部科学省の取り組みもスピード感を欠き、パソコンやタブレットの配備は遅々として進まなかった。
政府が19年末に立てた計画でも、全小中学生に端末を配備する目標は24年3月末とされていた。コロナ禍を受けて慌てて21年3月末に繰り上げたが、20年春の長期休校中にネットで同時双方向型の授業をした公立校は15%にとどまった。
この間に被災地では着実に改革を続けていたところもあった。

もともと電子黒板の配備などに取り組んでいた福島県新地町は、震災の際に学びの継続が脅かされた経験からデジタル化を加速した。町立小学校では18年度までに全児童分の端末をそろえ、20年春は双方向型のオンライン授業を進めた。
東北大の青木栄一准教授(教育行政学)は「震災の影響は局地的で、日本全体が自分事と受け止め、根本的に教育制度を変える動きにつなげられなかった」とみる。
コロナ禍は日本全体のデジタル化の遅れを白日の下にさらした。政府による1人一律10万円の給付では、マイナンバーカードを活用したオンライン申請が機能しなかった。コロナ感染者の情報入力ではファクスによるやりとりが続き、データ集計の遅れを招いた。
政府が世界最先端のIT国家を目指したのが01年。同じ時期に取り組みを始めたデンマークは国連の電子政府ランキングでトップを走る。日本は14位に沈んでいる。
日本総合研究所の野村敦子主任研究員は「日本は20年間、毎年1兆円規模のIT投資をしたが成果を出せなかった」と話す。
世界が息をのむ大災害に見舞われ、多くの教訓を得たはずの国が、コロナという新たな危機への対応で世界に後れを取っている。マイナスからのスタートをためらっている時間はない。
2021年3月5日金曜日
DX推進の間違った方法の経験例
僕の居た技術部門は、プロジェクトの実施からその工程、費用管理も行う総括的な部門であった。それなれば、詳細設計から見積り・工程管理・利益管理までに習熟している筈だから、DX化は推進しやすだろうと思われる。ところが、人は奇妙な行動を取り始めるのだ。僕とは別グループのプロマネが、我々が関与していたコンベヤ設備群について、構成各部分品の標準化は終えているので、見積り・積算のプログラムをつくるべく、そのDX化の責任者となり、その実務の担当者としては、コンピュータに慣れた課員を据えて、積算プログラムの構築を始めた。
僕であれば、既に、設備群を構成する各コンベヤの設備仕様を入力すれば、自動的に設備仕様を計算し、各構成部分に相当する、装置単価や比例単価(例えば鉄工品の重量単価)等を決めて置けば、それを使って重量・価格が積算ができて、これを元に、輸送費、据付費を積算できる筈だと考えるのが普通で、当時の実情とすれば、人力によってその手順で積算していた。ところが、そのDX責任者は、機長とコンベヤ仕様レベル、を入力するだけで、全てを算出する夢のようなプログラムを作るようにと担当者に指示した。その手順は、彼が担当した何件かのプロジェクトを参考に、総機長とコンベヤ設備レベルと、各プロジェクトの総重量・総価格をグラフで作り、各プロジェクトの係数を決めて、極端に言えば、総重量または総金額=f(設備係数、長さ)なる式を作ることで、DX化を実現しようとしたのだ。
当時、新居浜の設計課でもDX化・コストダウン化で、設備重量は能力の対数比で比例するとの考え方が海外から流入して、これを使った重量・コストダウンが実施されていたので、それを応用してのDX化であったようだ。
僕の考えでは、設計手順や積算基準が確立しているなら、そのDX化は、それらの手順や基準を使って機器仕様や重量を算出するプログラムを作り、これを元に、積算・設計図作成・製作管理・工程管理・据付費積算・工程管理などのプログラムを作ればDX化は完成すると、それは誰でも考えることだと思うのだが、従来の各工程基準を完全に無視してのDX化がそもそも出来るのか、と僕は不思議に思った。
結局、新居浜のその考え方で作ったヤード機械は、運転中に座屈して潰れてしまい、僕の課のDX化プログラムは、実際に使う前に、どうにもこうにも使えないシステムとなってしまった。それにしても不思議なのは、新居浜のその潰れたヤード機械は、最終的に強度計算もせずに設計されたことになるのが、そんなことが許されたのだろうか。
他方、僕は、東京に移動前に、土曜・日曜無給出勤を続けて、見積り・設計・積算プログラムを作り上げて、東京に移動後は、これを使って見積りしていたが、その当時の東京部門の部長が独自に、コンベヤ設備群の積算プログラムを作り始めた。が、やはり実務を無視した積算プログラムで、設備仕様を元にした設備係数を使ってのプログラムを、それも設計経験の無い事務屋さんを担当者として作り始めて、結局は誰も使うことの無いDX化となってしまった。その部長は、僕のプログラムの存在を知っているのに、なぜ、僕のプログラムを参考にしないのかと不思議でならなかった。
今から考えると、彼等は、"DX化とは、既存の設計基準や積算基準には拘らないもの"との先入観や思想に犯されていたのだろう、それ故に、技術や手順に手馴れた僕の遣り方は採用できない思ったのだろうと想像される。更に彼等は、管理職は自分で仕事はしないで部下に指示すべきだとの社内教育に従ったことで、ほぼ実務を知ることなく管理職となったことがこの結果を招いた一因とも考えられる。
僕のプログラムでも強度計算に関係ないもの、例えば、歩道重量や階段重量は、過去の実績例や計算手順を元に、推定値を出す式を作ったり、若しくは、架台等は見積り時に詳細設計は無理だから推定値を算出する類推式を導入したが、基本となるコンベヤ自体の動力計算や張力計算や、そこから導き出される構成主要要素については推定値ではなく確定値を採用した。つまり、ほぼ見積り仕様は、そのまま、実行予算、更には実施設計に使えるレベルとした。そうなれば、見積り数値はそのまま実施設計に使えることになる。
AI方式となっても、これらの手順は変わらないだろう。いくら、変数を増やしても、きちんと計算できるものはAIであろうと、それを踏襲するはずだ。
推定値の効果について僕はこれを否定はしない。例えば、僕の教わった石谷清幹先生のボイラー要論では、その導入部で、日本の所要動力の変化から未来予測を行っているが、そこで1990年ごろに何らかの経済的破綻が日本を襲うと予測しているが、それは40年後に現実となった。それだけではなくて、変数が余りに多いものについてもデータが大量に得られれば、推定方式を使うことがAIでは採用されている。しかし、それらは、きちんと計算できることに応用されるべきものではないだろうと思う。
2021年3月4日木曜日
会社や社会にDXを推進するのは、なかなか難しい。
DXとは要するに、電子化、コンピュータ化を、会社業務の上流から下流までの業務に全て適用することを意味する。つまり、これを社内や社会に適用することをDX化と言うわけだ。
言うのは簡単だが、実行するのは難しい。
僕の所属した、運搬機事業部では、ほぼ失敗したまま事業部は無くなってしまった。その後を継ぐ、搬送システム部門も未だに成功していないだろう。
その失敗は、それを担当する人員が、実務を殆ど知らない人間が、突然に、DXを実施しろと命令されるのが殆どだからである。そんな異常な事態が起こるのかと思われがちだが、実際の社会では、従来の手順に拘らない人間が改革を担当する方が改革を行い易いとの論理らしい。実務と言うのは、そんなに生易しいものではない、との認識を、実務を知らない上級職達は考えないのだ。上級職者は命令すれば事は進むと考えているのだが、実務としては、その命令されたことを、実務に堪能な社員が、組織に合わせて運用しているわけで、実際には何ら簡単なことでは無いわけだ。その複雑な手続きを、実務を知らない人間がDX化することは、ほぼ不可能で、出来た電子化システムは、ほぼ使われないままに、DX化が出来たとされるわけだ。それに比べて、自動倉庫部門は、見積り用技術計算システムと、製造標準化システムが、連携はされないが、それぞれがかなりのレベルまで出来ていた。おかげで運搬機事業部から追い出された僕が、自動倉庫部の、それも、最先端のSEとして客先との交渉や見積もりに従事したが、かなり容易にその仕事に適用出来て、かなりの受注を果たせた。
DX化することは、新しい社員を容易に古参社員レベルに教育できるとのメリットもあるのだ。
逆に言うなら、DX化とは業務に習熟した社員にとっては、極めて簡単なことなのだが、それを知らない指導者は、DX化にはほぼ失敗するわけだ。そんな失敗を、住友重機械では、僕は何度も見ている。
改革に失敗 3つのワナ

デジタル技術で事業を変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を推進する企業が増えている。ただし、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によるとDXに成功した国内企業は14%にとどまる。失敗の原因は何か。専門家への取材から課題と解決策をまとめた。
(1)トップの意識低く SOMPO、社長が変革先導
経営トップに当事者意識がない――。専門家たちは、失敗する企業の共通点について一様にこう話す。積極的にトップが関与しない限り「DXが小さい取り組みになり、大きな成果を出しにくい」(BCGの長谷川晃一マネージング・ディレクター&パートナー)。
大手鉄鋼業のある事業部門の取り組みが典型例だ。社長の指示は「とにかくDXを推進しろ」の一点張りで、目的やデジタル技術で実現する事業の姿などは示さない。聞いても「現場で考えろ」と押し戻されるだけだったという。
推進役を命ぜられたIT(情報技術)部門は、裁量の範囲内でデジタル化施策を立案。iPadを使った業務のペーパーレス化を試みた。無事にシステムは完成し一部の文書を電子化できたものの、業務の進め方は以前と変わらなかった。掛け声倒れの失敗プロジェクトと見なされている。
「事業変革を伴わない業務改善プロジェクトは、DXとは呼べない」。コンサル大手のアクセンチュア(東京・港)の山根圭輔マネジング・ディレクターは指摘する。
BCGの調査によれば、日本企業の67%はデジタル技術を「現在のビジネスモデル効率化を可能にするもの」と答えた。既存業務の効率化をDXと呼んでいるに等しい。これに対し33%が「ビジネスモデルの大幅な変更・拡張、または新規ビジネスモデルの開発を可能にするもの」と回答した。
重要なのはトップの姿勢だ。自社の事業モデルがどう変わるか方向性を明確に示す必要がある。
DXのビジョンを社内外に示している経営者の一人がSOMPOホールディングスの桜田謙悟社長だ。健康情報など「リアルデータを集め、分析することで新しいビジネスモデルを創造する」と話す。グループが運営する介護付き有料老人ホームで入居者の許諾を得て睡眠データなどを取得。体調の変化を素早く検知することに成功した。別のグループ会社でデータ解析サービスも始めた。
(2)推進役の能力不足 三菱ケミ、プロ人材招く
推進組織のスキル不足も失敗の要因となる。日経リサーチが約2千人のビジネスパーソンを対象にした調査でも、DXの課題として最も多かったのは「人材・スキルの不足(62%)」だった。
DXでは事業の進め方を抜本的に変更するため、社内の複数の部門をまたいで業務プロセスを見直す必要が生じる。だが「複数部門の状況を理解して、最適な業務のあり方を再構築できる人材は少ない」と野村総合研究所子会社、NRIデジタル(横浜市)の雨宮正和社長は話す。
デジタルトランスフォーメーション研究所(東京・千代田)の荒瀬光宏代表取締役は、IT部門にDXの推進役を任せる慣習を問題視する。「多くの企業のIT部門は、事業部門の依頼を受けてシステムを構築する受け身体質。全社の変革を先導するスキルを持ち合わせていない」と話す。
日経リサーチの調査によれば、DXについて「IT・システム部門を中心に進めている」と回答した割合は全体の36%で最も多かった。
推進部門に適切な権限が与えられていない場合も問題だ。社内外から必要な人材を集めたり、予算を確保できたりしなければ、プロジェクトを成功に導くのは難しい。
参考になるのは三菱ケミカルホールディングスの取り組みだ。2017年にDX専門組織を立ち上げると同時に、日本IBM東京基礎研究所の所長を務めた岩野和生氏を最高デジタル責任者(CDO)として迎え入れた。岩野氏の広い人脈で、データサイエンティストなどの専門人材を招き、精鋭チームを構築した。
以降、大小含めて年間100件ほどのプロジェクトを進めてきた。画像解析技術を使った生産ラインの品質チェック自動化などを実現している。
(3)現場を巻き込めず コマツ、内外でビジョン共有
トップの姿勢があいまいだと、事業部門の反発を招きかねない。社内の抵抗勢力を変革に巻き込めず、DXが頓挫するケースは多い。
中堅自動車部品メーカーでIT部門がデジタル技術を活用したサプライチェーン改革を企画した。営業や生産などの担当者を集め将来構想について議論しようとした。
ところが業務の変更に現場が猛烈に抵抗した。既存業務の仕方は長年かけてその部門に最適化されている場合が多く、現場担当者の立場では変革が非合理に感じてしまうからだ。建設的な意見が出ないどころか「今のシステムの使い勝手をよくしてほしい」と営業や生産の担当者がまくしたて、サプライチェーン改革の構想は立ち消えた。
冷めている事業部門を巻き込むには、経営トップが示したビジョンをわかりやすく社内に浸透させる必要がある。
DXの先進企業として知られるコマツが活用するのが動画だ。同社は建機の自動運転などで現場作業を抜本的に見直す「スマートコンストラクション」を推進する。デジタル化で将来の建設現場がどう変わるかをコンセプト映像にまとめた。社内外の関係者に協力を求める際などに見せてDXに対する理解を促す。
「既存事業が問題なく収益を上げられている時期は変革を実行しにくい。コロナ禍の今はDXを進める絶好のチャンスだ」とNRIデジタルの雨宮社長は指摘する。
(矢口竜太郎)