日経の予測って余り当たらないのですが、掲載されているデータや図表が面白いので参考のために残します。
ところで、yahooのドル円掲示板を見ていると、殆どの個人投資家は、ハイレバレッジ25倍で、100万通貨で勝負するのが当たり前のようです。つまり、FX業者の通常の投資単位は、10,000通貨で、ドル円だと、10,000ドルが1単位でして、個人投資家は、最低100万ドルで投資しているわけです。150円/ドルとすると、1億5千万円で勝負をしています。
なお、保証金は、1/25として、最低、600万円となりますが、例えば、ドル円ロングだと、1円下がると、損失は、100万円となります。しかし彼等は、0.1円とか0.2円とかの波で勝負しているので、短時間で勝負ができるわけです。
普通のドル円の定期預金投資家の様に投資単位が1単位つまり10,000ドル=150万円とかになると、その100倍の値差と同じ損益になるわけです。つまり、僅かな変動つまり僅かな時間内で勝負するので、ドル円の値動きをかなり短時間分を予測すればよいことになります。
ある意味、安全と言えるでしょう。
でも、僕のような常識人には恐ろしい賭けです。
そんな前置きで、日経の記事を転載します。
ところで、ドル円の動きには、米国長期金利がかなりの相関性を持っています。
今日の米国長期金利は4.45%で、10日前の最高4.7%から下がり気味です。
つまり、米国経済の減速の予兆が見られるわけで、その点の記事についても転載します。
ただ、インフレについては収まる様子はなく、政策金利を下げられないのです。
この点は、ドル高継続の原因です。
円安進行、薄氷の抑止 為替介入・米景気にらみ綱引き
米消費者物価が焦点 日銀総裁、首相と面会
円相場を巡る市場と政府の駆け引きが続いている。過度な円安に歯止めがかかった一方、7日の外国為替市場では、大型連休中につけた円の高値(1ドル=151円台後半)から3円ほど円安が進んだ。焦点は「為替介入」による円安けん制効果と米景気減速サインの行方だ。米消費者物価指数(CPI)など今後の指標次第では再び円売り圧力が強まりかねない。
「円安については日銀の政策運営上、十分注視をしていくということを確認した」。日銀の植田和男総裁は7日、首相官邸での岸田文雄首相との面会後に記者団にこう話した。市場関係者が注目したのは「植田発言」の変化だった。
4月29日に1ドル=160円台まで円安・ドル高が進んだのは、植田総裁の発言がきっかけとの見方は多かった。同26日の金融政策決定会合後の記者会見で、植田氏は足元の円安について「基調的な物価上昇率に今のところ大きな影響を与えているということではない」と言及していた。
市場では円安に対応した日銀の早期利上げはないとの受け止めが広がり、円売りが膨らんだ。円安進行は政府・日銀にとって誤算だったに違いない。岸田首相と植田氏の面会という場を利用して発言の「修正」を図り、暗に円売りをけん制したようにみえる。
過度な円安に歯止めがかかっても、政府と市場の駆け引きは続いている。植田発言をきっかけにした円安進行は2つの要因でいったん抑え込まれた。2度にわたる為替介入観測と、米雇用統計などに映る米景気減速のサインだ。
政府・日銀は認めていないが、4月29日、5月2日早朝の2日間で計8兆円規模の為替介入があったとみられている。2023年通年の貿易赤字が6.5兆円で、既に貿易赤字を上回る規模の円買い需要を介入により作り出した計算になる。
1回目の「介入」が効いたのか、投機筋の円売り拡大も一服したようにみえる。米商品先物取引委員会(CFTC)によると非商業部門(投機筋)の円売越額は4月30日時点で7週ぶりに前週を下回った。円売り規模は依然2兆円超と大きいものの、その後の円高を受けて一段と縮小している可能性もある。
介入効果に限界も
為替介入だけでは円安抑止に限界がある。介入は一度に大きな需給のゆがみを作り出すことで相場を変動させる一方、日米金利差の拡大など円安をもたらしてきたファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)への影響は限られるからだ。
今回の為替介入効果を見極めるうえで、過去との比較は有益となる。22年10月の介入では、その時の安値である1ドル=151円94銭を超えて再び円安が進むのに1年超かかっている。為替介入によって円安進行を一定期間食い止めた形だ。
当時、介入効果に加えて米国サイドから「追い風」があったことは見逃せない。22年11月にインフレ率が市場予想を下回ることで生じた「逆CPIショック」が起きた。介入直後に米利上げ打ち止めと、将来の利下げ観測が浮上し、ドル全面高の流れが変わった。
24年の円安攻防でも、再び米国側からの追い風が吹き始めた。米金融政策の見通しを反映し円相場とも連動しやすい米2年債利回りは3日に急低下し、一時4.7%台前半を付けた。介入観測後に発表となった4月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が17万5000人増と市場予想を下回ったことが大きい。
雇用の減速で米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動く余地が広がったとの見方につながり、市場が織り込む年内利下げ回数は4月末の1回から2回に増えた。結果としてドル全面高の流れに一服感が強まった。日米金利差の拡大が止まり、縮小に向かうとの見立てから円売り圧力が弱まったともいえる。
今後の焦点は米雇用統計に映った米景気減速の兆候が本物かどうかだ。市場が注目するのは15日発表の4月のCPIだ。ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは「4月CPIも含めて継続的に米経済の減速を示す指標が続かない限り、明確なドル高基調の転換は訪れない」と指摘する。
3月のCPIは前年同月比3.5%上昇と2月の同3.2%上昇から伸びが拡大した。4月の数字でもインフレが根強いとの見方が広がれば改めて円売りが加速し、再び1ドル=160円を目指して円安が進むシナリオも残っている。
弱さ残る日本景気
日米の2年債利回りの差は足元で4.5%程度。金利差拡大が一服したとしても、歴史的にみればなお大きい。国内景気に弱さが残る日本では、日銀が積極的に追加利上げに動くとの見方は少数派だ。結局、金利差縮小→円高シナリオは「米国次第」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジスト)との見立てにつながる。
需給面でも円高に振れにくい事情がある。7日の東京市場でもニューヨーク市場の1ドル=153円台後半から円安が進み、一時1ドル=154円台後半を付けた。輸入企業など国内実需勢の円売り・ドル買い需要の根強さを指摘する声は多い。
米経済に減速の兆し 雇用と物価、構図に変化も
【ワシントン=高見浩輔】円の対ドル相場を左右する米経済に減速の兆しが出てきた。非農業部門の就業者数は4月に前月比で17.5万人増に落ち着いた。インフレ率がおおむね鈍化を続けるという米連邦準備理事会(FRB)の見立てに沿った動きが目立つものの、データにはなお強弱が混在する。
4月の米雇用統計は3月の31万人増から鈍化した。景気の軟着陸(ソフトランディング)に向かう程よい減速といえる。
金利先物市場は6日時点で、FRBが年末までに1〜2回の利下げをすると7割程度織り込んだ。10日ほど前の6割弱から上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が3月の時点で見込んだのは3回だった。次回見通しを出す6月12日にどう変化するかが焦点となる。
利下げが遠のけば米債券市場の金利は高くとどまり、日米の金利差は大きく開いたまま円安・ドル高の要因となる。通常は雇用が強ければ利下げの必要は薄らぐが、FRBのパウエル議長は3月に「必ずしも利下げ見送りの理由にはならない」と言及している。
背景には移民が急増し、企業の求人を埋めていることがある。雇用が増えても、賃上げがインフレ率を押し上げるという構図には直結しないという説明だ。
移民は「弱い雇用」と呼ばれるパートタイムの割合が高いとされる。米議会予算局(CBO)は1月に121万人とみていた2024年の移民流入数の推計を330万人に引き上げている。
インフレ率はなお高い。1〜3月期の米個人消費支出(PCE)物価指数は前期比年率の伸びが3.4%と、23年10〜12月期の1.8%から加速して目標の2%を大きく上回った。
5月15日に公表する4月の米消費者物価指数(CPI)がカギを握る。24年1〜3月の物価上昇率は予想より上振れし、FRB高官らに利下げシナリオを遅らせる修正を迫った。雇用の勢いが落ち着いても、根強い個人消費がサービス価格を押し上げ続ける構図が変わらなければ、物価は強さを残す。
FRBが賃金動向をみる上で重視する雇用コスト指数は1〜3月期に前期比1.2%上昇と市場予想を上回る伸びを示した。米ウェルズ・ファーゴのエコノミストは「インフレ率の鈍化は今年も続く」とみて9月の利下げ開始を予想するが、先行きはこれから数カ月分のデータをみなければ判断できないと強調する。
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