大阪万博について、ぼろくそに書いたが、見方を変えると、それは、ディズニランドやユニバーサルと同様に、万民受けするものと思われる。確かに、あの万里の長城にも匹敵する景観や、各パビリオンの外観、それに、展示品や展示物の派手さは、ほとんどの人々へのエンターテインメントとしては成功だと思う。その観点でも眺めねばならないだろう。つまり、僕がディズニランドやユニバーサルに行く気が生じないが、世の体制としては、多くの人々が好んで行こうとする代物だ。その観点からも眺めてみたい。
ところで、万博のテーマだが、下記となっている。
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2025年日本国際博覧会協会は、一人ひとりが互いの多様性を認め、「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するため、以下の8つのテーマ事業を設定することとした。
- いのちを知る
生命系全体の中にある私たちのいのちの在り方を確認する。
- いのちを育む
宇宙・海洋・大地に宿るあらゆるいのちのつながりを感じ、共に守り育てる。
- いのちを守る
危機に瀕し、人類は「分断」を経験する。「わたし」の中の「あなた」を認めるいとなみの行方に、多様ないのちが、それぞれに、護られてゆく未来を描く。
- いのちをつむぐ
自然と文化、人と人とを紡ぐ「食べる」という行為の価値を考え、日本の食文化の根幹にある「いただきます」という精神を発信する。
- いのちを拡げる
新たな科学技術で人や生物の機能や能力を拡張し、いのちを広げる可能性を探求する。
- いのちを高める
遊びや学び、スポーツや芸術を通して、生きる喜びや楽しさを感じ、ともにいのちを高めていく共創の場を創出する。
- いのちを磨く
自然と人工物、フィジカルとバーチャルの融和により、自然と調和する芸術の形を追求し、新たな未来の輝きを求める。
- いのちを響き合わせる
個性あるいのちといのちを響き合わせ、「共鳴するいのち」を共に体験する中で、一人ひとりが輝くことのできる世界の模式図を描く。
これらのテーマ事業から得られる体験は、人びとにいのちを考えるきっかけを与え、創造的な行動を促すものとなるに違いない。他者のため、地球のために、一人ひとりが少しの努力をすることをはじめる。その重なり合い、響きあいが、人を笑顔にし、ともに「いのち輝く未来社会をデザインすること」につながっていく。
世界の人びとと、「いのちの賛歌」を歌い上げ、大阪・関西万博を「いのち輝く未来をデザインする」場としたい。
これは、いのちを起点に、世界の人びとと未来を共創する挑戦にほかならない。
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とても難しい表現で、混乱するが、結局は、最後の3行に集約しているのだろう。でも、その3行も判りずらい。なぜ、こんなにわけの判らん表現にするするのだろうか?万博を楽しんだ人々も、こんなテーマに気付いた人は少ないだろう。
そんなテーマに拘ることなく、僕ならどんな展示にするかだが、恐らく、あらゆる産業の最先端の技術を、実稼働する姿で展示するだろうと思う。製造生産技術、搬送物流技術、焼却再生技術、これらを、そのまま再現するだけで、凄いものが出来上がりそうだ。一般の人々が知らない場所で、そんな凄い設備が稼働していることを知ってもらうだけで面白いと思う。
更には、NHKでやっていたような、遺伝子や細胞構造の探求とかの、最先端技術、宇宙の構造を探索する最新知識の表示とか、一般の人々が驚くような知識や知見が続々と起こっているのだ。これらを可視化するだけでも面白いと思う。
ところで、「命かがやく~」とか「命あふれる~」の標語だが、これは余りにも使い古された標語なのだ。僕が地元の谷津の保全に関わった30年以上前に、そのパンフレットに僕も投稿したが、「命かがやく谷津田の自然」って命題で投稿したし、同時期に、機械学会の搬送物流部門の幹事補佐として、例会や論文発表会の開催や司会を担当した時には、「進化する搬送・物流機械」を標語として、学会誌に掲載した。30年も経って、かなり使い古された標語をまた使うのか、と情けなく思えた。
思うに、頭の古い指導者たちが、大阪万博の運営を行ったに違いない。